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かくして彼女は宴で語る の商品レビュー

3.3

39件のお客様レビュー

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2023/12/02

「黒後家蜘蛛の会」のような話と聞いていたので、楽しみに読みました。でも、思っていたのとは違う繊細な芸術論のような話でした。

Posted byブクログ

2023/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「美のための美の運動」を掲げ、「パンの会」に集う若き、詩人、画家たち。 明治末期の両国橋のたもとに立つ西洋料理店「第一やまと」に集う彼ら。 「スバル」の創刊、与謝野夫妻、印象派についてと語り合い、酒が回るうちに「事件」の話題になり。 医学と詩の間で悶々とする木下杢太郎が発起した「パンの会」は参加者を変えつつ、「事件」を解決してゆく。 残念ながら、事件自体にはあまり魅力が感じられないけれど(あっさり解決しすきるからかも?)、杢太郎が抱えるものが静かに膨れ上がっていくようで、じっとりと重い。 でも、読後に若い彼らの一頁を一緒に体験した気持ちになっているので、悲壮感は感じない。 最後のお話はちょっと壮大過ぎな気もするけど。 「黒後家蜘蛛の会」形式の本はあとがき、注意書きがいらないよなーと思うものが多かったけど、今回は史実を丁寧に追ってるので、とても勉強になった。

Posted byブクログ

2023/07/04

『黒後家蜘蛛』式で 最後に脇役が謎を解き明かす6つの話。 過去の殺人や、不可思議なできごと。 明治後期に名をなした文学者や画家が まだ物珍しい洋食を食べながら語り合う。 ミステリ部分も楽しんだけど この当時の風俗を描いた部分も 興味深かったです。

Posted byブクログ

2023/06/05

明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った。木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等々が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わって―(e-honより)

Posted byブクログ

2023/05/06

明治に実在した詩人や画家と、彼らの集う「パンの会」を用いた連作ミステリー。持ち寄った謎を皆で推理するが最後に解くのは店の女給という『黒後家蜘蛛の会』スタイル。実際に起こった事件を扱ったり謎もキレてるし、彼らの関係性や当時の生活なども存分に楽しめる。「白秋は上から目線」「啄木は嘘つ...

明治に実在した詩人や画家と、彼らの集う「パンの会」を用いた連作ミステリー。持ち寄った謎を皆で推理するが最後に解くのは店の女給という『黒後家蜘蛛の会』スタイル。実際に起こった事件を扱ったり謎もキレてるし、彼らの関係性や当時の生活なども存分に楽しめる。「白秋は上から目線」「啄木は嘘つきで駄目なやつ」らしいが、北原白秋のキャラクターが特に良かった。

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2023/04/15

木下杢太郎を主人公に、明治40年代にひらかれていた<パンの会>に集う作家や画家の卵たちが、その時々に経験した謎を秘めた出来事を、ああでもないこうでもないと議論しあう推理小説。議論が出尽くし謎が宙に浮いてしまったところで、会場である牛鍋屋の女中があざやかに解決するという形式。北原白...

木下杢太郎を主人公に、明治40年代にひらかれていた<パンの会>に集う作家や画家の卵たちが、その時々に経験した謎を秘めた出来事を、ああでもないこうでもないと議論しあう推理小説。議論が出尽くし謎が宙に浮いてしまったところで、会場である牛鍋屋の女中があざやかに解決するという形式。北原白秋や石川啄木ら実在の登場人物、当時の時代背景などをどのように調べたのか、参考文献一覧が各章の最後に付けられているのが嬉しいです。当時は珍しかったであろう料理の数々と、それを食べたあとの登場人物たちの反応もなんとも楽しく、おなかがすいてきます。

Posted byブクログ

2023/04/02

明治時代の実在の若い芸術家たちによる謎解き短編集。雰囲気は好きだけど、トリックが理屈っぽくて面白くなかった。

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2022/12/17

あまり有名ではない人も交えつつ、実在したいろんな人たちを自由に動き回らせるのは楽しい試みだとは思う。 ただ、二番煎じなつもりはないと思うけど、最近こういう時代物名探偵シリーズが流行っているのだろうか。読んでてすぐに「黒牢城」を思い出した。 漫画なら荒唐無稽感が薄れると思うけど、小...

あまり有名ではない人も交えつつ、実在したいろんな人たちを自由に動き回らせるのは楽しい試みだとは思う。 ただ、二番煎じなつもりはないと思うけど、最近こういう時代物名探偵シリーズが流行っているのだろうか。読んでてすぐに「黒牢城」を思い出した。 漫画なら荒唐無稽感が薄れると思うけど、小説だとちょっと彼女(只者でないにせよ)の推理力が、とってつけた感が否めない。彼女のキャラクターにもう少し血が通っていたら違ったかも。

Posted byブクログ

2022/12/17

明治末の芸術家サロン「パンの会」でのミステリー連作集。 事件の登場人物は一部を除いて架空の人物なのに対し、「パンの会」のメンバーは実存の人物なので時代背景がしっかりしているので、歴史好きの自分も本当に会で毎回謎解き談議があったかと思わせられて面白かった。 しかしミステリーそのも...

明治末の芸術家サロン「パンの会」でのミステリー連作集。 事件の登場人物は一部を除いて架空の人物なのに対し、「パンの会」のメンバーは実存の人物なので時代背景がしっかりしているので、歴史好きの自分も本当に会で毎回謎解き談議があったかと思わせられて面白かった。 しかしミステリーそのものは情報が参加者の見分からしか得られないので著者に都合がよいと思います。 また「第一やまと」の女中の正体も伏線がないので、ラストの衝撃はすんなり受け止められませんでした。 運がいいことに、直前に朝井まかてさんの「白光」を読んでいたので、時代背景の理解もでき、第4回の資料の「東陽堂」も納得し、第5回の設定も受け入れられました 。

Posted byブクログ

2022/12/11

耽美派の木下杢太郎が主人公と言うのが興味深い。あの有名な「牧神(パン)の会」に集うメンバーから出される不可解な事件を、皆でああでもないこうでもないと論議し合うが、結局は店の給仕のあやのが解いてしまうという連作ミステリーだ。当時の若い小説家や詩人、歌人、画家たちの雰囲気が上手く描か...

耽美派の木下杢太郎が主人公と言うのが興味深い。あの有名な「牧神(パン)の会」に集うメンバーから出される不可解な事件を、皆でああでもないこうでもないと論議し合うが、結局は店の給仕のあやのが解いてしまうという連作ミステリーだ。当時の若い小説家や詩人、歌人、画家たちの雰囲気が上手く描かれているが、ミステリー自体は無理があるかも。ただ、芸術至上主義的な事件解釈がユニークかな。木下杢太郎自身の煩悶も描かれているが、結局は医者の道に進み懶病の権威になったんだね。

Posted byブクログ