1,800円以上の注文で送料無料

一流の人は、教わり方が違う。 の商品レビュー

3

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/10/15

・上司に教えてもらうってことは、極論、相手の命をもらってるってことなんだぜ 社長や投資家にならない限り、勤め人の宿命は上司と付き合っていかないといけないこと。 そんな上司との関係で1番ギクシャクするのは、教わる時じゃないかと思うんですが、あなたはどうですか? 教わるときは「...

・上司に教えてもらうってことは、極論、相手の命をもらってるってことなんだぜ 社長や投資家にならない限り、勤め人の宿命は上司と付き合っていかないといけないこと。 そんな上司との関係で1番ギクシャクするのは、教わる時じゃないかと思うんですが、あなたはどうですか? 教わるときは「できてない」ことを教わるので、自分が否定されているような気分になるのは当然。上司に対する負の感情は、貶されているわけではないと頭では分かっていても溜まりがちになってしまうもの。 でも、ここで上司の立場に立ってみたらどうでしょう?私はこれが本書のコアコンセプトなのではないかなと思うのです。 上司も自分の仕事がある中、疲れた体に鞭打って、何度言ってもできない部下の仕事にフィードバックをするんです。大体上司って自分より年上なので、長年のデスクワークに腰がやられるわパソコン画面のブルーライトで視力が低下するわ、散々なわけですよ。それでも、こっちの気持ちをなるべく汲んで、教えてくれているわけです。 さらに、上司が教えてくれる知識って、上司が自分と同じように右も左も分からない頃に苦しんで身につけて、色んな失敗に挫けながらも今の地位に着くまで継続して仕事をして身につけた、いわば命の結晶みたいなもの。 そう考えると、上司に対して負の感情を抱くことがいかに恥ずかしく恩知らずなことか、と思えてきます。そしてその恥を感謝の気持ちに変えれば、上司から引き出せる教えの質も自ずと変わってくるでしょう。 本書では、そんな教える側に長年立ってきた中谷さんの視点から、主観客観極論ないまぜになった60の「教えられかたの教え」が詰まった本です。 個人的には、マーケティングとかとも繋がってくる話だと思いました。マーケティングは、市場にいるお客さんの気持ちが分かるから買ってもらうことができる。そんな風に、上司から教えという行動を引き出すには、教える側のことを知るのが1番ということ。 あと、自分が失敗するのが恥ずかしいのは、プロと張り合って彼我の差に気づけてないから(大意)って指摘が刺さりました。とは言え、上司のFBは「自分ならこうするのにな」と能動的に聞けという指摘もあり、ちょっと矛盾も感じました。おそらく、上司と対等だと思い込むのではなく、上司より下だから越えていこうという自己認識に両者の違いがあるのでしょうね。 ・結果に責任を取るな 仕事における覚悟とは、結果に責任を取ることではなく、取らないことであると、中谷氏は語る。 一般常識から鑑みて非常に逆説的だ。でもその心は、結果に責任を取るのは、教えを受けたことを実践するという、結果以前の問題を蔑ろにしているからだということで説得的だ。 上司が目をつぶってバットを振れと言ったなら、その言葉に五体投地して薄目すら開けないことが、教わっているものがすべきことであって、バットにボールが当たるという結果は二の次。 大した実力もないのに、結果に責任を持つなど、教わるという本来の仕事を放置した怠慢でしかないということだ。 責任は結果でなく、教えられていることに素直であるということにもつ。もっと言えば、余計な自我を出さず、教えと一体化しようとすること。これが教えられるものの務めであると学び取ることができた。岡潔的な無我の美意識が、教えられるということにもあるのだろう。

Posted byブクログ