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完璧な家族 の商品レビュー

3.4

7件のお客様レビュー

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2023/02/04

かなりしんどい内容。母親がシングルマザーでアル中。育児放棄とみなされ、施設に子供三人引き取られる。頑張って再生して、子供を引き取って新しいまともな恋人ともうまくやっていこうとしていたその時に、一家はある日銃で皆殺しにされる。16歳の長女を残して。大人が「これでいい」と思っている出...

かなりしんどい内容。母親がシングルマザーでアル中。育児放棄とみなされ、施設に子供三人引き取られる。頑張って再生して、子供を引き取って新しいまともな恋人ともうまくやっていこうとしていたその時に、一家はある日銃で皆殺しにされる。16歳の長女を残して。大人が「これでいい」と思っている出来事がけして子供にいいとは限らず、子供と思っていても、体や心は大人の危険な環境と同じくさらされ、未完全なまま立ち向かわないといけないという。家族問題だけでなく、普通の大人の人間関係にも通ずる、痛い(ささる)内容だった。

Posted byブクログ

2022/11/25

好きな人は好きだろう・・あいついで読むし、追いかけたくなる。 でもその正反対にいる人もいる・・そう私。 ネレ・ノイハウス、カリン・スローター・・何れも4,5冊読んだけど、もう読むことはないだろう。 読んでるものがないどころか、被害者、加害者が求める世界、理想がアメリカでは受ける...

好きな人は好きだろう・・あいついで読むし、追いかけたくなる。 でもその正反対にいる人もいる・・そう私。 ネレ・ノイハウス、カリン・スローター・・何れも4,5冊読んだけど、もう読むことはないだろう。 読んでるものがないどころか、被害者、加害者が求める世界、理想がアメリカでは受けるだろうが。 完璧な家族はない、無理して作り上げるのが家族でないし、努力の元に見えてくる理想の社会の下には屍が横たわる可能性が大きい。 そんなにして迄理想を求めるのがアメリカ、或いは欧州に多いのは宗教❓人種❔日本ではちっと受け入れられないのじゃないのか。 賢明に努力と根気強さで執念のトロフィーゲットへ突き進む D・Dはさほど魅力は感じないし、共感のかけらすら覚えない。中性的な彼女は、やはりアメリカ的。 リサ・ガードナーの乾いた文体は読んでいて、砂を噛んでいる感蝕。ねっとり感が無い分読み進められるけれど、昏さが無い分、こっちのメンタルがやられることもない。 彼女の作品はもう手に取ることはないな。

Posted byブクログ

2022/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウォレン刑事部長のシリーズとしては10冊目らしいが、裏表紙の煽り文句通り『棺の女』の続編として読んだ。当初の混乱をよそに容疑者は着々と絞られていくので、犯人の予測は途中でついたものの、その動機については(犯人の視野狭窄もあって)予想外だった。殺すべき人間を選んで一気にかつ大量に殺してしまえる銃社会はやはり怖い。

Posted byブクログ

2022/11/06

酒に溺れてはいけない。人との距離をはかってキープするのは難しい。まして、子どもであれば。保護されていなければ。相手の価値観を理解しがたければ尚。ページをめくる手を止められないほど面白かったですが、同時にとても悲しいです。

Posted byブクログ

2022/04/03

アメリカではよく見聞きする里親制度、、壮絶です。完璧な家族なんてこの世にないのでは、と悲痛な気分にさせられます。子供は何も悪くないのに。 そしてひどい事件に巻き込まれたらしいフローラがこんなに強くなれるなんて、驚きを禁じ得ません。こんなふうになれるもんなんですかね。警察関係者でも...

アメリカではよく見聞きする里親制度、、壮絶です。完璧な家族なんてこの世にないのでは、と悲痛な気分にさせられます。子供は何も悪くないのに。 そしてひどい事件に巻き込まれたらしいフローラがこんなに強くなれるなんて、驚きを禁じ得ません。こんなふうになれるもんなんですかね。警察関係者でもないのに事件について教えてもらえるなんて、全く関係ないけれど久能整くんを思い出してしまいました。

Posted byブクログ

2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある晴れた休日,家族と保護施設へ犬をもらいに行こうとしていたボストン市警のD.D.ウォレンのもとに,緊急招集がかかる。子どもが犠牲になった一家惨殺事件があったようだ。ただひとり行方不明となった長女の犯行なのか。実は事件に衝撃を受けていたのは警察だけではなかった。長女は事件前,ある人物にSOSを出していたのだ。その人物とは。 「棺の女」を読んで以来,リサ・ガードナーの新作がでたら読みたいなと思っていたのですが,なんとその「棺の女」の続編,フローラが再登場ということで,さっそくkindleで購入しました。 が,あまり覚えていなかったので先に「棺の女」を読み返しました。 ばっちり復習してからいざ,スタート。 「棺の女」でひとつ前に進んだようにも見えたフローラですが,やっぱりそんなに簡単ではない。失踪女性,被害女性にこだわることをやめられない。そんな中,被害にあった当時のフローラよりももっと幼いのに「何か」に苦しんでいるロクシーに出会う。怯えて,どうにかしようと戦っていたロクシーは,一家惨殺事件の犯人像としてはそぐわないけれど,状況証拠がロクシーを指している。読んでいて苦しくなるとともに,違和感もあり,どう展開するのかなかなか読めませんでした。 バッドエンドも覚悟して重い気持ちで読み進めたけど,ずっと苦しんでもがいていたロクシーが,それでも最後まで家族を信じていたこと,ローラの最後からもそれを信じられたこと。すべては失われてしまった後だったけれど,それでもそのロクシーの家族の再生を信じつけていた気持ちが,ロクシーと,そしてヘクターの未来を支えていくのだろうと思いました。失われたものは決して取り戻せないし,生きていくことはつらいことばかりだけど,それでも希望はある。このラストの感じは「棺の女」に似ているかも。 フローラもちょっとまた変化したのかな。D.D.ウォレンシリーズは結構長いみたいなんですが,今後も再登板はあるのでしょうか。 本の内容とは関係ないけど,映画「ボストン市庁舎」を見た後だったので,勝手にボストンに親近感というか,情景がイメージしやすくてよかったです。

Posted byブクログ

2022/02/13

まずページを開く前に、気合いと覚悟の要る作家がいる。 絶対にこんな目にあいたくない、 この世にこんな災いがあってはならないと、 誰もが思うようなことを、 でも、あるのですよ――と、 我々に丁寧に物語ってくれるのだ。 たとえば、カリン・スローター、 あるいは、ネレ・ノイハウス...

まずページを開く前に、気合いと覚悟の要る作家がいる。 絶対にこんな目にあいたくない、 この世にこんな災いがあってはならないと、 誰もが思うようなことを、 でも、あるのですよ――と、 我々に丁寧に物語ってくれるのだ。 たとえば、カリン・スローター、 あるいは、ネレ・ノイハウス、 そして、このリサ・ガードナーである。 D・D・ウォレンは、ボストン市警殺人課部長刑事である。 彼女は――そう、名前だけではわからないが、女性なのだ――仕事と結婚した。 捜査中に転げ落ちて大怪我をしても、のんびり休んではいられない。 周りの心配をよそに、這ってでも仕事に乗り込んでいく。 周りの、というのは部下たち、そして夫である。 仕事と結婚したD・Dは、なんと、ちゃんと人間の夫もいるのだ! それも、ワーカーホリックな妻に、たいへん理解のある夫である。 さらにその上、かれらの間には、愛らしい五才の息子までいる。 大勢の女性読者に、嫉妬で燃やされやしないかと心配になるのだが、しかし、せめて彼女ぐらいは幸せでいてほしいとも思うのだ。 フローラ・デインは、有名人である。 前作『棺の女』のヒロイン、つまりは被害者で生還者なのだ。 生還したとはいえ、いわゆる普通の生活、もとの生活に戻れるわけはなく、自身のトラウマと戦いどうにか共存しながら、同じような人々のグループ"自警団"を主催して、サバイバル術のコーチをしている。 ということは、なにかしらの被害者であり生存者である人が、さらに出てくる。 その上この『完璧な家族』のヒロインたる人物も出てくるのだ。 ロクサンナ・バエズは高校生である。 まだ16才なのに、三人きょうだいの長女として、彼女は、えらい目にあってきた。 それがどういうものだったかは、彼女自身が『完璧な家族とは』と題した作文で語っている。 担当教諭がその文才を絶賛し、涙した作文だ。 たしかに、書かれた世界に、救いはない。 作文だけではない。 この『完璧な家族』には、幸せな要素がなんにもないのだ。 読みながら、どうしても気が沈んでしまう。 ただ、それが、カリン・スローターほどねっちりしておらず、ネレ・ノイハウスほど陰がなく、ドライな書きようなので、やたら感情を乱されることなく読み進めていける。 リサ・ガードナーは、リサーチャーの経験があり、綿密なリサーチを行って執筆をする作家だ。 これはそんな作者だからこその筆致だろう。 D・D・ウォレンは人気のシリーズで、アメリカでは長編だけで12冊出版されている。 日本ではこれがたった4冊目なのだが、嬉しいことに4月にこの続きが刊行されるらしい。 また、えらい目に遭う人――きっと女性が増えるのだなあと息をつきながら、私は覚悟を決めてそれを待とう。

Posted byブクログ