あなたの知らない心臓の話 の商品レビュー
満腹感のある読書。 浜に打ち上げられたシロナガスクジラの1.8メートルもの巨大な心臓をホルマリンで保存する話から始まり、心臓の無い虫のような生き物の循環系の話、冬眠時の心拍数、ヒヒや豚の心臓を人間に移植する話や、吸血コウモリが放尿しながら獲物を捕食する話、これだけでも充分満足だ...
満腹感のある読書。 浜に打ち上げられたシロナガスクジラの1.8メートルもの巨大な心臓をホルマリンで保存する話から始まり、心臓の無い虫のような生き物の循環系の話、冬眠時の心拍数、ヒヒや豚の心臓を人間に移植する話や、吸血コウモリが放尿しながら獲物を捕食する話、これだけでも充分満足だが、デザートに、動物から人間への輸血の話や蛇が獲物を丸呑みし、脂肪分たっぷりの血液でも全く心臓に問題を生じないという発見を、人間の心疾患に活かす試みがアメリカ心臓協会の最優秀科学者賞を受賞した事など、軸は心臓だが、そこから派生する話題の一つ一つがメインディッシュ級であり、お腹いっぱい、楽しめる本だ。 時々エグみのある話題は、現代医学では非常式に思えるような人体実験的な内容だが、過去のそうした試行錯誤を乗り越えて今があるのだろうから、これはこれで読み応えのある話だ。特に動物の血液や臓器を人間に移植する話は、成功するのだとしても、心理的な抵抗が拭えない。移植ではなく、単に食べたり血液を飲み込むような事もしていたらしい。その点の気色悪さも倫理的な側面として議論される一部だろうが、いつか、出所不明の臓器移植が当たり前の時代がくるのだろうか。満腹感を通りこし、胃もたれである。
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はじめに 大きな心臓のある小さな町 第1部 心は手に負えない 大きさがすべて1 大きさがすべて2 青い血と傷んだスシ 拍動する脊椎動物 寒さに震えて ベイビー・フェイに捧げる子守歌 第2部 知っていることと、知っていると思っていること 心臓と魂―古代と中世の心臓血管系 注入され...
はじめに 大きな心臓のある小さな町 第1部 心は手に負えない 大きさがすべて1 大きさがすべて2 青い血と傷んだスシ 拍動する脊椎動物 寒さに震えて ベイビー・フェイに捧げる子守歌 第2部 知っていることと、知っていると思っていること 心臓と魂―古代と中世の心臓血管系 注入されるものは… 床屋に噛まれたら心臓は苦しくなる 第3部 どんどん良くなる その音を聴け―棒切れから聴診器へ 家では試さないように…ひじょうに優秀な看護師同伴の場合以外は “心臓と心”…のようなもの 傷ついた心(臓)はどうなる 自力で育つ
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