自動車の企画と開発 の商品レビュー

堀重之【著】

2024/05/04

トヨタのZの所属を指しているだろうが、Zから見るとこう見えているのか、というところと、車両のデザインまでの部分が意外と後工程（開発費、性能）に影響を与えていたというのがよくわかる。

原価企画はお得意部分だろうが、部分毎に具に見ていくのはさすがに大変そう。というか、そりゃこれだけみてたらああいう仕事の進め方になるな、ということがこれも背景がよくわかった。

これは個々の設計がやってるのかもだが、もう少し生産周りとのやり取りが知りたかった。トヨタなので、ここに真髄があるはず。

プラットフォーム適用も全社最適だが個車最適ではない、というのもこれもよくわかった。ただ、小さい企業の社長であるくらいの個人事業主感や実際の権限と責任もあると思うと、プレッシャーたるやという部分。

ただトヨタや自動車会社にいて、ここまで全社のことが分かる部署もないため、出世の登竜門であることもやはり納得

2022/07/14

かなり詳しめな内容。気楽に概要を知りたいには向いてない。しかしこんなに検討することがあると、知ることができた。

2022/05/19

角ばったフロントバンパー
　歩行者保護のため、フロントバンパーに60度の面を作る
　タイヤ前後のまっすぐな面で空気剥離による渦の発生を防ぐ

頭部インパクタで打撃し、衝撃値を数値化
　フードとエンジンなど硬いものとの間に30mm必要
　ワイパー払拭エリアも法規制

試作型レス
　トヨタではコロナ プレミオ（1996/1発売）から
　試作プレス型　亜鉛合金製　一台合計数億円

原価企画
　トヨタはオーパ（2000年）から差額コスト見積り（変更部分のみ）から
　全部品コスト見積りへ

2022/05/09

トヨタ自動車関連の書籍は多いが、本著は企画/開発を中心とした新車種設計開発の流れが非常にわかりやすく書かれていた。守秘義務から書けないことも多いと察するが、もう少し各章ボリュームがあってもよかったように思う。自動車に携わる仕事をしている方は、ぜひ一度手にとってもらいたい。生産技術やJITなどに関する詳細を学べる書籍は多数あるが、企画開発にフォーカスしたものは希少であるように感じる。