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おとなになっても(6) の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2023/11/18

この巻の終盤にある162-163頁の見開き、複数の橋が架かる都市の川の鳥瞰図が印象的でした。 恋愛ものなので、相手と自分を隔てる川(障害)があって、それを渡るか渡らないかという葛藤が出てくるのは、当然といえば当然です。 しかし、そうした葛藤は、主人公の綾乃と朱里だけなく、小学生か...

この巻の終盤にある162-163頁の見開き、複数の橋が架かる都市の川の鳥瞰図が印象的でした。 恋愛ものなので、相手と自分を隔てる川(障害)があって、それを渡るか渡らないかという葛藤が出てくるのは、当然といえば当然です。 しかし、そうした葛藤は、主人公の綾乃と朱里だけなく、小学生から義母まで、登場人物の多くが日常的なものとして抱えており、群像劇的に描かれます。 ストーリーが日常的なので、悪く言えばダラダラした感じがするところもあります。 しかし、それは例えば131頁で急をつけるための緩として機能しています。 登場人物が多く、小学生など人によって姓で呼んだり名で呼んだりするので、分かりづらいです。 しかし、それが日常性を支えるためのリアリティラインの保持一役買っています。 もう一つ印象的だったのが、驚きの顔の描写が多いことです。 例えば87頁では綾乃が朱里に驚かされ、120頁ではその逆。 綾乃も朱里も、急にポンコツになって、相手を驚かせたり。 意志で障害をわたって、相手を驚かせたり。 絵には、そうした描写のためのコミカルさ、柔らかさ、綺麗さが共存しています。 志村貴子先生の作品はとても好きなのですが、いつも感想をまとめるのが難しいと感じます。 それは、こうしたいろいろな要素がギュッと詰まって解きほぐしにくいところに惹かれているからかもしれません。

Posted byブクログ

2022/02/10

なんで志村貴子が描く人間模様ってこんなにもリアルなんだろう! 簡潔にいうと不倫の話なのに、そこから派生していく人間模様がなんともリアル。 志村貴子作品って人間のどうしようもなく情けない部分を描くのが上手すぎて、毎回唸っちゃう。 「おとなになっても」は一周目は普通に読んで、二周目は...

なんで志村貴子が描く人間模様ってこんなにもリアルなんだろう! 簡潔にいうと不倫の話なのに、そこから派生していく人間模様がなんともリアル。 志村貴子作品って人間のどうしようもなく情けない部分を描くのが上手すぎて、毎回唸っちゃう。 「おとなになっても」は一周目は普通に読んで、二周目は毎話のタイトルになっている曲を聴きながら読むのが好き。タイトルセンスも冴え渡ってる。 綾乃を通して、綾乃本人の恋愛関係や生徒のいざこざを見てると、恋愛も友情もあんまり変わらないよな〜全部儚いよな〜と思う。人間ってぜ〜んぶ薄情! 6巻では、面白い夢を見たけど忘れててもどかしいと語った新キャラの茜ちゃんがすごく良かった。夢って漠然とあることだけ覚えてて、後はもやもやっとした感情が残るだけだよね...。

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