リーダーシップの理論 の商品レビュー
研究者、実務家を問わずリーダーシップを深く理解、あるいは実務で実践するための一冊。 本書の最大の貢献は、「リーダーシップ持論2.0」という概念を用いて、理論と実践を橋渡ししたことにある。誰もが持つ「実践知」に理論的裏付けを携えさせ「知的武装」を施す方法を指南する。 リーダーシ...
研究者、実務家を問わずリーダーシップを深く理解、あるいは実務で実践するための一冊。 本書の最大の貢献は、「リーダーシップ持論2.0」という概念を用いて、理論と実践を橋渡ししたことにある。誰もが持つ「実践知」に理論的裏付けを携えさせ「知的武装」を施す方法を指南する。 リーダーシップの「理論史」のグランドマップ、理論展開の俯瞰的な特徴、そして個別理論がどのように発展して、どのようなことに貢献して、そして、理論上の弱みやそれがどのように次の理論への注目、発展に繋がっていたのか等全体的に滑らかで、平易な言葉で記載されており分かりやすい。この理論の分かりやすさが、続くリーダーシップ理論2.0でなぜ持論と繋がるのかという理解に繋がっていく。 そもそも、一般的なリーダーシップのイメージとリーダーシップ研究での定義とは異なっており認識をあらためることが本書を手に取るまでの大きなハードルだろう。しかし、定義を理解すれば目から鱗が落ち、驚くべきスピードで読み進めるはずである。 注釈に記載されている参照・引用論文の多さからも研究対象としてリーダーシップを研究志す者にとって必読の一冊であろう。専門外であっても理論の整理の仕方、実践への応用の仕方等大変参考になる一冊である。
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リーダーシップの各理論を時系列で包括的に紹介した本。自身の経験からの持論的リーダーシップが、変化が激しく、画一的ではない現代では通用しないことが多くなる。各理論を知っておくことで、持論の裏付け・補強、結果の予測、新しい視点の獲得ができ、持論を強化できるため、抑えておくことが重要。...
リーダーシップの各理論を時系列で包括的に紹介した本。自身の経験からの持論的リーダーシップが、変化が激しく、画一的ではない現代では通用しないことが多くなる。各理論を知っておくことで、持論の裏付け・補強、結果の予測、新しい視点の獲得ができ、持論を強化できるため、抑えておくことが重要。 本書は1章が理論を学ぶ理由、2章が理論の歴史、3~7章が資質アプローチ、行動アプローチ(PM理論、マネジアルグリッド等)、状況アプローチ(SL理論、パス・ゴール理論等)、変革型アプローチ(レヴィンの変容仮定モデル、コッターの変革モデル等)、その他(サーバントリーダーシップ等)、8章が著者の推奨するパーソナリティ・ベース・リーダーシップについて記述されています。 特に8章が著者の提唱したいことだと思いました。その内容を記載します。 パーソナリティ・ベース・リーダーシップ 自分の強み・弱み、価値観をしっかりと把握し、自分らしいリーダーシップを発揮するという考え。例えば演説が得意でない人が、感動的な演説を試みるよりは、自分の仕事をしている姿で影響を与える方が効果的である場合がある。 パーソナリティベースリーダーシップを確立するためには、1.自分を良く知る、2.周りを知る、3.方向を決める、4.自ら行う、5.良心に従うの5つのステップがある。それらを実施したときの心理的、行動、成果の変化を内省・対話・観察・経験を通して確かめ、次のリーダーシップにフィードバックする。 1.自分を知るためには、自分の強み・弱み、価値観、仕事に求めるもの、将来像を言語化していく。2.周りを知るためには、組織のミッション、ビジョン、戦略を知り、業務プロセスを理解し、周りのメンバーをよく知っていく。3.方向性を決めるためには、ミッション、バリュー、戦略との整合性やインセンティブ設計を行う。4.自ら行うでは、その決めたことを先頭に立って実践する。5.良心に従うは、最後は自分の正しいと信じる行動に出る。 そうして、自分らしいリーダーシップを獲得していく。 過去の各論を参考にしながら、自分らしいリーダーシップとは何か見出していきたいと思います。
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難しく理解しづらく、現場では役に立たないと思われがちな理論は、実はわかりやすく、実務の役に立ちます。 最新の理論はもちろん、時代の変化に合わせて発展してきた理論も分かりやすく解説してくれます。 120年の研究を一気に読むことができます。 資質アプローチから行動アプローチ、コンティ...
難しく理解しづらく、現場では役に立たないと思われがちな理論は、実はわかりやすく、実務の役に立ちます。 最新の理論はもちろん、時代の変化に合わせて発展してきた理論も分かりやすく解説してくれます。 120年の研究を一気に読むことができます。 資質アプローチから行動アプローチ、コンティンジェンシー・アプローチ、変革型アプローチ、そしてそれ以外のリーダーシップについても、詳しく解説してくれます。 リーダーシップ研究の流れ、考え方がよく分かりました。 2000年以降は視点が多様化すると同時に様々な研究が行われるようになってきた。研究によっては、全く異なる視点から理論構築をしているものもある。このため、これまで以上に理論間で共通するコンセンサスが得にくくなっている時代であるともいえよう。 しかし、そのような中でも、リーダーシップの定義のうち、最も重要な点については、研究者間である程度のコンセンサスが得られるようになってきた。つまり、影響、プロセス、グループ、共通目標という点では、多くの研究者間でコンセンサスを得ているのである。 ー 61ページ
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第1章 理論を知っているかどうかで差がつく時代の到来 経験や勘の限界 持論 多くの理論 第2章 120年の研究を一気に読む ―リーダーシップ研究の流れ 第3章 資質アプローチ研究 成り立ちと内容 応用例とその評価 第4章 行動アプローチ研究 オハイオ研究 ミシガン研究 PM理論 ...
第1章 理論を知っているかどうかで差がつく時代の到来 経験や勘の限界 持論 多くの理論 第2章 120年の研究を一気に読む ―リーダーシップ研究の流れ 第3章 資質アプローチ研究 成り立ちと内容 応用例とその評価 第4章 行動アプローチ研究 オハイオ研究 ミシガン研究 PM理論 応用例とその評価 第5章 コンティンジェンシー・アプローチ研究 フィドラー理論 SL理論 パス・ゴール理論 応用例とその効果 第6章 変革型アプローチ研究 カリスマ型 パスの変革型 ティシーとディバナ コッター 応用例とその評価 第7章 その他のリーダーシップ研究 サーバント・リーダーシップ オーセンティック・リーダーシップ 温情主義的リーダーシップ研究 LMX理論 暗黙的リーダーシップ理論研究 シェアド・リーダーシップ研究 第8章 リーダーシップ持論2.0へ パーソナリティ・ベース・リーダーシップ 持論のPDCA
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※このレビューにはネタバレを含みます
評価 歴史と研究内容と、評価がシンプルにまとめられている。 概要を理解するのに役立つ。 内容 リーダーシップとは、チーム目標を達成するための影響力としている。(力とは度合いで能力ではない) マネジメントとは、人を通じ人と共に物事を効果効率的に成し遂げるプロセス 計画、組織化、リード、コントロール リーダーシップの歴史 1900年から開始 1950年までは化学的管理、人間関係1970年から行動科学 リーダーシップの視点では、 コントロール→生まれながらの資質〜リーダーの行動〜エンゲージメントの向上(1980年ごろから) 2000年以後は、 サーバント、オーセンティック、温情主義的、、、最近はクリアリーダーシップなど? リーダーシップのビッグ5 1400位以上の研究をまとめて導かれた。 知性、高潔さ、自信、社交性、決断力 コンティンジェンシーアプローチ SL理論やフィードラー理論と比較して、 状況適応力が高いし、応用が効くパスゴール理論かまある。(反対に論理的に説明されてないところも) 変革型アプローチ リーダー自らが強い影響を発揮するタイプの研究 カリスマ研究 優位性、影響行使欲求、自信、倫理的価値観が強い人。また前提条件として、強いロールモデル、有能さ、目標明確、高い期待、信頼、モチベーションがフォロワーの意識に必要 さらにシャミアは必要行動を定義づけた ビジョンを、示す わかりやすく伝える 自らがリスクを取る 期待を伝える 信頼を伝える モデル行動を決める リーダーの印象を整理する 一体感を作る エンパワーメントする これによるフォロワーの望ましい変化は リーダーに対するエンゲージメント強化 チームとしての一体感意識 目標やビジョンの事績化 自己、チーム効力感の向上 そしてリーダーシップ2.0へ。 自分自身のスタンスやスタイルが大きく変わることはないので、自分の持ち味を生かすのが1番なのでは。
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