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鎌倉殿と13人の合議制 の商品レビュー

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2024/10/05

鎌倉幕府とは: なぜ関東に武士の権力 京都からの独立か併存 武力を武力として行使しなかった頼朝 …… 源氏将軍の終焉と武士の覚醒 13人の合議制: 関東の秩序・地理 身分の上下感覚 武士の身分 地域格差問題 名門の血の利用価値 北関東の立ち位置 政治と教養・頼朝をめぐる女性…… ...

鎌倉幕府とは: なぜ関東に武士の権力 京都からの独立か併存 武力を武力として行使しなかった頼朝 …… 源氏将軍の終焉と武士の覚醒 13人の合議制: 関東の秩序・地理 身分の上下感覚 武士の身分 地域格差問題 名門の血の利用価値 北関東の立ち位置 政治と教養・頼朝をめぐる女性…… 頼朝以前: 前九年の役 源義朝の達成 義朝が築いたリーダーの原理 兄弟で争うことが源氏の伝統 …… 鎌倉幕府の成立: 関東の各地域の状況 文官を握る者が鎌倉を制す 13人の合議制の真実: 決定するという権力の本質 13人の横顔 そして内乱へ: 13人の合議制の行方 北条政権の本質

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2023/12/30

鎌倉幕府の有力御家人たちの出自を辿っていくと平家になる、と作者はいう。だから「源平の戦い」などと迂闊に言って、源氏対平家という構造を想起してしまうと、このところの重要性が見えなくなるそうだ。事の始まりは僻地の関東地方にやって来て大土地所有を始めた人々がまず平家だった。平家が土地を...

鎌倉幕府の有力御家人たちの出自を辿っていくと平家になる、と作者はいう。だから「源平の戦い」などと迂闊に言って、源氏対平家という構造を想起してしまうと、このところの重要性が見えなくなるそうだ。事の始まりは僻地の関東地方にやって来て大土地所有を始めた人々がまず平家だった。平家が土地を開拓し、やがて平将門たちが出てきた。そして成果をあげると美味しいところを吸収して伊勢に移っていった。その、いわば残り物を漁りに来たのが源氏の、源頼義・義家の親子となる。その後、義親と為義という腕っぷしが強いだけで謀反人にさえされる無能力者が2代続けて出た事で源氏はすっかり落ちぶれる。つまり関東において「前九年の役・後三年の役」からずっと源氏と東国武士との関係が続いていると考えると見誤る。そこに連続性はない。断絶している。その落ちぶれた源氏を再び盛りかえしたのが頼朝の父・義朝で、それがために頼朝は義朝を深く尊敬していたのだろう。義朝の功績の中には1143年の「相馬御厨乱入事件」と1144年の「大場御厨乱入事件」がある。さて、鎌倉幕府の13人の合議制には北条時政をリーダーとする北条派と反北条派がいたという。反北条派は時政にとって都合の悪い比企能員、梶原景時、八田知家、足立遠元の4人。時政はこれらの人物を疎ましく思い、排除しにかかる。梶原景時、比企能員は謀殺され、残り2名も殺されはしないが歴史の表舞台に出てこなくなる。しかし後に北条時政自身が平賀朝雅を実朝に代わる将軍に据えようと画策し、息子の義時に反対されて失脚する。このあたりの事はNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見ていたので少し覚えている。後鳥羽上皇に官位をもらい鎌倉という田舎より京都での雅な生活にあこがれを抱いていた実朝は公暁に殺されるが鎌倉幕府の御家人たちにしてみると「もうあいつはいらない」という認識が総意になり、行われた事ではないかと作者は言う。その後の鎌倉幕府は朝廷との関係を軽視し「京都の事を気にする必要はない」という独自路線に進む。実朝が殺された後、北条政権は摂関家から貴公子を戴いて「摂家将軍」を置くが、それは飾りだけの王であった。詳細→ https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou28109.html

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2023/05/29

十三人の合議制の成立と崩壊、源実朝暗殺までを描く歴史書。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の復習になる。 鎌倉殿の十三人は以下になる。 北条時政(ほうじょうときまさ) 北条義時(ほうじょうよしとき) 安達盛長(あだちもりなが) 三浦義澄(みうらよしずみ) 和田義盛(わだよしもり...

十三人の合議制の成立と崩壊、源実朝暗殺までを描く歴史書。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の復習になる。 鎌倉殿の十三人は以下になる。 北条時政(ほうじょうときまさ) 北条義時(ほうじょうよしとき) 安達盛長(あだちもりなが) 三浦義澄(みうらよしずみ) 和田義盛(わだよしもり) 比企能員(ひきよしかず) 梶原景時(かじわらかげとき) 足立遠元(あだちとおもと) 八田知家(はったともいえ) 大江広元(おおえひろもと) 三善康信(みよしやすのぶ) 中原親能(なかはらちかよし) 二階堂行政(にかいどうゆきまさ) 十三人は武士と京下りの文士に分かれる。 武士は北条時政、義時、安達、三浦、和田、比企、梶原、足立、八田。 文士は大江、三善、中原、二階堂。 武士を親北条と反北条に分類する見解がある(本郷和人『鎌倉殿と13人の合議制』河出新書、2022年、163頁以下)。 親北条は北条時政、義時、安達、三浦、和田。 反北条は比企、梶原、足立、八田。 足立遠元を反北条に分類する理由は弱い。「北条氏の力が強くなると存在感がなくなっていく」とする(本郷和人『鎌倉殿と13人の合議制』河出新書、2022年、164頁)。武蔵国の有力御家人の畠山重忠が冤罪で滅ぼされたことが影響しているだろう。 足立氏は名前の通り武蔵国足立郡の御家人である。足立郡の中でも埼玉県さいたま市桜区は畠山重忠の領地であった。重忠は足立遠元の婿となり、その関係で足立郡に領地を持ったのだろう。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第36回「武士の鑑」では畠山重忠の乱と足立遠元の引退が同時並行で進む。 親北条に比べて反北条はまとまりが悪く、北条氏に各個撃破された。反北条という派閥があったというよりも、親北条という派閥とその他という関係だっただろう。親北条の和田、三浦、安達も北条氏に各個撃破されていく。 最初に梶原景時が滅ぼされた。六六人の御家人が景時の糾弾に同調した。比企能員も糾弾に同調した。景時も能員も頼家を盛り立てる立場であり、実朝を抱える時政とは対抗関係にある。景時と能員が結束するところであるが、そのようにはならなかった。これは能員が無能というよりも、「そこまで梶原景時が嫌われていた」と分析される(178頁)。

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2022/12/30

2022/12/28 大河ドラマで話題になっている鎌倉時代。 源頼朝が関東に作り上げた鎌倉幕府はどのような体制のもとになぜ関東に作られたのか、という基本的な疑問でありなかなか明確な答えが出ないこの問いに対してのヒントをくれる本であると思う。 鎌倉幕府が作られたその過程と中身(北条...

2022/12/28 大河ドラマで話題になっている鎌倉時代。 源頼朝が関東に作り上げた鎌倉幕府はどのような体制のもとになぜ関東に作られたのか、という基本的な疑問でありなかなか明確な答えが出ないこの問いに対してのヒントをくれる本であると思う。 鎌倉幕府が作られたその過程と中身(北条氏に執権として実権を握られたことなど)は一般的な事実として歴史、日本史で学習するが、その内実はどうだったのか、もともと京都に朝廷権力という長年にわたって鎮座していた圧倒的な権力の基盤があったはずなのに、武士が政治の中心として権力を握るように変化したのはどうしてなのか、とこの感想の文章がまとまってないところからも、読めば読むほど深掘りできるヒントを得られて面白いです。 頼朝の父からつながる関東での武士とのつながり、その武士たちはそもそもなぜ関東にいるのか、というか武士って何か…突き詰めて考えると問いは尽きませんが、ドラマを見る際にも史実と比べながら、脚本における解釈や演技の表現などでも楽しみの幅がこの本を読むことで広がるのではないかと思います。 もう少し気になるところを何回か読み進めていきたいなと思います。

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2022/07/04

22/6/12読了 ①「鎌倉殿」の形成を解説→関東圏が歴史的にどのようなポジションであり形成 鎌倉殿以前は、 中央は圧倒的に関西・九州圏偏重にあり、関東圏は落ちぶれ者の集まり、さらに東北圏においては見放されていたほどに中央からの干渉の差異が存在した。 ↓↓ ・家康が関東に幕府を...

22/6/12読了 ①「鎌倉殿」の形成を解説→関東圏が歴史的にどのようなポジションであり形成 鎌倉殿以前は、 中央は圧倒的に関西・九州圏偏重にあり、関東圏は落ちぶれ者の集まり、さらに東北圏においては見放されていたほどに中央からの干渉の差異が存在した。 ↓↓ ・家康が関東に幕府を置けたのは→鎌倉幕府時代の南関東の礎があったから ・現在の東京が成り立つまでには→徳川幕府が江戸の街を築いたから (参勤交代制度によって江戸:地方の構図を明確化し、かつ荒川等の地学工事を行える財政を築けた) ②北条一族と合議制の成り立ち→

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2022/06/13

NHKの大河ドラマってのは大したもんで、北条義時に関する新書がけっこう出ている。何冊か読んだけど、まともな歴史学者が書くものほど、義時に関する記述は少ない。資料がないのでどうしようもない。そも執権だったという証拠もないらしい。そんななか本郷先生は大胆な推察を示す。これ岩波ではでき...

NHKの大河ドラマってのは大したもんで、北条義時に関する新書がけっこう出ている。何冊か読んだけど、まともな歴史学者が書くものほど、義時に関する記述は少ない。資料がないのでどうしようもない。そも執権だったという証拠もないらしい。そんななか本郷先生は大胆な推察を示す。これ岩波ではできなかったろうな。

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2022/05/21

頼朝以前から遡って、鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、 その人間模様を追い、13人の合議制について考察する。 序章 鎌倉幕府とは何か 第一章 「13人の合議制」とは何かを考えるために 第二章 頼朝以前  第三章 鎌倉幕府の成立 第四章 「13人の合議制」の真実  第五章 そして内...

頼朝以前から遡って、鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、 その人間模様を追い、13人の合議制について考察する。 序章 鎌倉幕府とは何か 第一章 「13人の合議制」とは何かを考えるために 第二章 頼朝以前  第三章 鎌倉幕府の成立 第四章 「13人の合議制」の真実  第五章 そして内乱へ 平将門の時代から遡り、平家の仕える者、拠点の地域等での違い。 頼朝以前の奥州で成功した源氏。特に関東に地盤を作った義朝と 関東武士との関係。頼朝の、乳母を含めての人間関係。 東西の繁栄の差。西の権力体、朝廷の存在等を詳しく説明。 文官の存在を重要視した、頼朝。 文官と良好な関係を築いた、北条氏。 頼朝が関東の地で組織した権力体は、 朝廷に学び、経験を積んで鎌倉政権に成長していく。 懇切丁寧に分かり易く説明していながらも、 上総広常の粛清、曾我兄弟の仇討ちの謎、 誰が「13人」を選んだのか、実朝暗殺の裏等、 著者個人の見解や過去の反省も盛り込み、語っています。 関東各地域の武士たちの立ち位置や関係がかなり詳しい。 それと、本拠を移し、戦国時代に東北や九州などで 名を挙げた子孫がいる。土肥実平の子孫が小早川氏とか、 改めて知ることが出来ました。だから歴史は面白い。

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2022/05/13

現代に生きる人はどうしても過去を現代的な価値観で解釈し、時には共感し、時には断罪してしまう。しかも「鎌倉殿の13人」は特に現代風に作られているのでそれが顕著になる。本書はそういった姿勢を修正してくれる副読本であり、鎌倉幕府成立の前後の時代背景がわかりやすく説明されている。また、著...

現代に生きる人はどうしても過去を現代的な価値観で解釈し、時には共感し、時には断罪してしまう。しかも「鎌倉殿の13人」は特に現代風に作られているのでそれが顕著になる。本書はそういった姿勢を修正してくれる副読本であり、鎌倉幕府成立の前後の時代背景がわかりやすく説明されている。また、著者が50を過ぎてようやく秩序形成における「西高東低」の認識(武力よりも朝廷の権威が強い)を受け入れた等の赤裸々な記述もあり、専門家であっても歴史を解釈することの難しさがあることもわかる。中世が苦手な自分にとっては知らない事も多く大変に参考になったが、このレベルの事を最低限は知らないとドラマは全く理解できないだろうなという気持ちにもさせられた。

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2022/05/12

竜馬以来の大河ドラマ「鎌倉殿と13人」をみていて、この本を手に取りました。帯には、頼朝とその仲間たちとありますが… 歳を重ねてきたせいなのか大河のおかげなのか、歴史に関心を持つようになってきました。この本を読むと大河的にはネタバレ?になりますが、背景や人間関係など詳しく書かれてい...

竜馬以来の大河ドラマ「鎌倉殿と13人」をみていて、この本を手に取りました。帯には、頼朝とその仲間たちとありますが… 歳を重ねてきたせいなのか大河のおかげなのか、歴史に関心を持つようになってきました。この本を読むと大河的にはネタバレ?になりますが、背景や人間関係など詳しく書かれていて、益々大河にはまりそうです。

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2022/04/16

「成功する人は歴史が好き」とよく聞くため私も歴史をどうにか好きになりたい…と思い歴史の書籍を読むが、やはり面白いと思えず。 面白いと思えない背景として、やはり歴史自体が頭に入っていないからだと思う。 誰と誰がどうつながっていてどのようになっていったのかを聞いてもどうにも覚わらな...

「成功する人は歴史が好き」とよく聞くため私も歴史をどうにか好きになりたい…と思い歴史の書籍を読むが、やはり面白いと思えず。 面白いと思えない背景として、やはり歴史自体が頭に入っていないからだと思う。 誰と誰がどうつながっていてどのようになっていったのかを聞いてもどうにも覚わらない。 きっとミステリー小説のように人と人との関係性を頭に入れることができれば面白く感じるのだと思うが、誉田哲也さんのミステリー小説のように頭には入らず、今回もやっぱり面白さを感じられず。 小さい頃から大河ドラマも見たことがなかったため、今でももちろん見ないし大河ドラマの内容を言われてもやっぱりぴんとこず。 ==== 本郷和人(ほんごう かずと) 1960年、東京都生まれ 東京大学史料編纂所教授。博士(文学) 専攻は日本中世政治史、古文書学 ==== flier要約 https://www.flierinc.com/summary/2979

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