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「それから」の大阪 の商品レビュー

3.7

7件のお客様レビュー

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2023/06/24

コロナ渦中の大阪の街を歩き、スズキナオさんが取材をしながらそれぞれの街のミクロな生活に迫っていく本。 昔ながらの大阪の良さを感じさせられる。 特に銭湯やポップ工芸さんの話を読みながら、自分の人生に対する視野の狭さを痛感させられた。 「努力なんかしたことない、行き当たりばったりや...

コロナ渦中の大阪の街を歩き、スズキナオさんが取材をしながらそれぞれの街のミクロな生活に迫っていく本。 昔ながらの大阪の良さを感じさせられる。 特に銭湯やポップ工芸さんの話を読みながら、自分の人生に対する視野の狭さを痛感させられた。 「努力なんかしたことない、行き当たりばったりや」という幸せな生き方もある笑 ちょっと肩の荷がおりた本だった。

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2022/12/05

割と知らないところも取り上げられていて興味深いんだけど、昨今の情勢に影響され過ぎていて、どうにも気軽感が薄くなっているのが残念。

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2022/09/26

私の知らない大阪がここにあった。 昔から見てきた大阪。知っている場所もよく行く場所もあるけど、その歴史や働いている方々に目を向けたことはなかったように思う。 コロナ禍で閉店するお店もあれば、なんとか耐えて頑張っているお店もある。なくなることは悲しいけど、そこからまた何かが始ま...

私の知らない大阪がここにあった。 昔から見てきた大阪。知っている場所もよく行く場所もあるけど、その歴史や働いている方々に目を向けたことはなかったように思う。 コロナ禍で閉店するお店もあれば、なんとか耐えて頑張っているお店もある。なくなることは悲しいけど、そこからまた何かが始まるのだろう。 ただの風景ではなく、人が息づく大切な場所。もっと大阪のことを知りたい気持ちになった。 ずっとそこで生活してきた人よりも外から来た人の方が大阪のことを知っているんだろうな。

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2022/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こばやし、船場センタービルなど、スズキナオさんの別の著作で読んだことがある気がする内容がところどころにあり、あれ?使いまわしか?と一瞬思ってしまったものの、自分がスズキナオ本を読むのは、何かを学ぶと言うよりはスズキナオ節を味わうためなので、内容はあまり関係ないのだった。 夢洲、舞洲、咲洲に関しては、近場ということもあり夢洲以外は行ったことがあるのでかなり共感力高く読むことができた。でも咲洲コスモタワーの年間パスポート、いるかなぁ…w スズキナオ本を読むたびに、自分はアルコールほぼダメなので飲み屋とか酒場とかそういうのが縁がなさすぎて内容の半分くらいななめ読みになるのだが、人々が楽しく酔っ払ってる描写を読むのはまあ、嫌いではない。 ただ、本作は珍しく(?)酒要素はちょっと低めで、既に書いた夢洲ツアーの他にも石切さん、四天王寺、花博記念公園などのコロナ下での状況、そしてちんどん屋や道頓堀の立体ポップ屋さん、銭湯のインタビューなどかなりバラエティに富んだ大阪記事が楽しめた。 しかし、スズキナオの名前を新書で見ることになるとはなぁ… なんか勝手にしみじみしている。

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2022/04/22

本書はコロナ禍ゆえ『密』になれない大阪の街を、そこで根を張り働いている人たちを、訪ねて見聞きした14章から成る1年2ヶ月のルポルタージュ。 ケンミンショー的アイコンとしての大阪、大デフォルメされた大阪ではなく、東京から移住した人だから見える感じる『平熱の大阪』を写し取る。 ま...

本書はコロナ禍ゆえ『密』になれない大阪の街を、そこで根を張り働いている人たちを、訪ねて見聞きした14章から成る1年2ヶ月のルポルタージュ。 ケンミンショー的アイコンとしての大阪、大デフォルメされた大阪ではなく、東京から移住した人だから見える感じる『平熱の大阪』を写し取る。 まぁ、平熱は大阪に限ったことではなく、中国から飛来したウイルスはたちまちにして日本列島全土を覆い、低体温に陥った。 前年秋のラグビーワールドカップ日本大会の熱狂と興奮を蹴散らし、オリンピックイヤーは暗雲が立ち込め、志村けんの急死は全国民にヤバいと思わせ、それがトリガーになったか緊急事態宣言が発令、未だ経験したことのない恐怖に脅かされる非常時の幕は切って落とされた。 街から人を奪い、マスクの不足は高額になり、デマによりトイレットペーパーは売場から姿を消し、ステイホーム・巣ごもりという言葉を生み、出前はデリバリーと呼ばれ、Zoomをこぞってダウンロードをし、夜にはオンライン飲み会を始めるまでに。 著者は、そんなコロナ禍の大阪を歩く。 万博開催地の舞洲をあえて遠くから眺め、大阪の巣鴨とも言われ、でんぼの神様 石切さんにお詣りし、ほんの少し前までは中国人に席巻されていた道頓堀界隈の唖然とする静寂ぶりを目に焼き付け、バブル期に咲いた徒花と言ったら言い過ぎか…鶴見緑地の花博会場に遺る往時の最先端に着目し、コロナに翻弄されまくる四天王寺さんの縁日の『今』を取材、初詣はパスしてもえべっさんにはお詣りする商都大阪の守り神 今宮えびすの閑散ぶりに目をパチクリ…。 ページを繰りながら、著者の2作品『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』とはいささか趣きが異なり、面食らった。 ゆるくて、行き当たりばったりな街探訪、ふと思った疑問の対する仮説の検証を兼ねたささやかな冒険譚の影は潜め、設定した編集方針に従い忠実な取材を敢行した匂いが色濃く、文体もコロナ禍の不気味な静寂さを伝えようとしたのか、敢えて硬質な文体による解説調のクールさが漂う。 そんな中でも、スズキ節は健在。 四天王寺の縁日に長年出店している名物屋台の店主には、自粛要請に振り回されている現状の取材ながら店主は半生を語り始め、挙句には屋台の手伝いを依頼されたり、365日朝6時から営業する銭湯の経営者もしかり。これまでの来し方に始まり、今後の大衆浴場の役割や夢を語らせてしまう聞き上手ぶりを発揮。 自然に場に溶け込むどころか、いつのまにか人の領域にまで入り込み、それを嫌がられる風でもなく話を引き出し、最後には爽やかな感動にまで昇華させる術…、ご本人は知ってか知らずか。 本書は定点観測よろしく非常時の右往左往ぶりの記録している。でも、その集積は大阪の街で逞しくしぶとく生きる市井の人たちの生態を浮き彫りにし、さながら活字版『隣りの人間国宝』を読み終えたような印象を抱いた一冊。

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2022/04/08

連載記事を下敷きにしており、媒体掲載時の1回分程度の分量の章が重ねられた体裁で、非常に読み易い。(冒頭の方や末尾の辺りは、この書籍を纏める際に書き起こした文章だと思った。) 筆者は何年か前に首都圏から大阪に移り住み、大阪で主に活動している。御自身は大阪育ちということでもない。そし...

連載記事を下敷きにしており、媒体掲載時の1回分程度の分量の章が重ねられた体裁で、非常に読み易い。(冒頭の方や末尾の辺りは、この書籍を纏める際に書き起こした文章だと思った。) 筆者は何年か前に首都圏から大阪に移り住み、大阪で主に活動している。御自身は大阪育ちということでもない。そして大阪以外の地域の人が思い浮かべる「“大阪”…」ということでもない「普通の人達が普通に暮らす街」としての「大阪」に親しむようになったのだという。言わば「平熱の大阪」ということだ。 この「平熱の大阪」の色々な話題を取上げようとする訳だが、2020年頃から感染症の問題で「色々な様子が随分と?」というようなことになっていた。 その感染症の問題で「色々な様子が随分と?」というようなことになっている様を「“それから”の」と呼んでみた訳だ。上手い命名だと思った。 筆者は大阪に何年間か住んで、色々と自ら親しんでいるような場所や催事というモノを持っている。主にそれらに関しての「以前」と「それから」とを比べながら、関わる人達の話しを聴き、実際に訪ねて現場を観て、そこで見受けられたことから感じた、考えたという事柄を綴っている。各章で取り上げている内容は、何れもなかなかに興味深い。 各章の内容は筆者にかなり引き寄せた感じであって、と言ってのめり込んでいるのでもなく、だからと言って突き放しているという感じでもない。「平熱の大阪」との程好い距離感で綴られている。 本書を読んでいると、筆者と何処かで出くわして「大阪で活動中…こういう気に入っているモノが在って、以前は…それが最近は…」というような調子の御話しをゆっくりと伺っているかのような気分にもなる。 自身は大阪に縁深いのでも何でもないのだが、「休暇で他地域に出掛ける」という中で大阪には何度も立寄る、宿を求めて滞在するということをしていて、「一定程度親しんでいる」というようには言えるのかもしれない。そういうことなので、本書で取り上げている色々な場所の周辺の雰囲気が少し思い浮かぶ場合も多く在った。それが読んでいて頁を繰る手が停められなくなった一因かもしれない。 本書の末尾に「“それから”の大阪の“それから”」という章が設けられている。雑誌連載を下敷きとする各章は、2020年から2021年の少し長い期間で順次取材した内容に依拠している。そこで本書の出版準備を進めていた2021年末や2022年1月頃の、各章で取上げられた場所や関係者の近況に触れている。これが一寸好い。 或いは?「“それから”のその後」とでも銘打って、更に少し事実を経て各章で取上げられた場所等の様子を取材して綴るのも面白いかもしれない。更に?「続“それから”」とでもして、本書で取上げなかった色々な場所について、本書のような感じで纏めるのも興味深いかもしれない。そういう程度のことを思えば、何やら本書が出た後にも『「それから」の大阪』を綴る活動は続いている様子だ。 読後に思ったのは、本書の内容は所謂“世相史”、“風俗史”というようなことで「少し先の時代の史料」にもなり得るというようなことである。 自身は「一定程度親しんでいる」という程度に大阪を知っている(つもり)かもしれないが、本書は「大阪?如何いう感じ?」と少しでも興味を覚える方なら、何方でも愉しめると思う。

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2022/03/29

サブカルチャー系の作家さんの中で、パリッコさんとスズキナオさんが大好きで、著作は漏れなく購入しようと思っています。 ゆるく、そして人に寄り添った文章を書かせたら天下一品のスズキナオさんが、コロナの時代の大阪の街と人を描いています。 いつもより幾分落ち着いた雰囲気(元から落ち着いて...

サブカルチャー系の作家さんの中で、パリッコさんとスズキナオさんが大好きで、著作は漏れなく購入しようと思っています。 ゆるく、そして人に寄り添った文章を書かせたら天下一品のスズキナオさんが、コロナの時代の大阪の街と人を描いています。 いつもより幾分落ち着いた雰囲気(元から落ち着いてはいますが)は新書というフィールドゆえでしょうか。とうとう新書に!というワクワク感と、ちょっと遠くに行ってしまいそうな寂しさ。今までには無いリアルタイムで追いかけている感が溜まらないです。 でもビックになってもナオさんの優しさは変わらないと確信しています。

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