家族終了 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
酒井順子氏は独身である。子どももいない。 (同棲はしているのでカップルではある) だから、夫婦や家庭が解散するとか、そういう話ではない。 家とか、家庭観とかをいろんな角度からみていて 自分の思っていたことを言語化されたり 気付かされたりとかする。 ちょっと頭をかすめていたことを、びよーんと延ばされて意識させられる感じ。 娘が夜遊びしても、思春期という短い時期をめいいっぱい楽しんでほしい という姿勢は素晴らしいが、マネできるかな。 という親の視点や、 60代の親に「高い舞台から落ちないか」と心配される喜びを感じる40代の子の視点。 第一次産業で家庭や地域の役割が、 技能継承や所得の継続の意味で大きかった時代がかわり、 今は個人の職業は多くは家庭からは離れている。 そんな中、家庭の役割に重きをおき、選択的夫婦別姓すら認めないという国の姿勢は、 時代の長れからは、非常にずれていると改めて感じた
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しみじみと、年を取ったなあと感じた。これが同世代のありがたいところだ。自分では書けないけど、言語化してくれる稀有な著者。ケアされることをこの人がどう描くか、楽しみ。
Posted by
少子化、生涯未婚率の増加、子なし族(作者独特の表現)の増加など、高度経済成長期以降、家の繁栄どころか維持・存続すら難しくなっている現代の日本。さらに、子どもを産み育てるうえで合理性のある法的結婚制度も、子どもがいなければ法的結婚にこだわる必要性もなく、配偶者に先立たれた者同士の老...
少子化、生涯未婚率の増加、子なし族(作者独特の表現)の増加など、高度経済成長期以降、家の繁栄どころか維持・存続すら難しくなっている現代の日本。さらに、子どもを産み育てるうえで合理性のある法的結婚制度も、子どもがいなければ法的結婚にこだわる必要性もなく、配偶者に先立たれた者同士の老老婚、LGBTの事実婚も増えつつあるのは当然の帰結なのであろう。そういう現状の中で家を継承する人間がいなくなり、結果、墓じまい(仏壇じまいも)、今後、身近な問題として浮上している。こうした家族や一族の在り方、あるいはそうした人たちの老後という意味でも、事実婚だけでなく、性別に関わりのない同居生活の在り方など、個人個人が考えるべき多くの示唆が含まれている。
Posted by
- 1
- 2