万華鏡 の商品レビュー
本書編集付記に記載があるが、元本は、1929年に鉄塔書院から刊行された由。岩波の小林勇が設立した出版社だったと記憶しているが、漱石からの繋がりがあってのことか。 必ず空いた電車に乗るためにはどうしたら良いか、日常生活におけるちょっとした疑問から科学的考察を進める、寅彦らしい...
本書編集付記に記載があるが、元本は、1929年に鉄塔書院から刊行された由。岩波の小林勇が設立した出版社だったと記憶しているが、漱石からの繋がりがあってのことか。 必ず空いた電車に乗るためにはどうしたら良いか、日常生活におけるちょっとした疑問から科学的考察を進める、寅彦らしい一編「電車の混雑について」と、言語の類似性を比較するために必要な統計式を考察し、現代のビッグデータ解析に先駆けるような「比較言語学における統計的研究法の可能性について」が、特に印象に残った。 また、本文庫の解説は、寅彦随筆の魅力を鮮やかに解き明かしており、大変参考になった。
Posted by
- 1