ニコデモ の商品レビュー
大人の寓話です。 人知れず天才音楽家が歩んできた戦前戦中戦後の歴史。魔法のような歌と悪魔。 色々な事が絡まり合うのが好きなのは藤谷さんの毎度の好みだと思います。ちょっとわかりにくいけど面白いとは思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
旅先で迷子になった少年と出会った男ニコデモ、少年を北海道小樽まで連れていく途中に聴いた少年の「花よ、花咲けよ、花は花咲くもんだなし」という歌。小樽で少年を見失ったニコデモが途方に暮れてこの歌を口ずさんだ時、物語のスイッチが入る。 ニコデモに小樽に連れてきもらった少年鈴木正太郎は、北海道開拓に来た家族と出会うも、その開拓生活は厳しく、彼の異母兄弟が死に瀕した時、あの歌を口ずさむ。 ニコデモと鈴木正太郎の物語は、日本がまだ戦争に勝っていたころに始まり、現代まで連綿と続く。彼らと関わる人々のつながりが編みこまれ織り込まれ、不思議な物語を生み出していく。 こういう展開の小説好き。非常に読み易い文体ながら、含有するテーマは深い。できれば巻末に(ここ重要、最初じゃアカンのよ)人物相関図を付けて欲しかった。
Posted by
作者のインタビュー記事のようなものを読み、 やっと何が書かれているのか、 その片鱗に触れられた気がする。 だからといって、 理解できるかは別の話。 むずい。
Posted by
様々な視点の一人称で語られる、ある音楽家の数奇な運命。 音楽と人との巡り会わせとその語り口に、不思議と引き込まれてしまった。
Posted by
途中挫けそうになったが、どうにか読了。引き込まれる場面もあったが、フィクション謳いながら唐十郎など実在の人物が登場すると、どう読んでよいのか混乱するばかり。テーマとは関係ないが、ウクライナ侵攻脳裏にあり思考が飛んでしまった。大陸の侵略戦争は日本人とは捉え方がまったく違い、ある程度...
途中挫けそうになったが、どうにか読了。引き込まれる場面もあったが、フィクション謳いながら唐十郎など実在の人物が登場すると、どう読んでよいのか混乱するばかり。テーマとは関係ないが、ウクライナ侵攻脳裏にあり思考が飛んでしまった。大陸の侵略戦争は日本人とは捉え方がまったく違い、ある程度歴史的日常だと認識。
Posted by
タイトルの意味わからん、なんだこれ・・・ファンタジーか、 こりゃ、挫折するね・・・の読み始めに対し、 途中からグイグイ引き込まれる。 今、遅まきながら「ニコデモ」をウィキで調べ、 小説の展開が腑に落ちた次第。 当初は、主人公のこの名前に違和感があったのだけれど・・・ そういうこ...
タイトルの意味わからん、なんだこれ・・・ファンタジーか、 こりゃ、挫折するね・・・の読み始めに対し、 途中からグイグイ引き込まれる。 今、遅まきながら「ニコデモ」をウィキで調べ、 小説の展開が腑に落ちた次第。 当初は、主人公のこの名前に違和感があったのだけれど・・・ そういうことだったのね。 そうと知らず手に取ったけれど、ひとつの大河小説だったのだと、 胸が熱くなる。 藤谷作品としては、今までにない異色の作品ではないかな。 それでも、必ず、通奏低音のように音楽が語られているところが 藤谷さんらしくて、いい。 ちょうど今ドビュッシーの「レントより遅く」を練習中で、 パリのけだるい雰囲気の出てくる、あのあたりが ぐっと来た。
Posted by
- 1