個別最適な学びと協働的な学び の商品レビュー
最近話題になっている個別最適な学びと協働的な学びについて、山形県の天童中部小学校での実践をもとに書かれている。 子どもが授業を進める自学自習、子どもが単元丸ごと学習計画を立てて進めるマイプラン学習、学ぶ内容も方法も自分で決めるフリースタイルプロジェクトという、3つの特色ある取組が...
最近話題になっている個別最適な学びと協働的な学びについて、山形県の天童中部小学校での実践をもとに書かれている。 子どもが授業を進める自学自習、子どもが単元丸ごと学習計画を立てて進めるマイプラン学習、学ぶ内容も方法も自分で決めるフリースタイルプロジェクトという、3つの特色ある取組が紹介されている。 これまではどう教えるか、どんな展開で進めるかなど、「自分が教えるなら…」という視点を当たり前のように持っていた。しかし、子ども主体の学習を行うにあたって、手引きを作ることや環境を整えることなど、教師のやるべきことも大きく変わると感じた。 また、その主体的取組も、全授業の2割ほどという点も、現実的で実践できそうだと感じた。主体的に学習に取り組む態度をはかる指標になる粘り強さと自己調整も、この取り組みを通して見とりやすくなるように思う。 2学期。まずは社会科の学習で自学自習を行い、実践を深めていきたい。 キーワードは理解と「覚悟」! 本書の中に出てくる奈良女附属小の取り組みも気になる。
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マイプラン学習と、フリースタイルプロジェクト。 子どもって、こんなにできるんだ!とわくわくした。 私は幼稚園教諭なので、こういう学校が増えていったら幼児期に育てたことをもっと繋げていけるなぁと思った。 最近「夢みる小学校」という映画を見たけど、それもすごいと思いつつ現状とのギャッ...
マイプラン学習と、フリースタイルプロジェクト。 子どもって、こんなにできるんだ!とわくわくした。 私は幼稚園教諭なので、こういう学校が増えていったら幼児期に育てたことをもっと繋げていけるなぁと思った。 最近「夢みる小学校」という映画を見たけど、それもすごいと思いつつ現状とのギャップが大きくて取り組むハードルが高いと思っていたので、そこの間を埋めてくれる取り組み方を見つけた気がした。
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職員室でおすすめされて読みましたが、私もおすすめしたいです。 読みながら唸りますし、納得しますし、ひらめきます。 他の方々がうまいこと評価と感想をまとめられています。 私はただただ多くの先生におすすめできれば…と思い、投稿させていただきました。賛同が得られたら、学校はもっとおも...
職員室でおすすめされて読みましたが、私もおすすめしたいです。 読みながら唸りますし、納得しますし、ひらめきます。 他の方々がうまいこと評価と感想をまとめられています。 私はただただ多くの先生におすすめできれば…と思い、投稿させていただきました。賛同が得られたら、学校はもっとおもしろくなる気がしてます。
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現在叫ばれている「令和の日本型学校教育」の構築を目指してについて、山形県天童市天童中部小学校を舞台にわかりやすく解説した本です。 個別最適化な学びと協働的な学びの実践を具体的に述べており、これからの教育の指針となる一冊とも言えます。 【印象に残っている箇所】 ①マイプラン学習 マイプラン学習とは、一般に「単元内自由進路学習」と呼ばれる学習方法で、一単元分の学習時間を丸ごと子ども一人一人に委ね、各自が自分に最適だと考える学習計画を立案し、自らの判断と責任で自由に学んでいくスタイルである。 ②ジョン・キャロルの提起(P 137) キャロルは、誰でも十分な時間さえかければ、どのような学習課題でも達成することができると考える。 キャロル流で考えれば、話し合いで活躍できる子どもとできない子どもの違いは優秀さではなく、それぞれの学びのペース、必要とする学習時間に他ならない。 しかも、従来の学習スタイルではタイムリミットをどこに設定するかは教師次第で、そもそも何を持って速い、遅いが決まっているのかさえきわめて恣意的であり、そこにどれほどの合理性なり妥当性があるのか、実にあやしいのである。 ③自立的な学びを進める子どもを目の前にして(教師の存在意義)P245 教師の都合とタイミングで教える授業から、子どもたちの都合とタイミングで学ぶ学習への転換である。今学校学習は、教師による情報の伝達を基本的な作業とするあり方から、子どもたちによる意味の創出を中心的な主題とするあり方へと大きく姿を変えようとしている。 そこで問われるのが教師の存在意義である。 まずは新たに主要な教育方法となった学習環境整備や、これまで以上にその重要性が高まってくる子どもの見取り、そしてタイミングよく行われる個別的な支援は、教師がなすべき大切な仕事の数々である。 *さらに詳しく教師に求められる専門性については、最終章に書かれてある。 ④国語のおける「内言領域」(P252) 子どもがすらすらと話すことができることは、実は内言領域において既にある程度整理され筋道立てられている内容である。こうした内言は外言化されていなくても、既に子どもが形式知的に捉えている内容であるため、これを発話という形を取っても外言化しても、単に内言領域に形成された原稿を読むような状態であるため、内言領域を豊かにするために十分なものであるとは言い難い。 内言化が不十分な時の子どももからまず話されることは、整理されたり筋道立てたりしていないためにスムーズでなく、言い淀んだり、言い直したり、あるいは途中で沈黙したりする場合が多い。こうした内容について、問い返しなどの言語化できるような働きかけをしていくことが必要である。 このように感覚や感情のレベルで捉えていたことが言語化されたり、分散的・直感的だった思考が文脈をもつ思考として紡がれたりしていく過程において、内言領域が豊かになるのではないかと考える。 ⑤今後に求められる教師の専門性 P 286 その第一は、いわゆる教科等の本質、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を的確に押さえることである。 第二は、教科教育と生活教育の間に質の高い「知の総合化」を実現することである。教科教育とは文化遺産を基盤とした科学・学問・芸術の教育(教科)である。それは家庭や地域ではなし得ない教育であり、近代学校は教科教育を行うために成立・発展してきた。しかし、それだけでは子どもの十全は学び育たない。 教科で学んだことを膨大な事実的知識と多様な方法論、そして民主的な話し合いによってこれを吟味し、より納得のいくあり方を求めて不断に更新し続けていく学びの領域、いわゆる生活教育がさらに必要である。 この二つの学びの領域を充実させるとともに、両者の間に質の高い「知の総合化」を図ることが肝要であり、学習指導要領が強く求めていることである。 第三は、丁寧な見取りに基づく深い子ども理解と、その子どもの今に即した的確な支援の実施である。子どもたちの知識や思考、感情状態を正確かつ多面的に把握し、単元構成や教材開発、授業過程のデザインに生かすことが重要である。
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あー、なるほど、、、って思った。 いかに子どもたちが自分を、自分たちをつくるか… 「教師が頑張る」から「子どもが頑張る」という 主語の転換。 本当にいかに子どもを自分と同じ一人の人間としてとらえ、 その人間の力を信じ、手放せるか。 その資質が教師にあるか、それを伸ばそうとしているか。 社会の授業をしていて これで子どもに疑問を調べて解決する力はついたのだろうかとよく思う。 学習問題をみんなで立てて同一の方法でみんなで調べて ひとまず学習問題は解決する。 iPadで調べるときもあれば教科書、ゲストティーチャーの話から調べることもある。 でも今の自分の授業は調べるものを子どもに与えている。 それで本当に力がつくのか、と疑問に思っていた。 そう思うとやはりマイプラン学習の良さは 何事も自分からできる点だと思う。 自分からしたことが身につく、力になる というのは教育における原則だと思う。 読んで、すごい!で終わるのではなく 自分の行動を変えたい。
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①子どもはもともと有能な学び手であるという教育観 子どもに足りていない、教師に足りていない視点として、学ぶ力をつけるということに気づきました。いくつかの学習方法も書かれていて勉強になります。 ②子どもに委ねるために必要なのは覚悟と理解 覚悟 子どもに任せると決めたら腹を括り、子どもの学びの文脈に任せる覚悟がないとできない。 理解 学習内容の十分な理解、学習者への十分な理解 特に理解が大切にだと思いました。学習内容と学習者を十分に理解しておくことが、どんな道筋で学ぶことができそうか、どこにつながるか、どんな広がり方をしてもいいのか、それが教師が理解しておかなければ、子どもに安易に委ねてはいけないと思いました。また、子どもスタートで教材を見る。という視点も大切にしたいと思います。 ③個人研究、自学自習 自分もやってみたことがある。というよりも学校でこれまで取り組んでいたので、流れでやったという面もありますが、実際に指導したのでイメージがわきやすかったです。調べる学習という単元で、図書館の活用やタブレット、インタビューなど個人で何をすればいいか判断して学んだ時間でした。それぞれの興味関心からスタートするこの学習方法を深めていきたいと思いました。 自学自習、子どもたちがする授業として紹介されていました。学級会との往還?でどんどん上達していくのではないかと思いました。 子どもが進めていく中で、教師の役割は何になるのかが重要だと思いました。学ぶ環境つくり、深める発問、助言、雰囲気作りなどが今は思い浮かびます。これから、実践するとともに、教師としての役割も考えます。 追加で、最近聞いたお話で子どもがすることで子どもが何を学んでるかを考えることが重要であることを聞きました。 どう学んでいるのか、学び方が身についているのかどんな見方、考え方なのか
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学校で学ぶとは。を改めて問い直す機会になった。 「子どもは本来、自分に引きつけて、つまりインフォーマルな知識や経験を総動員して教材と対決しようとしています。(中略)教師には、今その子はどんな角度なり筋道で対象に迫ろうとしているのか、丁寧に見取り、ほかでもないその角度なり筋道から...
学校で学ぶとは。を改めて問い直す機会になった。 「子どもは本来、自分に引きつけて、つまりインフォーマルな知識や経験を総動員して教材と対決しようとしています。(中略)教師には、今その子はどんな角度なり筋道で対象に迫ろうとしているのか、丁寧に見取り、ほかでもないその角度なり筋道から見た場合に必要となる支援を構想し、実施することが望まれます。」 働き方改革が叫ばれる中、効率化や削減の必要性を感じている。ただ、やることが沢山ある中で、学びに向かう子どもを見るということだけは、削減、効率化してはいけない。子どもが学んでいるときに、先生は別の作業をしていないか。自分の胸に手を当てて聞いてみる。ここに書かれている方法を、形だけ受け取らないようにしたい。そこには、天童中部小の先生方が言われている「理解」と「覚悟」が必要になり、生半可な気持ちでは実践できない。正直、今の学校環境や自分のライフスタイルの中で、実際に実現可能なのかと考えてしまうところもある。 僕は「個の学び」を大切にしていきたい。その想いは、確かなものである。そのために、立ち止まることなく、目の前の子どもたちと「学び」を一緒に創っていきたいと思えた。
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久しぶりに、教育について考えさせられた。 働き方改革〜と言われるが、あらためて我々はこの仕事を楽しんでいるのだろうか? 1人の人間の成長に携わる中で、どうすればより良く子供たちが育つのか、考えているだろうか? 確かに防大な量の事務作業をこなさなければならないが、それを差し置いても...
久しぶりに、教育について考えさせられた。 働き方改革〜と言われるが、あらためて我々はこの仕事を楽しんでいるのだろうか? 1人の人間の成長に携わる中で、どうすればより良く子供たちが育つのか、考えているだろうか? 確かに防大な量の事務作業をこなさなければならないが、それを差し置いても、日常のふとした瞬間に感じる子供の変化に立ち会える喜びを感じることで、この仕事の喜びを噛み締め、楽しいと心から思えないかと感じた。 この本には主に小学校の事が書かれている。 このような育ちで中学校へ入学した時、中学校はどう受け入れ、取り組むか考えなければならないと思った。
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「学び方の得意」と「学ぶ領域の得意」という視点が明確になった。自分が今まで前者に傾きすぎていたことに気づく。後者を公立小の教育の中でどのように実現していくか。本書の中の事例がヒントをくれるが,そのままもってくるのではなく,子どもたちと共につくっていくという意識が必要だ。子どもたちをみることは表面だけではなく,P295の佐藤先生の「その子の視線の先に何が映っているのかを見ることが大切だし,教科の授業を創る時の基本なんじゃないかって思うんですね。」という言葉にもあるようにまずは目の前の子どもたちと向き合うことから始めたい。
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