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実践 埋蔵文化財と考古学 の商品レビュー

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2022/12/13

考古学の世界はどうなっているのか。その実態に迫ったのが今回の本だ。 昔、発掘調査した遺跡をもう一回掘るとはなにかと思った。 最先端の考古学研究・発掘調査技術・自然科学分析などを活用することで、以前では分からなかったことが分かる。 長崎県佐世保市の福井洞窟を例...

考古学の世界はどうなっているのか。その実態に迫ったのが今回の本だ。 昔、発掘調査した遺跡をもう一回掘るとはなにかと思った。 最先端の考古学研究・発掘調査技術・自然科学分析などを活用することで、以前では分からなかったことが分かる。 長崎県佐世保市の福井洞窟を例に上げている。1960年、1963年、1964年の3回、日本考古学協会は発掘調査を行った。 この調査によって、隆起線文土器には放射性炭素年代測定によって約12600年前のものと判明した。当時としては世界最古級の年代だとして世界的に注目されるなどの成果を上げた。 その後、佐世保市は、福井洞窟をまちづくりに活かそうとして、2012年に約60年ぶりとなる再発掘調査を行った。 約14600年前の層では、炉跡や石器の制作跡が見つかった。他にも当時の寒冷だった環境も復元された。 2021年にはガイダンス施設「福井洞窟ミュージアム」が完成した。 ガイダンス施設の意義について著者は言及している。 一番良いのは、遺跡の近くにあり、遺跡を見ながら遺跡のない要素把握することがガイダンス施設に求められる最大の条件と述べている。 発掘しても広く知ってもらう機会がないとどうして基調で保存する必要があるのか一般市民には伝わらないからなあ。 考古学を巡る問題も取り上げているが、このところ遺物実測経験の少ない埋蔵文化財専門職員が増えていることも取り上げている。 大学での発掘調査の減少、考古学関連作業のデジタル化などが要因だ。 実際に遺物測定をして、観察力があるかどうか不安になるので、知識と技術をもとにした観察力を身につけたり、 レベルアップする環境を整える必要があると指摘している。 普段知ることのない考古学の実態に迫れてよかった。

Posted byブクログ

2022/01/27

第1章 遺跡をもう一度掘る、考え直す 遺跡をもう一度発掘調査する意義 発掘調査成果を考え直す意義 第2章 さまざまな目的の発掘調査 文化財建造物の修理と発掘調査 復元整備に欠かせない発掘調査 大学がおこなう多様な発掘調査 宮内庁書陵部陵墓課(陵墓調査室)と発掘調査 第3章 発掘調...

第1章 遺跡をもう一度掘る、考え直す 遺跡をもう一度発掘調査する意義 発掘調査成果を考え直す意義 第2章 さまざまな目的の発掘調査 文化財建造物の修理と発掘調査 復元整備に欠かせない発掘調査 大学がおこなう多様な発掘調査 宮内庁書陵部陵墓課(陵墓調査室)と発掘調査 第3章 発掘調査を違う視点から考える 発掘調査から得られるさまざまな情報 発掘調査は遺跡破壊か?遺跡保存か? 補助金の考え方 第4章 埋蔵文化財と考古学の関係性再考 自然科学(理化学)分析の意義と是非 発掘調査成果を伝える方法 日本の世界文化迫産と発掘調査 遺物の情報を読み取る 埋蔵文化財保護行政と大学考古学研究の関係性再考

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