基礎講義 会社法 の商品レビュー
基礎講義ということで初学者向けに書かれた教科書なのですが、読み物として面白い本でした。 会社法の教科書が設立からスタートしない、というのは既に定着したスタイルと思いますが、この本では、何のために会社法があるかをもっとよく理解できるように、第1部コーポレートガバナンス→第2部コー...
基礎講義ということで初学者向けに書かれた教科書なのですが、読み物として面白い本でした。 会社法の教科書が設立からスタートしない、というのは既に定着したスタイルと思いますが、この本では、何のために会社法があるかをもっとよく理解できるように、第1部コーポレートガバナンス→第2部コーポレート・ファイナンス→第3部コーポレート・ストラクチャーという構成にしてあって、その試みがすごく良く成功しているなと思いました。これにより、読者は、会社法がどういう物事を対象とする法律であり、各規定がどういう意味を持つのかを把握するのが容易になると思います。 私は、弘文堂の鈴木竹雄先生の会社法と法律学全集の鈴木・竹内先生方の本を教科書にして勉強した世代ですので、大学で学んだことと、実際の会社法実務とのギャップ(といいますか力点の置き方の違い)に最初は戸惑いましたが、この「基礎講義」で勉強する学生さんは、最初から活きた会社法を学ぶことができるだろうな(うらやましい)と思った次第です。 各章の冒頭に分かりやすいイントロとKey point、章の終わりにSelf-checkと参考文献(これまた多彩で興味深かったです)を掲げる方式も、本書を手にする読者には非常にありがたいと思います。 それと、叙述のスタイルも、平易に記載されているだけでなく、様々な気づきのあるものでした。楽しんで一読することができました。
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