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アート&デザイン表現史 1800s-2000s の商品レビュー

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2024/06/10

オールカラーで450ページ超えのボリュームですから、これはもう図鑑といっていいくらいの充実度ではいでしょうか。 ただしよくあるアート系の図鑑と異なって、本書は印象派、フォービスム、キュビズム、ダダイズム、、、のように時系列で整理されているわけでもなければ流派や芸術運動でカテゴライ...

オールカラーで450ページ超えのボリュームですから、これはもう図鑑といっていいくらいの充実度ではいでしょうか。 ただしよくあるアート系の図鑑と異なって、本書は印象派、フォービスム、キュビズム、ダダイズム、、、のように時系列で整理されているわけでもなければ流派や芸術運動でカテゴライズされているわけでもありません。「線」「模造」「赤と黒」のように表現スタイルで項分けされているところに著者特有のオリジナリティがあります。それはある面では、例えばシュルレアリスムとは何ぞや、などということを体系的に知りたいという場合には本書は不適当だと思いますし、あらゆる近現代の芸術運動が網羅されているわけでもありません。つまり教養としてのアートやデザインについてのリソースを求めるのなら、他にもっといい書籍があると思います。しかし本書は、そういう衒学としてのアートやデザインではなくて、表現者の魂としてのアートやデザイン書だと思います。つまり、あなたがまさに「表現」することを追求するクリエイター、デザイナー、アーティストであるならば、とても血が騒ぐ一冊となるに違いありません。一例を挙げると、「線」の項では、"呼吸する線"と評されたパウルクレーの絵画と、メディアアートとしての周波数の線表現が並置されていたりして、そこに何かウズウズする高まりを感じるあなたにはきっとオススメできる一冊です。

Posted byブクログ