仁王の本願 の商品レビュー
一向一揆は、どうしても織田信長の小説の挿話としてしか知らなかったので、新鮮で面白かった。宗教といっても、かくも人間くさいものか。
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読み応えのある1冊でした。読みながらも、読み終わってからも深く考えてしまいました。 一向宗の知識が無く、読んでいけるかと不安でしたが、半分くらいから、グイグイひきつけられました。 民による民の政は、理想的ではありますが、様々な人や色々な思惑の中で成し遂げるのは、全員が玄任になる・・つまり政に私を持ち込まない・・それはそれで理想のような気がします。 玄任が正しいとも七里が間違いだとも思えない読後でした。
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愚直な武将を描くことが多い印象の作者さんですが、この作品の主人公である本願寺一向一揆の坊官、仁王こと杉浦玄任も、まぁこれ一途なこと一途なこと。私を捨て、愚直に加賀の一向衆徒の民の世を守ろうとするものの、内部からも外部からも敵がわらわら湧いてきて、というわけですが、ただでさえわかり...
愚直な武将を描くことが多い印象の作者さんですが、この作品の主人公である本願寺一向一揆の坊官、仁王こと杉浦玄任も、まぁこれ一途なこと一途なこと。私を捨て、愚直に加賀の一向衆徒の民の世を守ろうとするものの、内部からも外部からも敵がわらわら湧いてきて、というわけですが、ただでさえわかりづらい一向一揆の人間関係など、前半ちょっとごちゃつきますが、面子が固定化されてくる後半はキャラ立ちもして、物語の動きも調子に乗ってきます。物語としての仕掛けも面白く、久しぶりの戦国もの、楽しめました。
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玄任の言う「民の国」、現在の日本は正にそうだろう。民意によって選ばれた議員たち、それらによって選ばれた総理や党首たち。 全てが思い通りになるとは思わない。意見を出し合い、折り合いをつけながら、前へ進めていく。民の気持ちを尊重した政治を行っていってほしいものである。
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