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子どものこころと脳 の商品レビュー

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2022/11/12

さほど分厚い本ではないが、内容は分厚い。 精読していたら読了までものすごく時間がかかってしまった。 が、時間をかける価値のある一冊。 さまざまな分野の専門家たちがそれぞれ1章を担当し、発達に何らかの"つまずき"を持つ子どもたちを"こころ"と"脳"という観点から論じる。 特に、最...

さほど分厚い本ではないが、内容は分厚い。 精読していたら読了までものすごく時間がかかってしまった。 が、時間をかける価値のある一冊。 さまざまな分野の専門家たちがそれぞれ1章を担当し、発達に何らかの"つまずき"を持つ子どもたちを"こころ"と"脳"という観点から論じる。 特に、最新の研究成果やエビデンスをベースにした内容は説得力もあり、学びになった。 全20章。全体は4部構成になっており、概論にはじまって「こころの発達」でさまざまな発達領域と脳のつまずきの関連について、続く「発達のつまずき」で具体的な疾患/障害/症状における脳科学的背景について、最後に「こころの支援と脳の発達」でさまざまな現場からの知見が述べられる、という章立て。 すべてを別々の筆者が担当しているため、筆致や内容への踏み込み方、展開はそれぞれだ。研究論文のごとく終始生真面目な書き方の筆者もいれば、軽い読み物風の(ハードル低めな)書き方をしている筆者もいる。 しかし、いずれの筆者も現場で接する子どもたちに真摯に向き合い、日々研究や臨床を通して子どもたちのよりよい人生のため真剣に奮闘されている様子が文面から伝わってきて、背筋が伸びる思いだ。 それにしても、錚々たる執筆陣。これだけの先生方を集めたということに圧倒される。 子どもの臨床に携わる人、課題や事情を持った子どもたちと接する機会のある人すべてに一読いただきたい一冊である。

Posted byブクログ