朱色の化身 の商品レビュー
映画の「罪の声」が面白かったので、こちらの著者の本を初めて読んでみました。 すごく面白いです。 実在の事件と絡めているのがリアリティを増長させるんでしょうね。 親子3代、時代を越えてストーリーが展開されるので、非常に楽しめました。さらに現代の問題、ジェンダーとか依存症とかも盛り...
映画の「罪の声」が面白かったので、こちらの著者の本を初めて読んでみました。 すごく面白いです。 実在の事件と絡めているのがリアリティを増長させるんでしょうね。 親子3代、時代を越えてストーリーが展開されるので、非常に楽しめました。さらに現代の問題、ジェンダーとか依存症とかも盛り込んで肉厚さを感じさせます。 ただ、とても面白いんだけど、軽い気持ちで読み始めたせいか、登場人物が多すぎて、把握するのに何度も戻って確認しなくてはいけないので、エネルギーは必要です!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
塩田さんの最新作を堪能。村上春樹の長編の後だけに、ボディがしっかりしていない小説を読む気にならなかったという事情もあり。。 まずは、昭和30年代に起きた大火災から物語は始まる。そして、VRの話しをする現代へ。戦後の中で湧く活気と闇の部分を丁寧な取材経て、作り上げた土台に、現代で失踪した女性の足跡を追うという話がつながっていく。昭和から現代へ流れていくストーリー展開を支えるのは、旅館で働いていた人、そして失踪した女性玉緒、その軌跡を追いながら、少しずつ明るみになる人となり、キーとなるのは玉緒の母の咲子、そして玉緒の親でありヤクザの前川勝、そしてその息子の功。玉緒の周辺から広げていくインタビューを頼りに、読者に少しずつ明らかになる玉緒の人間像。まさに、プラモデルを組み立てるように、と作中に表現されていたような部分を一緒に作っていく楽しさにどんどん世界観に引き込まれていくリアリティがあるなと思った。口語体と、ルッキズムとかゲームの世界など、本当に現代らしい内容も織り交ぜて。 不幸にありながら才を持つ玉緒の印象が、だんだんと変化していく。明らかになってくる意外な素顔、不倫、アルコール依存、そして付きまとう前川功。そしてその足取りを追い続ける記者の大路。幸せな家族、すれ違う家庭、女性が持つ男性対比不平等な生き方、マスをみては見落としてしまう個の存在、それぞれの人生の大切さ。生きていることが、どれだけ大切で、また個々が持つドラマがいかにして輝いているか、日常とは少し違う、それぞれの生き方それ自体のようなものに、取材形式でスポットライトを当てながら、本質を炙り出すミステリー。さすが塩田氏渾身の作品。
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人にはそれぞれの歴史があると思いを馳せました。ずっと謎に包まれた珠緒ご登場した時は、小説でありながら主人公同様に緊張感がありました。つらい話ですがすっきりした読後感です。
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失踪した女性の手がかりを求めて、インタビュー形式で進んで行く。段々と全体像が見えてくるのが面白い。昭和を生きた女性達の物語だった。
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面白くて一気に読んでしまった。 読み進めるにつれ、色んな人が語る「珠緒」についてなぜか違和感を感じた。 さらに進んでいくと、なるほど違和感の正体がなんとなくわかる。 男に翻弄された女性たちの生き様は悍ましい。 でもなんかちょっとモヤっとする。 本の構成がとてもよく、こーゆー書き方...
面白くて一気に読んでしまった。 読み進めるにつれ、色んな人が語る「珠緒」についてなぜか違和感を感じた。 さらに進んでいくと、なるほど違和感の正体がなんとなくわかる。 男に翻弄された女性たちの生き様は悍ましい。 でもなんかちょっとモヤっとする。 本の構成がとてもよく、こーゆー書き方もあるのかとうまいなーと思った。
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辻珠緒という失踪した女性を探し、知り合いを訪ねて聞くうちに女性にまつわる事情が浮かぶ。会話から浮かんでくる証言と実際に起きた事実、内容が二転三転しながら真実とは何かを読んできた感じがするお話。 これまでに見たことあるような展開な気もするけど、こんなにリアルでガッツリのめり込まされ...
辻珠緒という失踪した女性を探し、知り合いを訪ねて聞くうちに女性にまつわる事情が浮かぶ。会話から浮かんでくる証言と実際に起きた事実、内容が二転三転しながら真実とは何かを読んできた感じがするお話。 これまでに見たことあるような展開な気もするけど、こんなにリアルでガッツリのめり込まされたものはなかったな。 112冊目読了。
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読み応えのある本でした。ジャーナリスト大路亨が、父の依頼で人探しをしていく中で、たどり着く、昭和初期から現代につながる女性三代の半生記。切り口が斬新でとても面白かったです。取材記録を繋げていくという手法に、こちらの頭がついていかず。。。読む方も、取材メモをメモするという、、ダジャ...
読み応えのある本でした。ジャーナリスト大路亨が、父の依頼で人探しをしていく中で、たどり着く、昭和初期から現代につながる女性三代の半生記。切り口が斬新でとても面白かったです。取材記録を繋げていくという手法に、こちらの頭がついていかず。。。読む方も、取材メモをメモするという、、ダジャレのようなことが起こりました。頭脳明晰な方には、難なく記憶できる人間関係が、こんがらがってしまったのを、整理するには、自作のメモが大いに役立ちました。主人公の祖母と、探していた相手の祖母との接点が意外で、 ちょっとだけ、肩透かしを食ったような気分を味わいましたが、それもまた人性の織りなすアヤですね。それにしても、芦原という土地が、こんなにも大変な災害を潜り抜けて今があるとは、この本を読むまで知りませんでした。今度、訪ねて、温泉に浸かってみたくなりました。
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43主人公が作家ということもあって取材形式で進むが、これがわかりにくい。まあ最初から二度読みのつもりなら良いけど。不明なピースは埋まったけど、結局何がどうなったのか結末はよくわからないまま。上手な作家さんなのにちょっと惜しいかな。
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音信不通になった女性の調査のため 女性を知る人物達への取材が繰り返 されて、物語が進んでいく。 取材を通して、女性の人物像がしだ いに明らかになってゆく。 取材で語られたエピソードの積み重 ねで、上手く物語が作れるのは、塩 田武士の文才か? 物語にどっぷり浸かれた〜
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珠緒の生き様に集約される親子三代の不遇は読み応えあるストーリー。それを追う主人公のライターとして真摯な姿勢も読んでいて心地良い。ただ、辿り着く真実に共感するには記者という職業に対する理解が不足していた模様。
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