「経済学」にだまされるな! の商品レビュー
新自由主義の経済学は、巨大なウソの体系だ。現在「主流派」の経済学者が“常識”とする思想を、フランスの「怒れる経済学者」が徹底検証する書籍。 経済学は、客観的事実を実験と分析で立証する“科学”ではない。同じ状況を分析しても、立場や関心によって解釈の違いが生じる。 経済には、いく...
新自由主義の経済学は、巨大なウソの体系だ。現在「主流派」の経済学者が“常識”とする思想を、フランスの「怒れる経済学者」が徹底検証する書籍。 経済学は、客観的事実を実験と分析で立証する“科学”ではない。同じ状況を分析しても、立場や関心によって解釈の違いが生じる。 経済には、いくつもの選択肢や未来がありうる。従って、政治家が「他に選択肢はない」と言い、絶対的真実として示す事柄でも再検討し、代案を要求すべきだ。そして「それが誰に利益をもたらすか?」を絶えず自問しなければならない。 新自由主義の経済学者らは、「労働市場を柔軟にした国は繁栄を維持している」と主張する。 だが現実には、大企業が利益を増やす一方、失業は減らず、貧困層の境遇は改善されていない。労働市場の柔軟性と失業の程度との間につながりはない。 政治家は、公的債務の脅威を緊縮政策の根拠として強調する。 しかし、資産を考慮に入れず、債務だけを問題にするのは愚かである。また、国の債務を家計の借金にたとえるのは馬鹿げている。人は死ぬが、国は死なないからだ。 地球温暖化への効果的な取り組みは、再生可能エネルギーの開発など、国による意欲的な介入政策だ。だが、助成金など、活動を促すだけの措置にとどまっている。それは温暖化対策に正面から取り組むと、大企業や銀行の利益を損なうからだ。 成功者の伝記などは、成功の原因を起業家精神など、個人の資質だとする。 しかし、実際には、個人の成功は、国の政策や制度などに左右される。公的な研究と投資―起業家たちが嫌悪する税金で、彼らの繁栄は支えられているのである。
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経済学自体、例えば数学や物理など他の学問と比べると、定義や定理、公式などが曖昧なので、ある意味宗教に近い。なので、1つの事実に対しても真逆の意見が出てくるのが、経済学で、普段から一歩引いて見てるので、本書の内容で目新しいものは正直なかった。 フランスの本なので、フランス及び欧州の...
経済学自体、例えば数学や物理など他の学問と比べると、定義や定理、公式などが曖昧なので、ある意味宗教に近い。なので、1つの事実に対しても真逆の意見が出てくるのが、経済学で、普段から一歩引いて見てるので、本書の内容で目新しいものは正直なかった。 フランスの本なので、フランス及び欧州の話題が中心だが、国の莫大な借金を煽る、社会保障費を削減するなど、共通点もあり、どこも同じなんだなぁと。
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TRAITE D'ECONOMIE HERETIQUE: EN FINIR AVEC LE DISCOURS DOMINANT https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818862021.html
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作者はフランス人なので、内容は欧州に偏っているのは致し方ない。 あと、常識を疑えって本なので、批判ばかりではある。 それを差し引いてもまぁまぁ面白かった。 公的支出を減らしても公的債務は減らない、あたりはなかなかなご指摘。
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自由主義を100%信じない、フランスは債務ではなく資産が多いなど楽観的、悲観的双方の理論がわかります。
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Amazonの著者紹介に「怒れる経済学者」とあるのですが、その言葉どおり、全編を通じて怒っています。その怒りは弱者を切り捨てる体制や、経済格差を生む仕組みに向けられています。さまざまな観点から経済学を考えるにはうってつけの1冊です。
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