デカルト の商品レビュー
冒頭から意味不明 〈そこに媒体を介した主題があるかぎり、死者との対話も成り立つ〉ことを、冒頭で極めて迂遠に書いてゐる。 哲学お定まりの、はじめに定義をきっちり示しておかない定義アヤフヤ論法。主題は本質的に死を中核に宿してゐると、なにか深淵さうなことを語って、話者の死と主題の死...
冒頭から意味不明 〈そこに媒体を介した主題があるかぎり、死者との対話も成り立つ〉ことを、冒頭で極めて迂遠に書いてゐる。 哲学お定まりの、はじめに定義をきっちり示しておかない定義アヤフヤ論法。主題は本質的に死を中核に宿してゐると、なにか深淵さうなことを語って、話者の死と主題の死とを結びつけようとしてゐる。しかし生物と無生物を混乱させる強引で飛躍した論理といはねばなるまい。主題に生も死もありゃしない。主題は生物ではないのである。レトリックだとしても余計に感じる。 しかも著者がこの「死んだ主題」といふいひまはしを徹底してゐて、学術文庫版の新しいあとがきに自分の旧著のことを《おのれの骸》と書いてゐる。気持悪いくらゐだ。 つくづく哲学はレトリックのまやかしである。
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デカルトの解説書としては134ページと比較的薄くて、しかも発行日が2022年2月8日と比較的新しいため、手に取りやすい(ただし、あとがきにて「本書はデカルトの解説書ではない。」と明記されているため、この評価も適切ではないかもしれない。)。 本書では主にデカルトの有名な言葉「私は考...
デカルトの解説書としては134ページと比較的薄くて、しかも発行日が2022年2月8日と比較的新しいため、手に取りやすい(ただし、あとがきにて「本書はデカルトの解説書ではない。」と明記されているため、この評価も適切ではないかもしれない。)。 本書では主にデカルトの有名な言葉「私は考える、ゆえに私は存在する(我思うゆえに我あり)」について、『方法序説』『省察』『哲学原理』からの引用を使って、主張の経緯や「我」とは何か、そしてデカルトによる神への言及への見解について述べられている。一方で方法序説で有名な4つの規則については特に言及されていないため、デカルト哲学の中でも一段と哲学らしい領域にフォーカスしていると言える。 序章と第一章の最初までは読みやすかったが、第一章の中盤から第二章になると主張や表現がよくわからなかった。「シリーズ・哲学のエッセンス」の性質上、著者がデカルトに対する理解と論を書きたいように書いたものになっており、デカルトの解説という立場ではわかりづらいものになっているように思う。著者のファンであれば前向きに読めるだろう。 なお、巻末のデカルト小伝と読書案内の章はシンプルに情報がまとめられており、デカルトの入門者に広く有益と思われる。
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