権力にゆがむ専門知 の商品レビュー
2020年9月の菅政権による学術会議に絡む任命拒否事件を発端として、学問・研究の自由、言論の自由への介入を窺っている政権のあり方を検証している著作だが、新型コロナウイルスに対する第二次安倍政権の杜撰なやり方、さらには有識者会議と称する 一見まともな施策が実は政権への忖度に終始して...
2020年9月の菅政権による学術会議に絡む任命拒否事件を発端として、学問・研究の自由、言論の自由への介入を窺っている政権のあり方を検証している著作だが、新型コロナウイルスに対する第二次安倍政権の杜撰なやり方、さらには有識者会議と称する 一見まともな施策が実は政権への忖度に終始してた実情を多くの事例であからさまにしている.専門知をないがしろにしていることをここまで明確にしている姿勢は素晴らしいと感じた.安倍政権が新自由主義の御旗のもとに現代社会を破壊してきたことを見ると、暗殺事件がある意味で救いの手を差し伸べてくれたのではないかとも考えている.
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研究をするにはお金が必要で、金主には遠慮する、をやっちゃいけないと研究したい人に言う。のを求めるのも酷だ、といえるほど税金を出す側に余裕があるわけでもない。コンサルなんてここからはどう見えるんだろう。
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序章 学術会議任命拒否問題と専門知 権力による専門知の統制 人文・社会科学系分野の再編指示 政治・行政と専門知の根源的問題 1章 政権・官僚機構と専門知―敗戦後、専門知をどのように調達したのか 官僚制と専門知の結合 戦後経済復興と専門知 2章 囲い込まれる専門知―第二臨調・国鉄解...
序章 学術会議任命拒否問題と専門知 権力による専門知の統制 人文・社会科学系分野の再編指示 政治・行政と専門知の根源的問題 1章 政権・官僚機構と専門知―敗戦後、専門知をどのように調達したのか 官僚制と専門知の結合 戦後経済復興と専門知 2章 囲い込まれる専門知―第二臨調・国鉄解体・自民一党優位の政治戦略 政治と行政による専門知の囲い込み 政治・行政と専門知の「融合」 政権による専門知の取り込みと専門知の迎合 3章 原子力ムラ―「規制の虜」になったのはだれか 専門知を核とした原子力ムラの「復活」 だれが、原子力安全規制の主体なのか 4章 新型コロナウイルス感染症対策―専門知は政治と対峙しているか 5章 介護保険制度に同調した専門知―理論的考察の底の浅さ 終章 政治と専門知の責任をいかに確率するか 官僚機構が機能した近代化 官僚機構と政治の「劣化」 大学・大学院の「変容」と専門知 科学的マインドをもった政治と自律した専門知に向けて 6章 司法制度改革と専門知―「国民に開かれた司法」の顛末 終章 政治と専門知の責任をいかに確立するか
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