赤い蝋人形 の商品レビュー
推理編となっているが世間一般のミステリではない。 男女の情念、哀切、被虐・嗜虐。まさに風太郎節。短編7、中編1。 最初の「女死刑囚」から暗く妖しい物語世界に引き込まれる。 「わが愛しの妻よ」のみは、他の短編集で既読だった。
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推理編となっていますが、推理物なんですかね。どういうことかわかりませんでした。いくつか好きな感じの話もありました。それにしても表紙の絵が怖いです。
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なんと表現したら良いのか…オドロオドロしさの中に悲哀と皮肉があって読後感はまったくよろしくない。でもつまらないわけではなく、おもしろかった☆ 時代は昭和20年代の短編集。中でも「誰もわたしを愛さない」が秀逸。戦後、特攻隊生き残りの6人組が、今後妻をもらったらそれを共有しようと思い...
なんと表現したら良いのか…オドロオドロしさの中に悲哀と皮肉があって読後感はまったくよろしくない。でもつまらないわけではなく、おもしろかった☆ 時代は昭和20年代の短編集。中でも「誰もわたしを愛さない」が秀逸。戦後、特攻隊生き残りの6人組が、今後妻をもらったらそれを共有しようと思いつく。そこからして奇妙な話で、その最初の「妻」がある策略で記憶喪失になった話。 とにかくどの話も最後はため息というか…不気味におもしろい。
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真っ赤な装丁が目を惹く本作。山田風太郎は、忍法帖シリーズと、推理ものとで少しテイストが違う。忍法帖がそのエログロの中にも、最後にはきっと読者を満足させてくれるだろうという、物語としての安心感があるのに対し、推理ものは現実をひときわリアルにかつシビアに切り取っており、展開に容赦はな...
真っ赤な装丁が目を惹く本作。山田風太郎は、忍法帖シリーズと、推理ものとで少しテイストが違う。忍法帖がそのエログロの中にも、最後にはきっと読者を満足させてくれるだろうという、物語としての安心感があるのに対し、推理ものは現実をひときわリアルにかつシビアに切り取っており、展開に容赦はない。 本作は、なんだろう、女性であること自体が不幸に思えてくるような作品が多かったな。戦後という時代が時代だけに仕方ないのかもしれない。強姦被害にあった女性に降りかかる不幸を描いた「我が愛しの妻よ」なんかは読んでいてかなり辛かったなあ。 しかし、やはりどの話もおもしろいのだ。特に、表題作「赤い蝋人形」は圧倒的だった。散りばめられた伏線と、推理小説としての丁寧な展開、そして最後に明かされるまさかの事実。バランスの取れた素晴らしいミステリだ。 双子編の黒衣の聖母も読むしかない!
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50年代のミステリーで、時代はちょっと古いけれど人生がギュッと詰まって面白かった。追い詰められた人間が描かれて怖い。
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ミステリとして、50年以上前に書かれたとはとても思えない完成度。 現代じゃ表現的にNGなんだろうけど、とにかくエロとかを超越してる凄みがある。
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