無月の譜 の商品レビュー
めずらしく9日もかかって読み終えた。ということはあまり面白くなかったということであります。 ストーリーおおもとの骨格は面白いはずなのに、そのもたついた文体が何か素人臭い気がしたのですが、その、なんか小説家志望の若い人が書いているような。なんてスゴイシツレイですよね、芥川賞作家に...
めずらしく9日もかかって読み終えた。ということはあまり面白くなかったということであります。 ストーリーおおもとの骨格は面白いはずなのに、そのもたついた文体が何か素人臭い気がしたのですが、その、なんか小説家志望の若い人が書いているような。なんてスゴイシツレイですよね、芥川賞作家に対して(でも、正直な感想です)。 世間一般の評価は悪くないので、私自身の好みの問題ではあります。はい、好みが合わなかったのだと。
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将棋のことなど全く知識はないがとても面白く読んだ。勢い、流れに乗ってシンガポール、マレーシアからニューヨークへ渡航するところはわくわくした。大叔父のことを知りたいとかつて関わりのあった人を訪ねる箇所でどんどん明かされる大叔父の生き様が心を打たれる。本当にこういう人がいたからこそ今...
将棋のことなど全く知識はないがとても面白く読んだ。勢い、流れに乗ってシンガポール、マレーシアからニューヨークへ渡航するところはわくわくした。大叔父のことを知りたいとかつて関わりのあった人を訪ねる箇所でどんどん明かされる大叔父の生き様が心を打たれる。本当にこういう人がいたからこそ今概ね安穏とした世の中になっているんだなと思う。 英語がそんなに得意でないといいながらもまぁまぁな英会話で切り抜けていくところがちょっとかっこよすぎるではないか(笑)
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青年の挫折からスタートした物語は、やがて将棋の駒の行方を追う探求の旅となって、シンガポールからマレーシア、そしてニューヨークへと経巡りながら、その道行に同行しているかのような錯覚を読者に起こさせる。 小説家のいうものは、いかに「上手に物語るか」ということにすばらしく長けた人たちな...
青年の挫折からスタートした物語は、やがて将棋の駒の行方を追う探求の旅となって、シンガポールからマレーシア、そしてニューヨークへと経巡りながら、その道行に同行しているかのような錯覚を読者に起こさせる。 小説家のいうものは、いかに「上手に物語るか」ということにすばらしく長けた人たちなのである、ということをあらためて実感させられた。
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奨励会に在籍していたもののプロ棋士になれなかった小磯竜介男性が、ふとしたとから太平洋戦争で戦死した大叔父が将棋の駒を作る職人だったことを知り、彼のことを調べ始める。そのなかで、大叔父が独自に書体を編み出し創り上げた幻の駒があることを知り、探索は海を渡りシンガポール、マレーシア、ア...
奨励会に在籍していたもののプロ棋士になれなかった小磯竜介男性が、ふとしたとから太平洋戦争で戦死した大叔父が将棋の駒を作る職人だったことを知り、彼のことを調べ始める。そのなかで、大叔父が独自に書体を編み出し創り上げた幻の駒があることを知り、探索は海を渡りシンガポール、マレーシア、アメリカへと舞台が広がる。 将棋に関しては全くの無知で、ニュースで藤井聡太さんや羽生善治さんの活躍をすごいなーと思う程度。親族には鼻つまみ者だった大叔父の隠された真実、人生を追うミステリー的な要素に興味を持って読み始めた。 正直、将棋に関しての部分はちんぷんかんぷんで、流し読みになってしまったところが多いのだが、知られざる世界を知る楽しみもあった。 小磯によって少しずつ明かされていく大叔父の真実にページを繰る手が止まらなかった。 シンガポールでは先の大戦で日本軍が現地の人々にした仕打ちにもさらりと触れられており、このような事実は決して忘れてはならないと思った。 小磯の大叔父もシンガポールで戦死しているが、遺骨は見つかっていない。 現地で暮らす勝又が語る思いに深く共感した。 『あの戦争が本当に「義」のある戦争だったのかどうか、ぼくにはよくわからないけれど、しかしともかくあの当時、戦争にとられた若者たちは、少なくともその大部分は政府の鼓吹する大義を信じ命を賭けて戦った。その結果がどうであれ、彼らの死を無駄死とは決して思いたくない。そんなふうに片付けられたら、あまりに可哀そうだ。彼ら一人一人の死のおかげで、ぼくらの今この生活が可能になっている、彼らの死という礎石のうえに、僕らの生活が築かれていると思う』 わたし自身近年父を亡くし、父の人生って何だったんだろうと考えることが多かった。父の努力、悲しみ、嬉しさ、様々な行為や想いは、決して消滅していないし、この世界の、少なくともわたしたち家族の生きる基盤となっている。わたしの知らないご先祖、血縁のある人々が懸命に「生きた」ことが、わたしたちが今、無事に暮らせている礎石になっているんだと、思いを強くした。
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2023.4 かなり硬派な文体だなと思っていたら、作家の略歴見てなるほどな、と理解。いい小説でした。
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戦死した大叔父が将棋の駒を作る駒師だったという設定で,大叔父の足跡を辿り,存在するかもしれれない駒を求めて旅をする. この作家の方,昔は難しい小説を書いていなかったかしら. この小説は新聞連載小説らしく無駄な文章もあるけれど読みやすいエンタメ系小説.
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元奨励会員の主人公が、駒師の大叔父が残した将棋の駒を探す物語。細い糸のような人の繋がりで次第に近づいていく過程はとても面白く、飽きずに最後まで読んでしまった。まったくよくしらなかった将棋の駒に興味を持てました。
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将棋の奨励会に入れたが、プロにはなれなかった小磯。戦争で亡くなった祖父の弟が駒作りをしていたと聞き、作品を探しに行く。 将棋蘊蓄、駒蘊蓄に溢れ、分厚い割にスラスラ読める。純文学とエンタメの中間のように感じた。
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年齢制限により奨励会を退会し、プロ棋士への夢を絶たれた竜介。将棋から見放され失意のどん底にあった彼は、祖父の将棋仲間から戦死した大叔父・岳史が駒師だったことを聞かされる。 大叔父のことをもっと知りたい。そんな思いから竜介は岳史に縁のあった人に話を聞いていく。少しずつ明らかになる岳...
年齢制限により奨励会を退会し、プロ棋士への夢を絶たれた竜介。将棋から見放され失意のどん底にあった彼は、祖父の将棋仲間から戦死した大叔父・岳史が駒師だったことを聞かされる。 大叔父のことをもっと知りたい。そんな思いから竜介は岳史に縁のあった人に話を聞いていく。少しずつ明らかになる岳史の人となり。そして、彼が出征間際に新たな字体”無月“の駒をたった一組完成させていたことを知る。岳史が御守りとして戦地へ持って行ったという傑作はどこへ行ったのか? 人の縁に導かれ日本、シンガポール、マレーシア、そしてニューヨークはブルックリンまで、竜介の旅が始まる。 面白かった。 何より文体が好みに合うのか、文章がすんなりと入ってきて胸に心地いい。岳史のことを知りたいと初めた聞き取りがいつしか幻の駒を探す旅となり、切れたと思えばまた繋がる細い糸のような人の縁を辿っていく過程にどんどん引き込まれていく。 後半の旅のくだりはさながら紀行文のようで、この作品の大きな魅力となっている。引っ込み思案で消極的だった竜介が出たとこ勝負な旅を通じて、自分には実は積極的で大らかな一面があったのだと気づく。駒探しの旅が自分探しの旅となる終盤は希望に満ちて清々しい。 そして彼がブルックリンで下した決断。 泣けました。 田能村さん、安井さん、植島さん、チャンさんなど竜介が会った人たちが皆素敵で、一人の人間の生を通じて広がっていく人との縁というものをしみじみと感じました。 清々しく、多幸感に溢れた読後。 私の今年の一番です。
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元奨励会員の主人公が、失われた将棋駒を探すストーリー。 将棋テーマの小説は内向きな話が多い印象だが、これは後半旅行記のような展開がおもしろい。 将棋独特の厳しさやつらさよりも、基本は広く楽しまれるゲームであることが示される結末が良い。 文章も読みやすく、将棋をよく知らないひとに...
元奨励会員の主人公が、失われた将棋駒を探すストーリー。 将棋テーマの小説は内向きな話が多い印象だが、これは後半旅行記のような展開がおもしろい。 将棋独特の厳しさやつらさよりも、基本は広く楽しまれるゲームであることが示される結末が良い。 文章も読みやすく、将棋をよく知らないひとにもおすすめです。
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