イタリアのテリトーリオ戦略 の商品レビュー
以下抜粋~ ・地産地消の復活を目指すイタリアのスローフードの考え方は、近年、「キロメトロ・ゼロ」というこの国の誰もが口にする合言葉を生み出した。 生産地と消費地の間が0㎞の状態が理想といい切るのは、見事というしかない。 ・非効率な農業活動は、経済的には生み出す価値はわずかかもし...
以下抜粋~ ・地産地消の復活を目指すイタリアのスローフードの考え方は、近年、「キロメトロ・ゼロ」というこの国の誰もが口にする合言葉を生み出した。 生産地と消費地の間が0㎞の状態が理想といい切るのは、見事というしかない。 ・非効率な農業活動は、経済的には生み出す価値はわずかかもしれないが、美しい景観を守り、夏の限られた期間だけ楽しめる花の香りがするチーズやバターを求めて地元住民や観光客が訪れ、地域の農村ツーリズムを生み出している。 ・テリトーリオ品質戦略は、テリトーリオの関連主体が代表的な農産物・食品、伝統的手工芸、観光サービス、接客サービス、農村景観、特別自然美館地域、地域文化や民間伝承、芸術や建築資源といった、地域の様々な要素や資源をネットワーク化することによって、テリトーリオが提供する産品やサービスの付加価値を増幅する。それが、人々の郷土愛の醸成につながることを、関連主体が認識することが大切である。 ・フランスの食育では「味覚の週間」が有名です。有名シェフが授業で子供たちに食について教えるイベントがあります。 ・トスカーナ地方のオルチャ渓谷の農業をベースとする田園風景が、ユネスコの世界遺産に登録されたのである。 「エノガストロノミー」とはワインを意味する「エノ(Eno)」と、美食学・料理法などを意味する「ガストロノミー(Gastronomy)」とを組み合わせた造語で上質な食文化を楽しめる場所という意味。 ・テリトーリオ特有の共有材は、3つの特徴を有する。第一に、特定のテリトーリオにしっかりと埋め込まれているため不動である。第二に、同様に高い品質を他の場所で見つけることが難しいという点で、競争優位性がある。第三に、短期間では生み出せず、長期的な時間経過のなかで蓄積され定着するものであるという点で遺産的である。
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2023.10 非常に面白すぎた本でした。 ・テリトーリオ=「都市と周辺の田園や農村が密接に繋がり、支え合って共通の経済・文化のアイデンティティを持ち、個性をはっきしてきたそのまとまり」 ・テリトーリオを念頭に、経済価値を生み出すための源泉になるコモンズを育み、非経済価値(ネット...
2023.10 非常に面白すぎた本でした。 ・テリトーリオ=「都市と周辺の田園や農村が密接に繋がり、支え合って共通の経済・文化のアイデンティティを持ち、個性をはっきしてきたそのまとまり」 ・テリトーリオを念頭に、経済価値を生み出すための源泉になるコモンズを育み、非経済価値(ネットワーク、ソーシャルキャピタル、地域愛着など)を生み出す必要がある。 ・農村の開発を経済発展とするのではなく、経済・環境・社会を対等に扱う必要がある。
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農産物の生産と流通をテリトーリオの文脈で再考する 第1部 テリトーリオの理論的枠組みと分析概念(チェントロ・ストリコからテリトーリオへ―田園の再評価とその再生;テリトーリオの内発的発展―農業の多機能性による地域の持続可能性;テロワール産品を通じたルーラル・ジェントリフィケーション...
農産物の生産と流通をテリトーリオの文脈で再考する 第1部 テリトーリオの理論的枠組みと分析概念(チェントロ・ストリコからテリトーリオへ―田園の再評価とその再生;テリトーリオの内発的発展―農業の多機能性による地域の持続可能性;テロワール産品を通じたルーラル・ジェントリフィケーション―イタリアのキアンティ) 第2部 テリトーリオ理論の実践的な展開(農村ツーリズムとテリトーリオ産品の価値向上のためのネットワーク;質の良い地域産品、新しいライフスタイル、エノガストロノミア・ツーリズム―アドリア海沿岸のいくつかの州におけるオルタナティブな発展;アフターコロナ時代のテリトーリオとフード・ツーリズム―ローマ大都市圏近郊の事例) 第3部 テリトーリオの象徴としての食文化とワイン(イタリア食文化の価値―郷土料理を読む方法論;イタリアワインの多様性とテリトーリオ) 鼎談 テリトーリオ・ルネサンスが紡ぐ未来 現代都市文明からの脱却、農業の再評価―イタリアから日本へ
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