地下出版のメディア史 の商品レビュー
最後まで読めた! なにより冷静な立ち位置(著者が女性ということもあるのか)で、思いのほか面白かった。
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日経新聞2022514掲載 評者:福間良明(立命館大学産業社会学部教授,歴史社会学,メディア史wiki)
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いろいろ教えてもらった本であることは間違いない。日中戦争期・アジア太平洋戦争期の大衆向け雑誌・青年向け雑誌の目次でよく見ていた「我妻大陸」が梅原北明の変名とはまったく知らなかった。だが、全体を通してみて、この本は結局何を論じた本だったのか、最後までよくわからかった。 対象はひ...
いろいろ教えてもらった本であることは間違いない。日中戦争期・アジア太平洋戦争期の大衆向け雑誌・青年向け雑誌の目次でよく見ていた「我妻大陸」が梅原北明の変名とはまったく知らなかった。だが、全体を通してみて、この本は結局何を論じた本だったのか、最後までよくわからかった。 対象はひとまず明確だし、著者としてはさまざま「研究の意義」を言語化しようと企てている。しかし、結局本書は、1920年代における梅原北明一派のメディア・パフォーマンスの紹介にとどまっているのではないか。サブタイトルの「地下出版界」というコンセプにも疑問なしとしない。著者は戦前日本の内務省検閲の隙間を突いた脱法的な出版物の広がりを「地下出版界」と呼んでいるように見えるが、果たしてそのような理解でよいのだろうか。満洲事変を境に「地下出版」の水脈がいったん途絶えたように見えること自体が、決定的な問題だと私は思うが、本書では検閲の歴史や質的な変化にかんする議論がない。けっきょく、問われてよいはずなのに問われない「問い」の痕跡だけが、もやもやと胸の中に残ってしまう。。。
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日本のインテリエロの最重要人物である梅原北明を中心に、戦前の軟派出版物、地下出版物の歴史を辿る本。労作。巻末に付録として掲載されている「昭和『地下出版界』関連年表」も凄い。北明や戦前の出版史に関心のある人なら必読ではなかろうか。戦後の「奇譚クラブ」の創刊号の表紙が「グロテスク:の...
日本のインテリエロの最重要人物である梅原北明を中心に、戦前の軟派出版物、地下出版物の歴史を辿る本。労作。巻末に付録として掲載されている「昭和『地下出版界』関連年表」も凄い。北明や戦前の出版史に関心のある人なら必読ではなかろうか。戦後の「奇譚クラブ」の創刊号の表紙が「グロテスク:の表紙のオマージュ(パクリ?)になっているのは知らなかった。意図されたものか偶然なのか?
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