現代哲学の論点 の商品レビュー
良くも悪くも淡々とした記述が多いので、興味のあるところはめちゃくちゃ面白く、興味のないところは「ふーん、そっすかぁ…」といった感じ。 個人的には、前半は退屈、後半は最高に面白かった…のですが、興味の有る無しの問題かな。 知的な刺激によって、何らかの話題に興味を持たせてくれるような...
良くも悪くも淡々とした記述が多いので、興味のあるところはめちゃくちゃ面白く、興味のないところは「ふーん、そっすかぁ…」といった感じ。 個人的には、前半は退屈、後半は最高に面白かった…のですが、興味の有る無しの問題かな。 知的な刺激によって、何らかの話題に興味を持たせてくれるような本では…ほとんどないです。 とはいえ、短い説明で、ある論点の歴史をざっとコンパクトに説明してくれる手つきは、さすがは仲正センセイだなぁと思いました。
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仲正先生の前作(現代哲学の最前線)がかなり自分のツボを押さえてくれていたのでこちらも手を出してみた。 結論、前作の方が痒い所まで手が届いていた(内容の深さも網羅性も)ので、期待値は超えなかった。 ただひとまず専門用語と文献、概要さえ教えてもらえれば自分で勉強できるので、手引書とし...
仲正先生の前作(現代哲学の最前線)がかなり自分のツボを押さえてくれていたのでこちらも手を出してみた。 結論、前作の方が痒い所まで手が届いていた(内容の深さも網羅性も)ので、期待値は超えなかった。 ただひとまず専門用語と文献、概要さえ教えてもらえれば自分で勉強できるので、手引書としてこのようにまとめてくれるのはありがたい。 リベラルな優生学から自己進化、果てはトランスヒューマニズムに繋がる過程がかなり面白そうだったので、これらを2024年の学習テーマにしたいと思う。
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”最新の話題”と「哲学」を結び付ける事には慎重であるべきとしつつも、両者が生産的に絡み合っているテーマを8個抽出して論じたもの。まえがきにもあるように、8つのテーマはいずれも、認識や行為の「主体」としての「人間」に関する近代哲学の常識が揺らぎ、新しい思考の軸を求める動きとしている...
”最新の話題”と「哲学」を結び付ける事には慎重であるべきとしつつも、両者が生産的に絡み合っているテーマを8個抽出して論じたもの。まえがきにもあるように、8つのテーマはいずれも、認識や行為の「主体」としての「人間」に関する近代哲学の常識が揺らぎ、新しい思考の軸を求める動きとしているが、章によって概説だけだったり著者の主張や関心が強く出ていたりと少々バラつきがある。 当然のことながら「近代哲学の常識が揺らぎ、新しい思考の軸を求める動き」の背景には科学の進展がある。よって、全体的には科学哲学や生命倫理・環境倫理がテーマとなっているものの、著者の専門が政治・社会哲学にあるせいかその方向に引き付けた論考がなされているのが特徴的で、トランスサイエンス(+アルファ)的な興味深い議論が展開されている(特に、自由主義と民主主義を両立させるための理論的枠組みを求め、討議を経ての合意・熟議を重視したというハーバーマスとロールズの共通性については今後考察してみたい)。著者の本をそんなに読んでいるわけではないが「こういう話もできるんだ」という意外感も少々ある。 学問が「科学化」する流れの中で、今後の人文・社会系の学問が果たすべき役割は、科学とは何かを問いつつ、科学が「人間」に与える影響を考慮し、その結果政治や社会がどのように変化していくのかを見極めていくことが重要になってくると言えるのではないだろうか。
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