光まで5分 の商品レビュー
桜木ワールドの作品である。裏の世界、落ちぶれた人間の世界を描く作家と言ったら、桜木氏という感じの作品だ。どんな世界にも、そしてどんな人にも、その人なりの救いはある。
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流される。流れる。 繋がりとは。 ここは竜宮城?光は遠いの? 光って何? 世界が変わって見える桜木ワールド。 おもしろい。
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桜木紫乃さんの小説には、いつも影がないように感じる。影がないということは光がないということ。光まで5分、私には果てしなく遠く感じました。 桜木紫乃さんは北海道を舞台にした小説が多いけど、今回は沖縄が舞台。いつもと少し違うかな?と思って読み進めていた、やっぱり桜木紫乃さんでした。桜...
桜木紫乃さんの小説には、いつも影がないように感じる。影がないということは光がないということ。光まで5分、私には果てしなく遠く感じました。 桜木紫乃さんは北海道を舞台にした小説が多いけど、今回は沖縄が舞台。いつもと少し違うかな?と思って読み進めていた、やっぱり桜木紫乃さんでした。桜木紫乃さんの小説を読んで頭の中で想像する映像は、全体に影がかかっている感じ。見えない影を描いている。
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流されて竜宮城。 ツキヨがいるのは、幸せや希望の光が届かない海の底。 「どんつき」まで来てしまった人は暴力とお金の支配に無抵抗。 共感や救いなんて、初めから終わりまで一切ない。 それでも、玉手箱の煙を吸えば月夜の光を浴びるまで5分とかからない。
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桜木紫乃さんと言えば北海道が舞台の小説というイメージが強かったので、沖縄が舞台とは珍しい…(初めて?)とまず思った。 読了後ちょっと検索してみたら「北海道から離れてごらん」という助言を受けての執筆作だった模様。 38歳のツキヨは、生まれ育った北海道東部の街を離れ那覇に流れ着き、...
桜木紫乃さんと言えば北海道が舞台の小説というイメージが強かったので、沖縄が舞台とは珍しい…(初めて?)とまず思った。 読了後ちょっと検索してみたら「北海道から離れてごらん」という助言を受けての執筆作だった模様。 38歳のツキヨは、生まれ育った北海道東部の街を離れ那覇に流れ着き、いつしか非合法の売春宿で身体を売る生活にたどり着いていた。 ある日歯がひどく痛み、客の南原から聞いた闇医者を訪ねる。 そこはタトゥーショップで、彫り師で元歯科医の万次郎と、万次郎を慕う青い目のヒロキと出逢い、すぐに馴染んで3人で暮らし始める。 万次郎とヒロキも訳ありで、ツキヨの最後の客となった南原は、実は2人と切っても切れない関係にあった。 沖縄が舞台の小説って、ストーリーが重めでもどことなく明るかったりからっとした要素がある。吉本ばななさんの南の島が舞台の小説なんかが、そのイメージだ。悲しい中にも沖縄特有のゆるい感じが漂っているような。 だけど桜木紫乃さんの沖縄は、からっともしていないしゆるくもない。沖縄の背景に北海道が見えるのは、主人公のツキヨ(壮絶な過去を持つ)が北海道出身で、時折北海道時代の回想シーンが出てくるからだろうか。 でもそれだけではないと思う。主人公が別の土地出身でも(沖縄出身の設定だったとしても)やはりこの独特の重苦しさがあるように思う。 ツキヨも万次郎もヒロキも、底の底で生きている。南原は彼らに与えるふりをしながら実はさまざまなものを搾取していて、人生を狡賢く生きる強者と、それに敗かされる弱者の構図がそこにある。 底の底で生きて、一時そこから脱け出そうと試みるも、やはり元の場所に戻ってしまう人間の性。何だかんだで元の居場所が心地良いから。 女性らしいしたたかさを持って生きるツキヨと、厭世的で世捨て人の風情漂う万次郎と、傷付けられることを繰り返しても怖いくらいにピュアなヒロキ。 沖縄の温かい海というよりは、北海道の冷たい海をたゆたうような、死に近い雰囲気が漂う。 「光まで5分」というタイトルの意味を重い気持ちで考えてしまう物語だった。
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インスタで読書感想の投稿に惹かれて購入。 エモさを期待しすぎて、期待値は超えられず。 でも終始、夏の気だるさのような空気感は好きだった。 蛇にピアスが好きな人は好きだと思う。
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底の底まできてしまうと ある意味安心してしまうのだろうか 怖いものなしって なんだか憧れてしまう自分もいる。
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北海道から沖縄へと流れ着いたツキヨは、元歯科医の万次郎、青い目をしたヒロキと出会う。希望を持たない三人は、どこへ向かうのか…。直木賞作家が沖縄を舞台に描く挑戦作。 いつも北海道が舞台の桜木作品なので、その真反対の沖縄に違和感を覚える。それでも男はやっぱり欲望まみれで、女はしたたか...
北海道から沖縄へと流れ着いたツキヨは、元歯科医の万次郎、青い目をしたヒロキと出会う。希望を持たない三人は、どこへ向かうのか…。直木賞作家が沖縄を舞台に描く挑戦作。 いつも北海道が舞台の桜木作品なので、その真反対の沖縄に違和感を覚える。それでも男はやっぱり欲望まみれで、女はしたたかに生きる。
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愚かなので軽率に万次郎先生が好きです脳死 積読なかったことにして買いたてほやほやほくほくなきもちで昨日買った本読めること以上に幸せなことってなに何回だって言うけどゼミ論終わったまじ偉い
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生まれ育った北海道から沖縄まで流れ着いたツキヨは、自分を労わることを知らず、体を売って無為に日々を過ごしていた。訳ありの歯科医万次郎と彼を慕うヒロキに出会い共に過ごすうちに、束の間素の自分を取り戻すが‥。 沖縄というスピリチュアルな場所で救われる物語かと思いきやそう単純でもなく、...
生まれ育った北海道から沖縄まで流れ着いたツキヨは、自分を労わることを知らず、体を売って無為に日々を過ごしていた。訳ありの歯科医万次郎と彼を慕うヒロキに出会い共に過ごすうちに、束の間素の自分を取り戻すが‥。 沖縄というスピリチュアルな場所で救われる物語かと思いきやそう単純でもなく、読後感も何やらモヤモヤした。
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