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油絵は謎をささやく の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2024/07/25

翔田作品は現代を舞台にした推理小説しか読んでおらず、まあ普通の推理小説家だなあという感想しかなかったが、本作で見方を変えさせられた。100年前に高橋由一の描いた隧道図に絡む思惑と怨念が超一流のミステリー作品に昇華する様は驚きの連続で、興奮が抑えられず後半一気読み。個人的に今年最大...

翔田作品は現代を舞台にした推理小説しか読んでおらず、まあ普通の推理小説家だなあという感想しかなかったが、本作で見方を変えさせられた。100年前に高橋由一の描いた隧道図に絡む思惑と怨念が超一流のミステリー作品に昇華する様は驚きの連続で、興奮が抑えられず後半一気読み。個人的に今年最大の拾い物だと感じている。三島通庸を絡めて、明治前半の歴史的な背景も見事に活写している。著者の経歴をWikipediaでみると、美術館勤務および大学での美術史教員の経験があるとのことで、美術に造詣があることもわかり非常に納得。こうなると広沢真臣の暗殺を題材にした「参議怪死ス」も俄然興味深くなった。読んでみよう。

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2024/06/14

ブクログでは星の評価は低いようですが 、私は面白く読ませていただきました。 明治時代に著名な画家によって描かれた1枚の油絵 。それが真筆か、贋作か‥。過去の出来事に遡って考察していく展開は、緻密で丁寧に描かれています。 でも、それがかえって読み手に難解な印象を与えてしまうのかもし...

ブクログでは星の評価は低いようですが 、私は面白く読ませていただきました。 明治時代に著名な画家によって描かれた1枚の油絵 。それが真筆か、贋作か‥。過去の出来事に遡って考察していく展開は、緻密で丁寧に描かれています。 でも、それがかえって読み手に難解な印象を与えてしまうのかもしれません。 深層を究明する導き役として小宮山香織という若き准教授を登場させたのは 良かったです。ドラマで演じるとしたら米倉涼子さんという感じでしょうか。

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2024/02/15

教え子から相談を持ち掛けられたのは、油絵の真贋。文化史の准教授、小宮山香織が、調査していく中で明治12年に起きた豪農家の次女失踪事件と、明治期の道路拡張事業が絡み合っていく。油絵の持つ謎が、新たな事件を呼び込んでいく。少し切ない。

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2022/09/29

若き大学教員に依頼された、高橋由一の油絵の真贋鑑定。その調査は明治12年の、未解決の令嬢失踪事件へと遡る。当事者が残した日記などを基にその事件を調査するが、その最中、敵対する名誉教授が殺害される。明治と現在が交互に展開されてページが進む毎にジワジワと面白さは加速する。史実を絡めて...

若き大学教員に依頼された、高橋由一の油絵の真贋鑑定。その調査は明治12年の、未解決の令嬢失踪事件へと遡る。当事者が残した日記などを基にその事件を調査するが、その最中、敵対する名誉教授が殺害される。明治と現在が交互に展開されてページが進む毎にジワジワと面白さは加速する。史実を絡めていたり、当時の関係者の子孫を巻き込む構図が面白い。ラスト50ページの事件の解明と真贋を見極める公聴会のシーンに興奮しながら読み終えた。

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2022/08/06

ちょっと専門的だけど、そんなに読み難いことなくて悪くない。全体のストーリー構成もいいし、終わり方も好き。この手の美術品物は早逝された北森鴻さんを思い出す

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2022/06/30

現代の油絵の真贋問題が明治に起きた女性失踪事件にリンクしていく感じがいいですね、面白かったです。その謎のアプローチみたいなものがとても好みだったんですが、真相は「こうなんです!」と提示されても・・・いまいちピンとこないというか。有無を言わせない物的証拠!みたいなものじゃなくて想像...

現代の油絵の真贋問題が明治に起きた女性失踪事件にリンクしていく感じがいいですね、面白かったです。その謎のアプローチみたいなものがとても好みだったんですが、真相は「こうなんです!」と提示されても・・・いまいちピンとこないというか。有無を言わせない物的証拠!みたいなものじゃなくて想像が結構補完してないか?と思ったりも。

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2022/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現在と過去、様々な人の絡み合い、さらに起こる事件、全てが糸の絡まりが解けるように、真っ直ぐになっていく最後の章は圧巻。 隧道が作られる前の光景も、鮮やかに甦るように想像でき、登場人物の心情も細やかに描かれ、良い本を読めて良かった…

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2022/06/03

大学教員がその専門性と洞察力で粘り強く現在と過去の事件を解決。あまり最近は推理小説を読まないけど、楽しめました。

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2022/05/02

日本文化史の准教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたという。真贋を調べる香織はやがて、描画当時の事件が鍵を握ることに気づくが…。 実在した有名作家高橋由一の油絵に纏わる物語。作者が克明に調べた上での労作で、...

日本文化史の准教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたという。真贋を調べる香織はやがて、描画当時の事件が鍵を握ることに気づくが…。 実在した有名作家高橋由一の油絵に纏わる物語。作者が克明に調べた上での労作で、ノンフィクションかと思わせるほどの美術ミステリーだった。高橋由一を知っていればもっと楽しめただろうけど、そこは私の不徳の致すところ。 (Ⅽ)

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2022/04/05

Amazonの紹介より 日本文化史の大学教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたというのだ。明治期を代表する洋画家・高橋由一が描いたとされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を持ちながら、いくつかの謎をはらんでいた。...

Amazonの紹介より 日本文化史の大学教授・小宮山香織のもとに、教え子から相談事が持ち込まれた。山形の実家が所有する油彩画に、贋作の疑いがかけられたというのだ。明治期を代表する洋画家・高橋由一が描いたとされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を持ちながら、いくつかの謎をはらんでいた。真贋を調べる香織はやがて、描画当時の事件が鍵を握ることに気づくが――。明治期の不可解な失踪事件、道路事業をめぐる百姓一揆、真贋不明の奇妙な絵、そして新たな殺人。 油絵が呼び寄せた謎の先に、驚天動地の真実が待つ! 一つの絵に潜む様々な謎や歴史が、謎が謎を呼ぶ意外な展開で面白かったです。一つの絵からこんなに話が拡がるとは驚きでした。 絵画ミステリーというと、原田マハさんの作品が思いつくのですが、この作品では主に「贋作」をテーマにしています。 今までの実際に起きた贋作の出来事も紹介していて、勉強にもなりました。 主人公は、日本文化史の准教授。かつての教え子から依頼される油絵の真贋。 本物か贋作か?だけでなく、その絵のかつての所持者にまつわる大きな出来事も面白く、グイグイと沼にハマるかのような面白さがありました。 行方不明事件やトンネルでの一揆騒動、現代での殺人事件などてんこ盛りでした。まさか殺人が起きるとは驚きでした。 そして徐々に収束して明らかになる謎の数々。 特に最終章で明らかになる公聴会のシーンは、法廷シーンを見ているようで、全てが解けたことによる爽快感がありました。一筋縄ではいかない展開に最後の最後まで楽しめました。 読了後は、良い余韻に浸れました。

Posted byブクログ