私以外みんな不潔 の商品レビュー
どんなに幼いこどもでも、色んなことを感じて考えているんだよな、と思う。でもリアルタイムにそれを言語化することはなかなかできないし、言語化できるようになった頃には忘れ去ってしまっていることばかりなのだろう。 だからこれは特異な本だと思った。
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最初、幼稚園生が大人の表現で?と、違和感を感じだけど、読み進めるうちに違和感は無くなった。 幼稚園のトイレ怖かった。子供なのに、子供嫌いな人に是非!小さい頃に思っていた感情が共感できます。
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新聞にエッセイが載ってたから覚えた程度の作家さん、私小説だというので読み始めたら、主人公(幼稚園児)てっきり女の子だと思って読んでたのに途中で男の子だとわかって脳ミソバグりました。 ちゃんと調べたら、能町さんって性転換で女性になったから、幼稚園の頃は男の子だったんですね。なるほど...
新聞にエッセイが載ってたから覚えた程度の作家さん、私小説だというので読み始めたら、主人公(幼稚園児)てっきり女の子だと思って読んでたのに途中で男の子だとわかって脳ミソバグりました。 ちゃんと調べたら、能町さんって性転換で女性になったから、幼稚園の頃は男の子だったんですね。なるほど。 幼稚園の頃の生きづらさとか、ちょっとしたことへの嫌悪感とか、他の子供よりやたらと頭がよく絵が上手く観察眼が鋭い子供の視点が生々しい。 文章は読みやすかったので、能町さん本当に頭いいんだなと思いました。
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主人公のもりなつきは、言葉遊びをしている点で、太宰治の『人間失格』を思わせるところがあった。また、カフカの『変身』のように不条理なところが垣間見られた。 さくらももこの『ちびまる子ちゃん』にも通ずる大人チックな観察や表現も持っていた。ただ、ほとんど、もりなつきの目線から世界が広...
主人公のもりなつきは、言葉遊びをしている点で、太宰治の『人間失格』を思わせるところがあった。また、カフカの『変身』のように不条理なところが垣間見られた。 さくらももこの『ちびまる子ちゃん』にも通ずる大人チックな観察や表現も持っていた。ただ、ほとんど、もりなつきの目線から世界が広がっているので、作者の独白のようにも感じた。ドストエフスキーの『地下室の手記』にも近いだろうか。 ストレンジャーであることの意義を教えてくれる小説だったと思う。つまり、遠く北海道から訪れ、卒園後は別の小学校に入学することが決まっている。その通過点をトンネルを抜けるようにうまくやり終えることに、ただそれだけに注がれている。
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タモリ倶楽部によく出ていた能町みね子。エッセイかなとと裏筋を読んだら、はじめての私小説とあって、小説ならと手に取った。トイレを怖がる幼稚園児の話で、文章はウィットに富んだというのだろうか、洒脱な感じがしなくもないが、話自体はつまらなかった。
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まったく、ここはなんて不潔で下劣な世界なんだろうか。私は今まで、文字がたくさん書けたり、絵がうまく描けることで、正当に評価されてきた。ところがそれらはここでは何とも思われず、どうやらかけっこだのなわとびだの、私が一つもおもしろいとは思えないものが得意な、くだらない人ばかりがほめそ...
まったく、ここはなんて不潔で下劣な世界なんだろうか。私は今まで、文字がたくさん書けたり、絵がうまく描けることで、正当に評価されてきた。ところがそれらはここでは何とも思われず、どうやらかけっこだのなわとびだの、私が一つもおもしろいとは思えないものが得意な、くだらない人ばかりがほめそやされている。(P.98) どんな大人も、ときどき見せる本性というのか、ふだん私に対して必要以上にニカニカして子供として接してくるくせに、その緊張感がふっとぬけたときにあっさりと垣間見えてしまう皮がむけきった大人の部分があるけれど……(P.101)
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