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絡まり合う生命 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2023/12/02

著者の奥野さんは伊藤さんとの共著「人類学者と言語学者が森に入って考えたこと」を読んで知ったので、別の著作も読んでみようと思い呼んだ。  この本はあとがきにあるようにいろんなところで発表した文章をひとまとめにした本のようで、いろいろと重複が多い。また誰がどういっているというような記...

著者の奥野さんは伊藤さんとの共著「人類学者と言語学者が森に入って考えたこと」を読んで知ったので、別の著作も読んでみようと思い呼んだ。  この本はあとがきにあるようにいろんなところで発表した文章をひとまとめにした本のようで、いろいろと重複が多い。また誰がどういっているというような記述が頻出してきて著者も十分消化しきれていないようで、あるいは探求の過程がそのまま書かれているようで、面白くもあったが、よみにくくもあった。  マルチスピーシズ人類学やアニミズムなどがとりあげられ、人類学が人間中心では到達できない地平に人類から離れた俯瞰する視座を設定する。そうすると人そのものも決して確固たる基盤があるわけではなく、ほかの生物や物質とのやり取りの中でのダイナミズムの中でとらえようとしてる。  私は海洋生態学に長年かかわってきたので、生命や地球の活動が決して人間中心でないことは自明であるのだが、人類学はあくまで人類を中心に据えて発展してきたのだから、ようやく脱人間化できてきたのかというところである。 レヴィストロースが野生の思考で脱西洋に到達したことと比べようやく脱人間まできたという感じだ。  この本は人類は今後どのように世界とかかわっていくべきかについて深い問いを投げかけてくれる。

Posted byブクログ

2023/07/30

「マルチスピーシーズ民族誌」の考え方について、小説やコミックス、岩合光昭さんの猫あるきなどといった日常親しんでいる文学・芸術作品を入り口に解説。内容は難しいのだがある程度すんなりと読み進むことができる。  印象深かったのは「ぬいぐるみとの対話」を扱った項。 ヒトと人ではないものと...

「マルチスピーシーズ民族誌」の考え方について、小説やコミックス、岩合光昭さんの猫あるきなどといった日常親しんでいる文学・芸術作品を入り口に解説。内容は難しいのだがある程度すんなりと読み進むことができる。  印象深かったのは「ぬいぐるみとの対話」を扱った項。 ヒトと人ではないものとの交流や交感のような感覚がなぜ起きるのか、あまり深く考えたことは無かった。 また、写真を撮ることと、狩りで動物をしとめることを同様の行動として見つめたことも無かった。 私にとって新しい視点が数多くあり、とても魅力的な本だと思った。 オーケストラを構成するそれぞれの楽器、各パートについて詳しく解説してもらいながら曲を聴くような、面白い感覚というか独特の波を感じるような文章も面白い。

Posted byブクログ

2023/05/03

自分は不器用なんで 笑 今は人類学とタイトルに入っていれば 読んでみてるっす。 この本はきっと、今ブイブイきている 著者の近著なんでしょう。あっちこっちに 依頼されて書いた文章を 再構成したようです。 だから、読んでいて 関心の的に近い 食いつきのいい章もあれば、 難解すぎて...

自分は不器用なんで 笑 今は人類学とタイトルに入っていれば 読んでみてるっす。 この本はきっと、今ブイブイきている 著者の近著なんでしょう。あっちこっちに 依頼されて書いた文章を 再構成したようです。 だから、読んでいて 関心の的に近い 食いつきのいい章もあれば、 難解すぎて読み飛ばすしかない章も あり、総じて理解した気になれない 本でした。 でも、いくつか読んでよかったと思える 部分があって、自分の関心と混ぜて書き留めておくと。 (以下、もしかするとネタバレです) インドで狂犬病での死亡者が 激増している話なんです。 インドの男性にすごく被害者が 多くて、政府はおそらく対策として、野犬狩りを 強化すると予想されますが、 実は野犬が増えた理由は、 インドで大切な動物である牛さんを長生きさせるために 処方する鎮痛剤がおおもとにあって、 牛の墓場である河原において従来なら ハゲタカが100羽くらい死体を食べて わずか数時間で肉を食べ尽くしていたのですが、 牛さんに処方された鎮痛剤が生物濃縮して ハゲタカが9割減った、そのせいで 野犬が餌にありつけるようになったというのです。 意外すぎる原因で、ハッとしました。 野犬狩りしても、根本的な解決にならない。 人間が知識を用いて環境(牛さん)に働きかけた行為が、 人間に果実をもたらすが、巡り巡って 害をなすということがよくわかりました。

Posted byブクログ

2022/07/01

絡み合う生命 奥野克巳 AKISHOBO 人間を超えた人類学だという つまりアニミズムが示す魂を見つめた話? 人類学者だけでは無いが有名になる多くの学者がことの内容を端的に伝えることよりも背伸びした言葉遊びを誇らしげに楽しんでいるように見える 成長期を過ぎての迷いが外目線へと向...

絡み合う生命 奥野克巳 AKISHOBO 人間を超えた人類学だという つまりアニミズムが示す魂を見つめた話? 人類学者だけでは無いが有名になる多くの学者がことの内容を端的に伝えることよりも背伸びした言葉遊びを誇らしげに楽しんでいるように見える 成長期を過ぎての迷いが外目線へと向かわせて淀んでいるようにも思える この本は自分の研究を語る上で 取り上げる人類学の解説本でもある アニミズムを人間とそれ以外にわけ あらゆるこの世の存在が 身体と内なる魂からなるモノとして捉え さまざまに分析している ヒューマニズムの人間主義を超えた 自然の一部としての人間を見つめる マルチスピーシーズ人類学と言うジャンル そもそも時代の流れに取り残され 昔の感覚を持ち続けている人達を 研究対象とした結果を現代に持ち帰り 旅人はその交流の中で 何を得ようとしているのか? そこに嘘はないのか?

Posted byブクログ