大邱の夜、ソウルの夜 の商品レビュー
ソウルの夜が良かった。慢性的な辛さや諦めや、抗いたい気持ちがひたひた迫ってくる。ただ、ホンヨンはあまり品がない感じで引いた… あとこれ静岡弁だらと思って読んでたら翻訳者さんが静岡出身なのね、なかなか見ねーもんでおもしれーっけや笑
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大邱の夜。ソウルで若い時を共にした親友ふたり、 懐かしく思い出すあの時が、実は漠然と不安だったことを今は知ってるから。 私たちがあれほど飽きるほど未来について話していたのは、怖かったからだと、うまく通り過ぎてきたとコンジュに話してあげたい。 先に結婚し先に出産し子どもは可愛いけど夫婦仲、結婚生活はつまらないもので仕事と家事と育児に追われそれでもブチ切れたリ離婚まではいかない、まあこんなもんかと日々に追われて過ごし、後から、同じような人生が親友にもやってくる。 私も自分のことのようにわかると思った。 何もなしえてないし夢も叶ってないけど、うまくとおりすぎてきたんじゃないか、と。 ソウルの夜。大邱からソウルに来るまでのいろいろ、大邱でお母さんを看取ったがそのベースとなる家族の話。ソウルでの親友との出会い。 安全な監獄よりも危険な自由を選んだという自負心を最後まで捨てられなかった、 とコンジュの独白がささる。 職場ではセクハラパワハラ。 夫の実家で名前では呼ばれず、夫の妻もしくは子どものママと呼ばれる。 そして作家の言葉あとがき。 二人の女の話ではない、一人の女の話だった、と。家族と社会と絶え間なく葛藤し器用に折り合えない女の話。 全員がバービーの、バービー映画を思い出した。 作家はあとがきでいう。一人の女の話でありながら一人の人間の話であることを願いながら、と。 無数のバービーたち。私の知りうる多くの女の友達たち、みな一人の人としての物語、人生を届きそうで届かない樹木の蒼い葉っぱをつかみあぐねるように、探している。そこに着地することも葉っぱに触れることもないだろうと思いながら。時に勇敢に時に臆病で自信ないままに。
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小泉今日子のポッドキャストや、朝日新聞の書評など、いろんなところで目にし気になっていた1冊。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ時と同じようなヒリヒリ感。自分は周りの人に恵まれて、仕事も育児も比較的心のままにできている方だが、女性たちの生きづらさが、この社会の中にもたゆたってい...
小泉今日子のポッドキャストや、朝日新聞の書評など、いろんなところで目にし気になっていた1冊。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ時と同じようなヒリヒリ感。自分は周りの人に恵まれて、仕事も育児も比較的心のままにできている方だが、女性たちの生きづらさが、この社会の中にもたゆたっていることは切にわかる。夫の実家に帰省した時の人々の振る舞い、ちょっとした言葉など、何でもないことが心をえぐる。いや日本よりも韓国の方がもっと根深いのだと思う。これまで通り、こぶしをあげて激しく抵抗するのではなく、「その習慣で育った相手の常識」にも心及ばせながら、でも常識をちょっと見直してもらうさり気ない声かけや努力はしていきたい。
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身につまされる。男として夫として親として。作品中の夫(テシク)に腹が立つ時も、彼と同じ価値観が自分の深い根底にこびりついていることも自覚する。このこびりつきは簡単には剥がせないが、こういった本を読んでカリカリと爪で削り取って行くしかないのだ。
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気づく事にすら気づけてない人もいるだろうし 気づいているが絡めとられて身動き取れない人や 気づき行動したからこそできる共感する人等々 たくさんの人に刺さる素晴らしい作品 読んで、買って、良かった。
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『大邱の夜、ソウルの夜』家族と社会と絶え間なく葛藤し、器用に折り合いをつけられない女の話、と紹介されていて、つまりこれはみんなの話。「私たちはただ、とにかく話し続けよう」ということ。それにしてもグラフィックノベルっていいなあ。
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コミックを読み慣れていないので 最初は戸惑いもあったが 活字を目で追い、主人公の女性たちに共感した。 少し苦しく思うようなことも 漫画で描かれているためその気持ちも和らいだ。 訳者、吉良佳奈江さんはあとがきで 〈読者のみなさんにも、笑って、ため息をついて、反発しながら、共感しなが...
コミックを読み慣れていないので 最初は戸惑いもあったが 活字を目で追い、主人公の女性たちに共感した。 少し苦しく思うようなことも 漫画で描かれているためその気持ちも和らいだ。 訳者、吉良佳奈江さんはあとがきで 〈読者のみなさんにも、笑って、ため息をついて、反発しながら、共感しながら、このおしゃべりに参加してほしい。おしゃべりが社会を変えることもあるのだから〉 と書かれている。 書店で在庫がなく取り寄せで手にした本。 たくさんの人の目に留まりますように。
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"自分の部屋が必要です。自分の文章が書きたいです。"(p.95) "この不安がいつまで続くのかわからないが、ただ生きていく。 小さな不幸と幸福を迎えながら……。"(p.66)
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