ひゃくえむ。(新装版)(下) の商品レビュー
100メートル走という、10秒くらいで終わってしまう競走をテーマに、人生について考えさせられるエッセンスを凝縮している。 何のために走るのか?言い換えれば何のために頑張るのか? たとえ気を紛らわすためにやっていても、一心不乱にやっていれば、格好悪くても成長する。 何か一つ秀...
100メートル走という、10秒くらいで終わってしまう競走をテーマに、人生について考えさせられるエッセンスを凝縮している。 何のために走るのか?言い換えれば何のために頑張るのか? たとえ気を紛らわすためにやっていても、一心不乱にやっていれば、格好悪くても成長する。 何か一つ秀でたものがあれば、周囲の見る目は変わる。 明確な目標を持った人は成長が早い。しかし迷いが生じると泥沼にハマる危うさを持つ。 ネガティブなことを考えるとパフォーマンスが落ちる。ポジティブなことを考えると、どこからか力が湧き出てくる。 凡人は自分の地位が危うくなると、対抗する相手を嵌めようとする。スルーすればいい。だいたい失敗する。 変わりゆく世界の現実を直視し、それが自分の願っていない状況だとすれば、全力で現実逃避しようとすることが力になる。ただ、逃避するためには、現実を直視して知らなければならない。それは恐ろしいことでもある。 怒りや復讐もパワーにはなる。でも突き抜けたパワーにはならない。 自分が面倒みた相手が、自分の望む方向に行かないことがある。自分を追い抜いていくこともある。 人間は常に死の不安の中にいる。でも、その不安も、本気を出している人の幸福感を奪うことはできない。 小学生のときに感じていたことは、大人になっても正しいことがある。この世にはシンプルなルールがある。100メートルだけ速ければ、全部解決する。
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生きるか死ぬかの危うい領域で魂を闘わせる先に、闘った者にしか見えない聖域がある。その聖域に踏み入れて心身を破壊されることすらある危険な区域。人類はその聖域に幾度となく挑戦してきた。その景色が彼らに一時万能の神にすら値する恍惚感を与えたとしても、いずれ儚く指の間からこぼれ落ち、又杯...
生きるか死ぬかの危うい領域で魂を闘わせる先に、闘った者にしか見えない聖域がある。その聖域に踏み入れて心身を破壊されることすらある危険な区域。人類はその聖域に幾度となく挑戦してきた。その景色が彼らに一時万能の神にすら値する恍惚感を与えたとしても、いずれ儚く指の間からこぼれ落ち、又杯は別の者の手に渡る。しがない自分の人生の小さな世界だとしても、自分なりに闘ってみたい。そんなことを思った。
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100m走というシンプルな勝負の中にこれだけの物語を作れるのは凄すぎる。実際たった10秒を走るために何千時間、何万時間も準備してる人がいるし、自分もそうだけど、たった数分のために人生を賭ける仕事をしている人は読めば刺さるに決まってる。
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自分の生活を充実させるためにも、こういった若さ・熱・天才性・荒削り・主人公性は、定期的に摂取する必要がある!と感じた。
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手塚治虫作品のような、何かバトンを得られる作品だと思う。好き嫌いもはっきりするタイプの作品ではあると想像するけれど、気になったらきっとこの漫画が必要なんだと思います。
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巻末のインタビュー必見! 「チ。」を先に読んでいたからか、こんなに若い作家さんだとは思いもよらなかった。 思考の深度に圧倒された。 天才、とおもったけど苦悩もされて、丁寧に感情を掬い取って、勢いに乗せて描いていると思う。 これからも楽しみ。
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とにかく引き込まれる心理描写が魅力的。 真剣な話をしている場面でもどこかユーモアがあり、しかし説得力のある内容になっている。 チ。が好きな人であればきっと気にいる作品だと思うので、是非読んで欲しい。
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チ。作者のデビュー作。 ページをめくった瞬間の急展開がチ。を彷彿とさせました。好き。 1番好きだったシーンはトガシに現実が唐突に「来た」シーン。
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22冊目『ひゃくえむ。新装版 下』(魚豊 著、2022年3月、講談社) 狂気と情熱の100m走物語、ここに完結。 相変わらず鈍重な印象を受けるストーリーテリングではあるが、一つ一つの言葉が生み出す熱量と重量が凄まじい。 著者の連載デビュー作なだけあって、若さと気概と覚悟が物語から...
22冊目『ひゃくえむ。新装版 下』(魚豊 著、2022年3月、講談社) 狂気と情熱の100m走物語、ここに完結。 相変わらず鈍重な印象を受けるストーリーテリングではあるが、一つ一つの言葉が生み出す熱量と重量が凄まじい。 著者の連載デビュー作なだけあって、若さと気概と覚悟が物語から伝わってきた。 マガジン新人漫画賞入選作品『佳作』も同時収録。時間に余裕があったためか、こちらの作品の方が線が綺麗。 16000字を超える、著者のロングインタビューも掲載されている。 「走るのが、 好きだー。」
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- ネタバレ
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100m走=人生という漫画。 何のために走るのか?は何のために生きるのか?という問いかけにもなるのかな。 一番になるため。 周りからほめられるため。 人に迷惑をかけないため。 お金、地位や名誉のため。 結局は自分が走りたいから走る、んだとおもう。 誰が何と言おうと自分の人生ですよね。 この漫画を読むとめっちゃ走りたくなります(走るのめちゃくちゃ遅いですけど…) 個人的にはトガシは教育者として後継をどんどん育ててほしい。 小宮くんは壊れるまで走ってるとおもう。
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