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どうしても生きてる の商品レビュー

3.9

209件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/04/18

どこまでもリアル 小説だからこその作り込まれた美しさや感動を一切排除して、どうしようもない現実でもがいて生きる人々の物語 生きるってそんなもんだよって、何とも言えない 心の癒しとか前向きな感情を期待して読むもんじゃなかった

Posted byブクログ

2024/04/11

「虚」を描く小説のはずなのにものすごく「現実」だった。共感ではなかった。年齢的にはだいぶ大人なのに、私はこういうぐるぐると渦巻く出口のない感情に出会っていない気がする。ただ、この感覚は朝井さんの小説を読んだ時にしかない。また読み返す。

Posted byブクログ

2024/04/09

傍から見たら十分に満たされているように見えている人も心の中ではどす黒いネガティブな感情がある様子が見えて意外と共感できる。 共感しすぎて苦しくなるけど(笑)読んだあとは自分の生き方も悪くないなと思える。 絶望風希望のある1冊だった。

Posted byブクログ

2024/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうしても生きてる人間たちのどうしようもなく続く日常の短編集。 《健やかな論理》★★★★★ 再配達を頼んだ人間は自殺なんてしない。異性の体が密着すれば、性的に興奮する。何も間違ってなんていない健やかな論理だ。この健やかな論理にがんじがらめに苦しめられ続けている。 他者との関係を構築する上で期待してはならない、健やかさからかけ離れた論理の理解。法律を犯し社会の秩序を乱すようなことはしていない。それでもぬらぬらとした人生の断面図を罪悪感を得ながらも見ていないと生きていけない、そんな健やかさからかけ離れた論理。 わたしも常に引継書を作成している。偶然の積み重ねで不安定に過ごすこの世界の中で、この引継書が完成する時は来てしまうのだろうか。 《流転》★★☆☆☆ 夢を持ち、諦めた男の、どこにでもあるような話。誰でも経験してきたような青臭く自己防衛に塗れた恥ずかしい人生の一幕が、ここまで解像度を高められることで素晴らしく胸糞悪く恥ずかしくなる。 《七分二十四秒めへ》★★★☆☆ もしあの時勉強せずに違う高校に行っていたら、あの時子供を産まない選択を取っていたら、そんなifの積み重ねが生み出しているifの世界のわたしの人生。これはわたしの物語だ。息苦しくなるほどの共感がわたしを襲う。 子供の頃、野球選手がなぜお金をもらってプロとして活動出来るのか、どうしてスポーツをしている人にお金を払う人たちがいるのか不思議で仕方なかった。それほどにわたしの人生はその時満ち満ちていたのだと思う。 今は、その気持ちがわかる。娯楽・賭け・酒・煙草、生きていくうえで何のためにもならない情報や刺激に溺れて脳を溶かしているときだけ、息ができる。自分が自分として生きていくにはあまりにこの世界は住みづらい。 《風が吹いたとて》★★★☆☆ 今すぐにどうすることもできないような頭の中を占めると苦しくなる半径五メートル以内の考えごと、共有して同じレベルで会話して考えて対処行動を出来る人と一緒にいたい。 《そんなの痛いに決まってる》★★★☆☆ 集団生活を送るようになってから頭の中にある篩の網目が細かくなっていくのを感じる。どんどん思考が言葉にならなくなっていく。飲み込む技術が磨かれていく。 矮小なプライドに囚われている良大に辟易する。共感なんてしたくない。 《籤》★★★★★ 意識にのぼらせたくない前意識が刺激される。嫌いな自分、認知したくない自分の思考が意識にのぼる。 智昭が悦に浸って自身の本心を露呈した時のみのりの反応が好きだ。小説という暗転があり終わりのある世界でそれを皮肉るのが良い。 どんな物事も捉え方次第だ。ただ、生育歴次第で自動思考が歪む。その歪みが当たりでも外れでもない籤の認知を歪める。どんな思考の癖があるのか、反証という武器を手に入れられるのか、それ次第で人生は何色にでもなるし籤を自分で書き換えることもできると思う。

Posted byブクログ

2024/03/23

読み始めた時、「正欲」を読んだ時には感じなかった読みづらさを感じた。こんなにわかりにくい言い回しをする人だったかな。 内容は、解説で万城目さんが書いているように「実」の話で都合よく話が好転するようなことはなく読後ももやもやした気持ちが残るけど、タイトル通りこれが「どうしても生きて...

読み始めた時、「正欲」を読んだ時には感じなかった読みづらさを感じた。こんなにわかりにくい言い回しをする人だったかな。 内容は、解説で万城目さんが書いているように「実」の話で都合よく話が好転するようなことはなく読後ももやもやした気持ちが残るけど、タイトル通りこれが「どうしても生きてる」にあるように生きるってこういうことよな…というような内容だった。辛いことばかりだけど、生きていかなくちゃいけない。 気持ちが落ち込んでる時にはおすすめできない。

Posted byブクログ

2024/03/21

関係が壊れるとき何でそうなったの? って答えるとしたらこういう事なのかもしれない。明確な答えなんかない感情の機微の連続。 解説のまきめさんが良かった。

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2024/03/21

この短編集を読切った後は内容が思い起こされ考えさせられ、人生ってこれの連続だよなと少し笑ってしまった また一つ私の知らない私の扉を開いてくれた一冊 もう一度読む時は、仕事に行き詰まり、自分の存在を否定したくなった時にこの作品を読みたい 特に“そんなの痛いに決まってる“と、“籤“が...

この短編集を読切った後は内容が思い起こされ考えさせられ、人生ってこれの連続だよなと少し笑ってしまった また一つ私の知らない私の扉を開いてくれた一冊 もう一度読む時は、仕事に行き詰まり、自分の存在を否定したくなった時にこの作品を読みたい 特に“そんなの痛いに決まってる“と、“籤“が印象に残っている “そんなの痛いに決まってる“は、現代社会の中で私が1番苦手としている仕事はなんでもやります精神の裏面が垣間見ることができる 仕事をしていく上でどうしても出来ないこと、乗り越えるべきことを、斜め上の方法で解決しているところがすごく納得できた “籤“は、自分の人生の中で、籤として何を引いてきたのか再認識するきっかけになった 自分の信じた道は間違ってないと思いたいだけなのかもしれない

Posted byブクログ

2024/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいる間ずっとずーっとどこか苦しくて、確かにストーリーはハッピーなものでは無いけれど、、それにしてもなんでずっと苦しいんだろう?って思ってたけど万城目さんの解説を読んでなるほど。となった。 その上でたぶん私は「虚」の本が好きだから、本に「虚」を求めているか、「実」の本であるこの本は苦しかったんだと思った。ていうか考えてみたら朝井リョウさんの作品を読んでる時はいつも苦しいから多分そういうことなんだと思う。 『正欲』ほどの衝撃があったわけではないけど、前哨戦、といった感じだったので、あの本が好きな人には絶対オススメすることにする。

Posted byブクログ

2024/03/13

短編小説を読んでいるのに、短編小説でよく感じる、足りない、もう終わっちゃったの?というような感覚が全くない。全ての短編でずっしりとメッセージがあって、しっかり読んだな、届いたなと感じる。 自分の思春期から今までに感じて段々と認識してきた人間としての苦しさみたいなものが一つずつの短...

短編小説を読んでいるのに、短編小説でよく感じる、足りない、もう終わっちゃったの?というような感覚が全くない。全ての短編でずっしりとメッセージがあって、しっかり読んだな、届いたなと感じる。 自分の思春期から今までに感じて段々と認識してきた人間としての苦しさみたいなものが一つずつの短編でテーマとして表現されている感じがした。 素晴らしい。

Posted byブクログ

2024/02/27

朝井リョウさんの本を初めて読んだが、独特の表現力が印象的だった。 例えば、 "骨の間から溶け出しそうになった心臓の形を整える" とか "手の甲についてしまった汚れでも取るように、トップに君臨し続けている見出しをタップする" とか。 絶妙な表...

朝井リョウさんの本を初めて読んだが、独特の表現力が印象的だった。 例えば、 "骨の間から溶け出しそうになった心臓の形を整える" とか "手の甲についてしまった汚れでも取るように、トップに君臨し続けている見出しをタップする" とか。 絶妙な表現だけど想像つくのがすごい。 この本はあまりにも現実的で苦しかったああ 最後の『籖』は理不尽なことでも受け入れていかなきゃいけない現実を突きつけられました。

Posted byブクログ