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日曜日/蜻蛉 の商品レビュー

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2024/01/31

子どもの頃の出来事を思い出す。 トカゲに向かって石を投げた場面で。 まさか命中するなんて思わなかった。

Posted byブクログ

2022/07/02

志賀直哉著『日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集』(中公文庫) 2021.12.25初版発行  本書は『日曜日』(1948年5月、小学館刊)、『蜻蛉』(1948年3月、スバル出版社刊)を底本とし、合本したものである。重複する収録作品は『蜻蛉』から除いて掲載されている。  きち...

志賀直哉著『日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集』(中公文庫) 2021.12.25初版発行  本書は『日曜日』(1948年5月、小学館刊)、『蜻蛉』(1948年3月、スバル出版社刊)を底本とし、合本したものである。重複する収録作品は『蜻蛉』から除いて掲載されている。  きちんと調べたわけではないが、一冊の文庫本で「清兵衛とひょうたん」「城の崎にて」「小僧の神様」の読めるものは、現状、中公文庫のこれしかない。全集でしか読めないような作品も収録されている。  志賀直哉の作品は裾野が広く、父子の不和を題材にしたいわゆる「和解三部作」から、浮気を題材にしたいわゆる「山科もの」まであるが、生きものや子どもの登場する作品も少なくない。  夏目漱石が志賀直哉を評して「俺も書けない」と言った話は有名だが、およそ小説を書こうと思って書いたように見えないところが志賀直哉の凄さなのだろう。「小説の神様」というフレーズが独り歩きしてしまい、敷居が高く感じられる志賀直哉だが、その単純な文章は子どもでもとっつきやすいように思われる。まず事物に対する徹底的な観察があり、そこから心境小説へ飛翔していく手腕は見事なものである。子どもの眼差しを持った稀有な作家であろう。 【目次】 日曜日  子どもの読者に  日曜日  清兵衛とひょうたん  ある朝  菜の花と小娘  クマ  ジイドと水戸黄門  池の縁  子供三題  犬  鬼  出来事  小僧の神様  雪の遠足  台風  母の死と新しい母 蜻蛉  序  蜻蛉  家守  城の崎にて  濠端の住まい  百舌  馬と木賊  虫と鳥  兎  玄人素人 巻末エッセイ 先生と生きもの 網野菊 解説 阿部公彦 初出一覧

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2022/04/19

サブタイトル通り、生きものと子どもを題材にした作品集。「菜の花と小娘」のような、童話のようなのに、それにしてはやや意地の悪い、でも、可愛らしい、といったショートストーリーや、自分の家の犬や虫たちについてあれこれ綴った雑記のようなものまで。志賀直哉は生きもの好きだったらしいが、いわ...

サブタイトル通り、生きものと子どもを題材にした作品集。「菜の花と小娘」のような、童話のようなのに、それにしてはやや意地の悪い、でも、可愛らしい、といったショートストーリーや、自分の家の犬や虫たちについてあれこれ綴った雑記のようなものまで。志賀直哉は生きもの好きだったらしいが、いわゆる愛玩ではなく、観察対象だったのだろう。自分の飼い犬にその扱い⁈というようなエピソードも多いが、そこは現代のような動物愛護の精神が醸成されていない当時、みんなこんなものだったのかもしれない。 個人的には虫の描写はこわごわ読んだが、全編通して楽しめた。

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2022/03/08

 狭い世界でのことかもしれないが、この数年、中公文庫の文芸系文庫の編集が面白いと言われている。  小説+関連する作家論とか、特定の括りで一作家の作品を纏めるとか、ちょっと違った切り口のアンソロジーを出すとか。  志賀直哉と言えば、"小説の神様"。とは言え、実...

 狭い世界でのことかもしれないが、この数年、中公文庫の文芸系文庫の編集が面白いと言われている。  小説+関連する作家論とか、特定の括りで一作家の作品を纏めるとか、ちょっと違った切り口のアンソロジーを出すとか。  志賀直哉と言えば、"小説の神様"。とは言え、実際今どのくらい読まれているのだろうか。自分にしても、主要な短編を高校時代に、『暗夜行路』を大学時代に読んで、ほぼそれっきり。  今回、生きものと子どもの小品集として、戦後間もなくに刊行された『日曜日』と『蜻蛉』に収められた短編を一冊にまとめて収録した。  「清兵衛とひょうたん」、「小僧の神様」、「城の崎にて」といった有名なものも収められているが、初めて読むものも多かった。  1ページ目から順に読んでいったのだが、志賀直哉の文章はこんなに読みやすかったかな、と思い思いしながら、読み進めていく。印象に残ったのは、飼い犬がいなくなり心配しながら探す一所懸命さを描いた「クマ」や「犬」、母の死を淡々と描き、悲しむでもなく新しい母を迎える「母の死と新しい母」。  ところが、『蜻蛉』になると、生きもの、動物に関する作品たちなのだが、『日曜日』収録作の表現とは雰囲気がだいぶ違って感じられる。家に入り込んだ家守を二度と入らないように、杉箸を使って殺してしまう「家守」。偶然投げた石が当たっていもりが死んでしまう「城の崎にて」、鶏を襲ったため殺されることになった野良猫のことを思う「濠端の住まい」など。  今は、ペットを除けば、住んでいる周辺に生きものを見ることは少なくなったため、生き物を殺したり、殺すところを見たりすることはほとんどない。しかし、これらの作品が書かれた当時は、生きものは生活にもっと近く、その生も死も直接的だったのだろう。  それにしても、志賀直哉家では、実にさまざまな生き物を飼っていたのだなあ。

Posted byブクログ

2021/12/21

志賀直哉は生きものや子どもを好んで書き、普遍的な名品を多く生んだ。これらの作品を集めた短篇集『日曜日』『蜻蛉』を合本とし二十四篇を収録。〈解説〉阿部公彦

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