コスメの王様 の商品レビュー
順風満帆なところで終わらず、そう来たか最高かよと唸らざるを得ない。 アーサーの正体、ハナの本音、どれも心揺さぶられるものでした。
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ハナは、兵庫三田の山奥から牛より安い値段で花街に売られてきた少女。 山口の家族を支えるために神戸に出てきた利一とは、ドブに足を踏み込んでいたのを助けたことがきっかけで知り合う。 これは、東洋の化粧品王・中山太一をモデルにした一代記である。 真面目で探究心旺盛な利一が、次々と商...
ハナは、兵庫三田の山奥から牛より安い値段で花街に売られてきた少女。 山口の家族を支えるために神戸に出てきた利一とは、ドブに足を踏み込んでいたのを助けたことがきっかけで知り合う。 これは、東洋の化粧品王・中山太一をモデルにした一代記である。 真面目で探究心旺盛な利一が、次々と商売をやり成功していくのだが、「思い立ったが吉日」「毎日が吉日…。ないものを知るのが商機…!」と行動力も凄い。 一時の流行で終わるような商品を作りたくはない。という気持ちもあり、常に考えて知ってもらうための広告力も必要と視野も広い。 紆余曲折もありながら、大ヒット商品誕生へと繋がっていくのだが、決してハナを忘れたことはなかった。 だが、想像していた幸せがずっと続くことはなく… いろんな状況を経て、年老いて懐かしき神戸の地で再会した2人。 「ああ、ほんまに毎日が吉日やねえ」 顔を合わせてこのことばを言う。 これ以上に何を望むだろう…というのが感じられる。 明治から大正、昭和にかけて戦争を体験しながらのこのことばに何とも言えない気持ちが込められている。
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Kindleで読んだ。 山口の家族を支えるため神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。2人の出会いは大ヒット商品誕生へとつながり…。“東洋の化粧品王”と呼ばれた男の一代記。 初読みの作家さん。 中山太陽堂(のちのクラブコスメチックス)創業者の中山太一さんがモデル。 広告業でも名を馳せ、斬新な広告を次々と打ち出したそう。 朝ドラでやったら面白そう。 ライオン、ウィルキンソンに三ツ矢サイダー、十合(そごう)や大丸などいまもある商品や店がこんなに古くからあったんだとびっくり。 食や化粧品、洋装などがいろいろ発展してるのに大戦でまた逆戻りというか…。 戦争の前の時代がこんなに華やかだったとは想像ができない。 せっかく開発した商品も、戦争による統制で原料が手に入りにくくなったり、贅沢品だからと製造出来なくなったりした。 利一とハナがお互いの気持ちを確かめ合うところ。 純朴な感じがもう…! 「僕が、大阪の堺町あたりに家を買うたら……、その家に銀杏の木があったとしたら、いやなくてもや。もう、お座敷にはでんで、僕の前だけでたぬきを踊ってくれる?」 でも、想いあっていたのに…いたからこそ。 悪い身内がいるハナは身を引き、ニューヨークへ。 この時代に外国で暮らすってすごいなぁ。 おじいちゃんおばあちゃんになって再会した2人が良い友達として交流していて良かった。
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「ほんまに、きみが愛おし!」時は明治の世。秀才ながらも、山口の家族を支えるため進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、...
「ほんまに、きみが愛おし!」時は明治の世。秀才ながらも、山口の家族を支えるため進学をあきらめ、単身神戸に出てきた少年・利一。牛より安い値段で花街に売られてきた少女・ハナ。神戸の花隈での二人の出会いは、やがて日本の生活をも一変させる発明、大ヒット商品誕生へとつながっていく。そして、幼い日に誓い合った約束の行方は? 序盤から別れまではあっという間に読みました。どんどん会社が大きくなりどんどん利一が離れていってしまうように感じるハナ。普通の小説だったらここで二人がくっついてハッピーエンドなんでしょうが、そこは高殿さんの描く新時代の女性、アメリカへ旅立って力強く生きていきます。ちょっとここからが物足りなかった。あっという間に駆け抜けてしまって、ハナがどういう人生を歩んだのか、想像の域止まり。利一もこんなくよくよしてる人だったか??と面食らってしまった。新しい時代を先取りしようと勉強したりしていても、人は老いるとこうなってしまうのか、とちょっと悲しい。描かれた化粧品メーカーにモデルがあるのか気になった。
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東洋の化粧品王と言われた中山太一をモデルに描いた一代記。 ロゴマークやポスターに使われた芸妓、ハナの自立の物語でもある。 久々に爽やかな読後感だった。ドラマや映画になったところを見てみたい。
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スパイスとしての兄登場?要らないかも。単純に出世物語として楽しんでいたが、何だか後半はタイアップ小説みたいに。「ほとんどの人は何もないところを切り開いて生きてきたのでは」「顔や稼ぎやのうて、まわりにおる人間の質がその人のほんまの器量なんやて」「たとえお山の生まれでも、ひとたび人里...
スパイスとしての兄登場?要らないかも。単純に出世物語として楽しんでいたが、何だか後半はタイアップ小説みたいに。「ほとんどの人は何もないところを切り開いて生きてきたのでは」「顔や稼ぎやのうて、まわりにおる人間の質がその人のほんまの器量なんやて」「たとえお山の生まれでも、ひとたび人里の水を飲めば、もはや狸も狸ではいられず、ずっと人のふりをして人を化かす」♣️が杖で権威の象徴だって初めて知った。まだまだ知らないことばかり…
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お恥ずかしい話、中山太一も中山太陽堂も全く存じ上げず、現在もクラブコスメチックスとして現存することも全く知らなかった。フィクションとしての小説も面白かったが、歴史の勉強にもなった。確かにイケメンで、パッケージやポスターの斬新さも赤玉ポートワインに引けを取らない。
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いや~久々に一気読みしました。 理屈抜きで面白かった。 いわゆるサクセスストーリー、語りつくされてきた感はあるものの、舞台が1900年初めの神戸、外国との交流も盛んで、おしゃれ、流行に敏感な人たち、そんな中の花街でさえ他とはちょっと違う。 秀才ながらも、家族を支えるため山口から...
いや~久々に一気読みしました。 理屈抜きで面白かった。 いわゆるサクセスストーリー、語りつくされてきた感はあるものの、舞台が1900年初めの神戸、外国との交流も盛んで、おしゃれ、流行に敏感な人たち、そんな中の花街でさえ他とはちょっと違う。 秀才ながらも、家族を支えるため山口から出てきた少年。 牛より安い値段で花街に売られてきた少女。 どぶにはまった利一を偶然見つけて助けたのがハナ、利一が15歳、ハナは12歳、二人の出会いである。 大分の酒類卸店の神戸支店を任され、日々売り上げを伸ばしつつも、 常に向上心を持ち、常に勉強し、今求められているものを考える利一、店をやめ、自分で事業を立ち上げる。 といっても最初は、荷車を引いて行商、ワイシャツを売った。 客の立場に立って、自分の足を使ってどうしたら売り上げを伸ばせるか、奔走の毎日の中で、信用を作り、人脈を得て、それらをばねにして大きく羽ばたいていく。 一方ハナも、置屋一の押しも押されもせぬ芸妓となり、二人は折に触れ励まし合いながら、切磋琢磨する。 思いもよらぬ挫折もあるし、日々忍び寄る戦争の暗い影、多分に漏れずの状況も何とか切り抜け、ハッピーエンド? う~んそれはどうだろう・・・ 何かやり残した感があるし、全て引退してから手に入れても仕方のないものもあるし。 まぁ考え方しだいかな。 でも単純に面白かった。うん、良かった。 百貨店の外商の話や、トッカンシリーズも大変面白いですが、これはまた違った面白さです。
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中山太陽堂を創業された中山太一さんというモデルがいらっしゃるとのこと。まあ人生遍歴は氏に準じつつ、あくまで小説ながら、この時代においては前衛的な感覚の持ち主だ。お客の視点で商品を開発する。そして、なにはともあれ商品を知っていただく、選んでいただく。そのためには、車に飛行機にポスタ...
中山太陽堂を創業された中山太一さんというモデルがいらっしゃるとのこと。まあ人生遍歴は氏に準じつつ、あくまで小説ながら、この時代においては前衛的な感覚の持ち主だ。お客の視点で商品を開発する。そして、なにはともあれ商品を知っていただく、選んでいただく。そのためには、車に飛行機にポスターに、さまざまな先駆的な広告活動を駆使する。手にされたお客様に真心が伝わるなら、必ずや使い続けられ、広まる。ただし、戦争という不幸があったにせよ、王様として君臨した瞬間に次代にいかに承継するのか。どの時代においても変わらぬ問題だ。
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341ページなのに長かったーーーーー!! 面白くない!って訳ではないのだけど… 心折れながらも読了までに14日。 起承転結の「承」あたりが長い退屈。 当時の上流層や花街の様子がとても興味深く読めた。 高殿円だな!って小説だった。 サクセスストーリーでハートフル。 ハッピーエンド...
341ページなのに長かったーーーーー!! 面白くない!って訳ではないのだけど… 心折れながらも読了までに14日。 起承転結の「承」あたりが長い退屈。 当時の上流層や花街の様子がとても興味深く読めた。 高殿円だな!って小説だった。 サクセスストーリーでハートフル。 ハッピーエンド。 ふんわりとした読後感が良かった。 ハートの石鹸がどこかで手に入らないものか?と思う。使ってみたいものだ。 神戸に行ってみたら花隈を歩いてみたい。
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