ほんとうのランニング の商品レビュー
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本書のオリジナル初版は1976年。そして日本版の初版は2021年。この差にはどういう理由があるのだろう。 内容は、ランニングは単なる身体の鍛錬ではなく、その中に様々な精神的充足のための手段が含まれている、というものだ。確かに1976年(ちなみにこの年は、あのコマネチが活躍したモントリオール・オリンピックが開催された。マラソンの金メダルは東ドイツのチェルピンスキー)の事情を考えると、原書にはマラソンを嗜む人口が爆発的に増えたと記されているけれど、まだ日本では「ジョギング」という言葉すら無かったような気がする。少なくともこの本を受容する条件はなかっただろう。 そして2021年であれば、確かにそれだけの土壌は育ってきたのだろう。アラカンランナーのそのまた端くれという立場でも、本書の言わんとすることは理解できるし、また納得できる部分もある。原書が初版以来数回も改訂を伴いながら版を重ねている理由もさもありなんと思われる。 この本を手に取る最大のきっかけは、ニシクボサユリさんのイラストになる装丁がとても魅力的だったことに尽きる。彼女のシンプルで飾らないタッチはとても穏やかに(大袈裟に言えば)心を整えてくれるような気がする(さすが元看護師!)ので。 正直なところ翻訳が酷いので、半ば以降は飛ばし読みになってしまった。翻訳者の近藤隆文さんは、やはりランニング関連の名著『BORN TO RUN 走るために生まれた』の翻訳も手がけておられるけれど、その時は何も違和感を感じずにスムーズに読めた。それなのに今回は???星が少ないのはそのせいです。何だかとても残念な気がした。
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走り方の哲学、心、やり方の指南書。 それも最近書かれたものではなく、1980年代以前、もっと古い1940年なども出てくるが、全く古さを感じさせない栄養学やトレーニング方は凄いなと思う。
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もっと噛み砕いた翻訳なら、楽しんで読めたかも知れない、私は走ることが大好きだから。とにかく読みにくい、せめてイラスト入りだったりすればなー。
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マイクスピーノ氏のランニングのコンセプト本。走りを愛する人の本なので、全肯定ではあるけど、ただ同じ距離を毎日走ってるのは違うと。ニューヨーカーたちが、まさにそういう自分でありたいと願うその像を否定する筆者は相当なところまで到達したんだろうけれど。 セラフィコーチの話がおもしろい。選手が練習しているそばで自分も走り、ヘトヘトになるまで走って疲れたセラフィが、君は今日私より早く走れるかもしれないが、これほど懸命には走れまいと伝えて、選手が最高の状態に精神的に仕上がるという。 まさに日本人には理解されている、精神と肉体の分離と一体。この東洋思想に根ざした本だけにアメリカでは面白いのだろう。 最後は、ランニングが解脱、ある種の無の状態に近づくということ。スピリチャルの関係者かな、、、と思ったらそうでもないらしく、瞑想とランニングが近いものをもたらすということに気がついたそうだ。 ほんとうのランニングとは、結局、筆者がアートフォーム、と言い切るように、そこには何らかのアートが介在していて、ただ走るという行為は、おそらくそういうレベルまで昇華したんだと。 振り返ってみると、やっぱりランは気持ちがいい。ジョギングでもいいし、どっちがどうということもない。ただ、ジョギングで得られるものも多いし、頭の中がスッキリする。思考が整う効果は絶対にあると個人的にもおもわせてくれる。
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「第5章 ランニングの精神性について」が肝。 今でいう、ゾーンについて語っている。 なお、訳が読みにくいと思ったら、『Born to Run』や『ナチュラル・ボーン・ヒーローズ』と同じ翻訳者だった。しかたない。
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