線の冒険 の商品レビュー
線や軌跡をテーマに、さまざまな話が続く。上から下に刃が落下して処刑するギロチンと上から下に爆弾を落とす空爆、この二つを直線運動として同じものとして捉える感覚など、自分にはない視点だった。線を活用してフォントがだんだん立体化していること、地図記号は逆に線のために平面化、単純化され動...
線や軌跡をテーマに、さまざまな話が続く。上から下に刃が落下して処刑するギロチンと上から下に爆弾を落とす空爆、この二つを直線運動として同じものとして捉える感覚など、自分にはない視点だった。線を活用してフォントがだんだん立体化していること、地図記号は逆に線のために平面化、単純化され動きがなくなってきていることなど、いろいろなジャンルの話題が出てきておもしろい。
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本書でいう「線」とは、幅が極端に狭い「面」ではなく、点が動くことによってできた、運動の軌跡のことを指す。そして線の軌跡は、多くのドラマをもたらすだろう。 ということで、子午線や光速を測るためのメートル法の話。マルセル・デュシャンの〈大ガラス〉のひび割れ。魔法陣の軌跡。真珠湾攻...
本書でいう「線」とは、幅が極端に狭い「面」ではなく、点が動くことによってできた、運動の軌跡のことを指す。そして線の軌跡は、多くのドラマをもたらすだろう。 ということで、子午線や光速を測るためのメートル法の話。マルセル・デュシャンの〈大ガラス〉のひび割れ。魔法陣の軌跡。真珠湾攻撃後、最初の東京爆撃を決行したドゥリットル隊各機の軌跡と、アメリカに向けた風船爆弾の軌跡(アメリカ本土に900〜1000個届いたということは知らなかった)。 朝鮮戦争の前線の動き。何度も地図で見たことはあったが、正に線の軌跡。 そして、エッフェル塔、東京タワー。 思いも寄らぬ線の軌跡に酔ってしまいそうに、話は次から次へと進んでいく。収録されている多数の図や写真を見ているだけでも楽しくて堪らない。
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