白川静 漢字の世界観 の商品レビュー
松岡セイゴオさんの白川静先生の漢字学説明書。 白川さんの本は沢山の漢字を平等に扱っているから、うわ~、凄いなあと思いながらも体系だった説明が欲しいなあと思う処。セイゴオさん云う処の漢字マザー、サイや工を最初においての説明は判りやすい。サイが載書から名づけられたという説明は有難い。...
松岡セイゴオさんの白川静先生の漢字学説明書。 白川さんの本は沢山の漢字を平等に扱っているから、うわ~、凄いなあと思いながらも体系だった説明が欲しいなあと思う処。セイゴオさん云う処の漢字マザー、サイや工を最初においての説明は判りやすい。サイが載書から名づけられたという説明は有難い。長年の疑問が氷解した。 詩経と万葉集についての著作も読んでいる。共通の呪能があるという説明は成程と思われた。日本でその呪能は短期間に失われたという一文には虚を突かれたが。 最後は漢字は国字であるという主張について。 漢字をどのように受容していったかという歴史を判りやすく説明している。知ってはいることだけど、改めて納得。 ひらがな、カタカナが漢字生まれるように、漢字も国字となったという。確かにそうだよなと思う。 白川さんは漢字の学者にとどまらず、東洋学の系譜にあった人という。 四半世紀前、偶々テレビで白板に「遊」の成り立ちを書いて講演している老人を観た。士族の王子が旗を持ち、進む。旗がよりましとなり、神が遊ぶ。人が遊ぶのではないという講演に驚いた。凄い。誰、このお爺さんと思い、見ていたが、ああ、白川さんだと気付いた。宮城谷昌光さんの小説や諸星大二郎さんの漫画で名前だけは知っていただけだったから。 甲骨文字や金文を何度もトレースし、古代の民俗を解き明かしていく研究。この白川先生の研究は中国には伝わっているんだろうか。
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第1章 文字が世界を憶えている 『漢字』の衝撃 漢字には原初の祈念や欲望 漢字の体系 漢字と東洋へのめざめ 文字を写しながら考える 第2章 呪能をもつ漢字 文字には呪能がある 甲骨文の誕生 古代社会での言霊の攻防 第3章 古代中国を呼吸する 洪水神話と古代の王たち 古代中国の...
第1章 文字が世界を憶えている 『漢字』の衝撃 漢字には原初の祈念や欲望 漢字の体系 漢字と東洋へのめざめ 文字を写しながら考える 第2章 呪能をもつ漢字 文字には呪能がある 甲骨文の誕生 古代社会での言霊の攻防 第3章 古代中国を呼吸する 洪水神話と古代の王たち 古代中国の歴史 漢字のマトリックス 第4章 古代歌謡と興の方法 白川論文の独創性 研究の深化と蓄積 思いを興す 第5章 巫祝王のための民俗学 民俗学の開化 神との交流を基とする 春秋から戦国へ 第6章 狂字から遊字におよぶ 新し孔子像 「狂」の二面性 遊ぶものは神である 字書の哲学 第7章 漢字という国語 漢字の原理 漢字に日本の国字 日本人の感覚で漢字をつかいこなす 日本人のデュアル・スタンダード 日本の文字革命=仮名 対談 呪能と歌の心―白川静の魅力
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