神社とは何か の商品レビュー
日本の土着の宗教の祭祀の場所である神社は、実は多様であり説明が難しい。筆者は歴史や考古学ではたどり着きえない推論を、民俗学的な考察によって示そうとする立場の学者である。日本の神社を概論的に知るにはいい。
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民俗学の研究者である著者が、これまでの神社にかんする研究の成果をまとめつつ、「神社とは何か」という問題について考察を展開している本です。 著者は、歴史学や考古学にくわえて、民俗学(民族伝承学)の方法を駆使して、文献史料や遺物史料にものこされていない、もっとも古い神社のありかたに...
民俗学の研究者である著者が、これまでの神社にかんする研究の成果をまとめつつ、「神社とは何か」という問題について考察を展開している本です。 著者は、歴史学や考古学にくわえて、民俗学(民族伝承学)の方法を駆使して、文献史料や遺物史料にものこされていない、もっとも古い神社のありかたについて検討し、さらに現代にいたるまで神社の歴史が多様な変遷の過程について説明しています。 民俗学を主要なフィールドとする著者は、「神社とは何か」という問いに対して、「自然界の生命力を神として信仰し迎え祀る場」という、やや本質主義的な回答を示しています。こうした考えは、前著『神道入門』(2018年、ちくま新書)でも語られていましたが、国家神道に対する厳しい批判をおこないながらも、一国民俗学という枠組みを構築することになった民俗学の創始者である柳田國男の見解がはらんでいた問題まで引き継いでしまっているようにも思えます。 しかし、本書の議論をみちびいているのは、そうした神社の本質を追求しようとする求心的な動機ではありません。むしろ、これまでの著者の神社にかんする研究の諸成果を概観することで、かえって神社の歴史がもつ多様性を明らかにするものになっています。こうした結果は、著者自身の意図したものであるのかどうかわからないのですが、個人的にはそうした観点から本書のさまざまな神社の歴史を興味深く学ぶことができたように思います。
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はじめに 第一章 神社と宮と社 第二章 沖ノ島と三輪山の磐座祭祀 第三章 伊勢神宮と出雲大社 第四章 磐座祭祀の伝承 第五章 禁足地祭祀の伝承 第六章 神社と本殿建築の変遷 第七章 山の世界と熊野三山 第八章 厳島神社とその歴史 第九章 原初を伝える社の神 第一〇章 神社と鳥居 ...
はじめに 第一章 神社と宮と社 第二章 沖ノ島と三輪山の磐座祭祀 第三章 伊勢神宮と出雲大社 第四章 磐座祭祀の伝承 第五章 禁足地祭祀の伝承 第六章 神社と本殿建築の変遷 第七章 山の世界と熊野三山 第八章 厳島神社とその歴史 第九章 原初を伝える社の神 第一〇章 神社と鳥居 おわりに 神社とは何か 参考文献
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