天の蚕が夢をつむぐ の商品レビュー
大島紬を織るために、その材料である蚕を育てることから始めるなんて、分業が当たり前だということを考えるまでもなく驚きです。 それは編み物をしている私が、羊を飼ったり、綿を育てたりするのと同じこと。理想ではありますが、現実的に考えたら時間が足りなくなりそうだし、労力も半端じゃないと思...
大島紬を織るために、その材料である蚕を育てることから始めるなんて、分業が当たり前だということを考えるまでもなく驚きです。 それは編み物をしている私が、羊を飼ったり、綿を育てたりするのと同じこと。理想ではありますが、現実的に考えたら時間が足りなくなりそうだし、労力も半端じゃないと思います。 でも、それをやってのけてしまうのが南さん。 しかも奄美固有の蚕でというのですから、こだわり様も半端ありません。 そのチャレンジ精神に読んでいるこっちも元気をもらいました。 チャレンジするって素晴らしいことです。 そして、知らなかった養蚕の話や黄金の糸を作る蚕がいることなど興味津々で読みました。 本書を読んで蚕を初めて可愛いと思いました。
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大島紬の凄さは、それとなく知っていたが、ここまで深い歴史と、受け継がれてきた技術に裏打ちされたものとは思わなかった。その超絶技巧ゆえに、分業化が進んだと思うのだが、著者はゼロから製品となって送り出すまでを、自分自身で体験する。さらに飼育が難しい天蚕を使った新しいプロジェクトを立ち...
大島紬の凄さは、それとなく知っていたが、ここまで深い歴史と、受け継がれてきた技術に裏打ちされたものとは思わなかった。その超絶技巧ゆえに、分業化が進んだと思うのだが、著者はゼロから製品となって送り出すまでを、自分自身で体験する。さらに飼育が難しい天蚕を使った新しいプロジェクトを立ち上げ、最後までやり遂げている。気の遠くなるような地道な研鑽の連続。読んでいても息が詰まりそうになったが、非常に感動した。 いつかそんな着物に袖が通せるようになりたい。夢のまた夢である。
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「1300年の歴史を持つ大島紬の伝統に立ち返り、野生のヤママユ(天蚕)の糸から着物をつくることにチャレンジした「織物名人」のドキュメンタリー」 大島紬に興味を持った著者が、蚕の養殖、糸をとり、染め織りまで、全ての工程にこだわり、百%奄美産の大島紬を産み出した南修郎さんの人生を紹介する 〇南さんの人生、家族愛、奄美愛、好きへの情熱がまぶしい 〇取材した著者らしく、蚕と職人に焦点をあてた物語。織物や染色に焦点をあてたものもいつか読みたい。 〇奄美大島の蚕、蚕から糸をつむぐ、その出会いと発見が面白く興味深い。紬に生涯をかけた南がドン引きする研究者の行動には笑った。 〇巻頭の奄美黄金繭、奄美の自然、ヤママユなど、豊富な写真やイラストが読みたい気持ちを引き出してくれる。 〇伝統工芸に対する関心 〇花綵列島
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