愛と追憶の泥濘 の商品レビュー
恋愛小説を読んでいたのに、最後はミステリーのような展開に。 学校司書として非常勤で働く主人公の莉歩。 大企業勤めのイケメンの彼氏博之ができる。 高スペックな博之と結婚して同級生を見返すことを夢見ているが、博之はEDだった。 なんとか「まっとうな状態」に戻そうとする莉歩だったが、...
恋愛小説を読んでいたのに、最後はミステリーのような展開に。 学校司書として非常勤で働く主人公の莉歩。 大企業勤めのイケメンの彼氏博之ができる。 高スペックな博之と結婚して同級生を見返すことを夢見ているが、博之はEDだった。 なんとか「まっとうな状態」に戻そうとする莉歩だったが、博之の秘密を知ってしまう。 暴かれていく莉歩の本性。 こんなに自分本位だったのかと驚くとともに、なんだ頭使えるんじゃんと感心するくらい前半と後半で人が変わってしまったかのよう。 周りの人達も自分勝手で面白い。 莉歩とそういう仲になってしまう同僚教師。 莉歩にまとわりつくように絡む女子生徒。 莉歩に好意を寄せる男子生徒。 そして博之。 結局「まっとう」だったのは…
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こわいなあ…ある意味ホラー。 共依存?かと思いきや、都合の良い相手…。 曽根崎先生でいいじゃん〜と思ってしまった。
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壮絶、すごい物語だ。 表面的な狂気だけでも、食べ応えがある。 結婚したい主人公は依存度が高い妙齢の女性。 恋人の高スペックな男にはある秘密が・・・。 友人がおらず周囲から浮いてしまう女子高生に、 図書室通学を続ける線の細い男子高生。 やる気のないバツイチの高校教師。 それぞれが...
壮絶、すごい物語だ。 表面的な狂気だけでも、食べ応えがある。 結婚したい主人公は依存度が高い妙齢の女性。 恋人の高スペックな男にはある秘密が・・・。 友人がおらず周囲から浮いてしまう女子高生に、 図書室通学を続ける線の細い男子高生。 やる気のないバツイチの高校教師。 それぞれがそれぞれの欠落を抱える。 お互いが支え合う瞬間もあるけれど、 どこかマウントを取り合う。 自分より下がいる、 その憐みでもって自分を保っている感じ。 嫌だなと思いながら、 そういう部分が自分にもあると思わされる。 でもそれが人間、反省しながらも、 頑張って生きようと前向きになる。 この物語が恐ろしいのは、 そこからもう一皮剥けるところ。 人間の汚い部分弱いところがむき出しになる。 踏み止まっていたぎりぎりのところを失うと、 その醜さはもうカバーのしようがない。 それでも生きていかなくてはいけないのか、 とちょっとした絶望を味わう。 汲汲とそれほどまでに窮屈に、 生きる必要があるのか。 それほどまでにこの世で生きねばならぬのか。 人生の泥濘に落ちず生きることは、 可能なのだろうか。 可能だと思ってもう少し歩いていきたい・・・。
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ぜんやシリーズや江戸彩り見立て帖のテイストかと思って読んだら全然違った(笑)。 主人公の女性は私と体格が真逆なので共感出来ず。自分の身体に自信があると、それを武器に誘惑とか出来るのね、、、そんな発想したことないよ! 不穏な空気は最初から漂っていて、最後はもうドロドロ。 タイトルの...
ぜんやシリーズや江戸彩り見立て帖のテイストかと思って読んだら全然違った(笑)。 主人公の女性は私と体格が真逆なので共感出来ず。自分の身体に自信があると、それを武器に誘惑とか出来るのね、、、そんな発想したことないよ! 不穏な空気は最初から漂っていて、最後はもうドロドロ。 タイトルの「愛と追憶の泥濘(ぬかるみ)」ってピッタリハマる!
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料理をテーマにした時代小説のアンソロジー「まんぷく」の中の一作で、良さそうな作家さん…と思って手に取った「ヒーローインタビュー」が良かった。 で、もう一作さらっとした時代小説を読み、次が、本書。 うむむ、なかなかヘビーだった。 先に読んだ作品から、なんだかんだあっても気持ちの良...
料理をテーマにした時代小説のアンソロジー「まんぷく」の中の一作で、良さそうな作家さん…と思って手に取った「ヒーローインタビュー」が良かった。 で、もう一作さらっとした時代小説を読み、次が、本書。 うむむ、なかなかヘビーだった。 先に読んだ作品から、なんだかんだあっても気持ちの良い読後感を期待していたところに、不意打ちだったからか。 登場人物が、境遇や悪意や運命に翻弄される過酷な物語は数多く読んでいるけれど… 作中の出来事は、犯罪でも死でもないのに、この粘りつくような読後感はなんだろう。 主人公の莉歩が、あまりに普通で…傷付いたり挫折したりしつつ、男性の視線を厭いつつ自分に魅力がある事も知っていて、打算や見栄から身勝手な嘘もつける、本当に普通にいそうな人物だからだろうか。 綺麗事ばかりではない事も描ける、力のある作家さんだということは改めてよくわかった。 イヤミス好きな人なら面白いだろう。 ただ、本作は私の好みではなかった… ちょっと心して、他の作品を読もう。
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