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角川ホラー文庫版、小池真理子傑作選の第2冊。収録作品は1997年から2017年辺りに発表されたものらしい。 巻頭の「幸福の家」が最も印象が強く、途中までは普通小説として読めて、冷静な文体にそれなりの詩情も漂う。油断していると思いがけない暗転に至るのだが、そこまでに醸成された情...
角川ホラー文庫版、小池真理子傑作選の第2冊。収録作品は1997年から2017年辺りに発表されたものらしい。 巻頭の「幸福の家」が最も印象が強く、途中までは普通小説として読めて、冷静な文体にそれなりの詩情も漂う。油断していると思いがけない暗転に至るのだが、そこまでに醸成された情趣を言及することで、作品としての完結を示している。 他は、今ひとつかなという結末のものもあるが、総じてこの人のホラー小説は悪くない。書こうと思えばごくオーソドックスな普通小説も書ける人なので、それなりに力量が高いのだろう。
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読んでる途中からそうじゃないかなそうじゃないかなと思わされ、やっぱりそうなのにやっぱり背筋がザワっとする『幸福の家』『坂の上の家』『囚われて』が◎。 『カーディガン』ははっきりしないからこその不安定な怖さもあると思うけれど、私としてははっきりしてほしかった。 ねばねばした感じ...
読んでる途中からそうじゃないかなそうじゃないかなと思わされ、やっぱりそうなのにやっぱり背筋がザワっとする『幸福の家』『坂の上の家』『囚われて』が◎。 『カーディガン』ははっきりしないからこその不安定な怖さもあると思うけれど、私としてははっきりしてほしかった。 ねばねばした感じは苦手と思う作品もありながら、結局は全部読んでしまった。
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