ポリヴェーガル理論への誘い の商品レビュー

津田真人(著者)

2024/08/28

ポリベーガル理論の概要を知るために手に取った本。
さまざまな神経が出てくるからとっつきにくい部分もあるけど、いろんな論文などを論拠として引用していて、安心して読めた。

自律神経を整える実践的な方法というよりも、どうして乱れるのか？
乱れたらどうなるのか？
という理屈の部分を知りたい人向け。

2024/08/08

睡眠・メンタルなどの話題で昔からよく聞いた「自律神経」とか「副交感神経」。ここ数年「ポリヴェーガル理論」「腹側迷走神経」（ええこれ、私も最初おなか側だと思いました笑）といった用語をよく聞くようになった。元となったポージェスの本より一般向けでわかりやすい解説、ということで読んだ。

多少学術的ではあるけどわかりやすい科学の授業、という感じで読める。進化の過程での神経の発達については「やった、陸に上がって首ができた！」など楽しい。極め付けにまさかの愛ですよ、愛が登場する。

本理論の他学者による研究等はもう少し調べないとわからないが、全体を通し、いち個体としての自分が「この理論、わかる気がする！」と思えてくる、それもここまで広まった理由だろうか。

2023/07/20

難解だと言われる前著『ポリヴェーガル理論を読む』(私は未読)の前半を、ポイントを絞って、わかりやすくコンパクトにまとめたものなのだという。
確かに、身体医学（特に神経系）の知識に乏しい者にも、わかりやすい説明がなされていた。この理論に特有の用語について、誤解を招きやすい点に注意喚起したり、似ている用語について、その違いを明快に説明したりと、とても親切な記述がなされている。
さらに、単なる理論解説にとどまらず、ポリヴェーガル理論の不十分な点や、今後の課題についての考察がなされている。
文章が時々、砕けた話し言葉になるのが、玉にキズだと感じる。著者としては、まえがきにあるように、セミナーのライブ感を出そうとしたがゆえ、なのかもしれないが。度を越した砕け過ぎは、著書の品格を下げてしまうと思う。

私は1990年代末に、著者の津田氏と、ゲシュタルトセラピーのセミナーでお会いしたことがある。今回、ポリヴェーガル理論の書籍で名前をお見かけして、「あれ以降もずっと、心身両面からの治療実践と理論研究に、邁進されていたのだなぁ」と、感慨深かった。
続けて、前著の方も読んでみたい。