日本で学ぶ文化人類学 の商品レビュー
文化人類学と言うと、どうしても海外の何とか族の生活を観察・分析する学問のイメージが強い。 今回の本は「日本で学ぶ文化人類学」がテーマだ。執筆者たちは文化人類学者だが、日本研究の専門家とみなされているわけではない。 日常生活していればどこかで見聞きすることを取り...
文化人類学と言うと、どうしても海外の何とか族の生活を観察・分析する学問のイメージが強い。 今回の本は「日本で学ぶ文化人類学」がテーマだ。執筆者たちは文化人類学者だが、日本研究の専門家とみなされているわけではない。 日常生活していればどこかで見聞きすることを取り上げている。 特に気になったの「文化を売買する」だ。観光でいろいろなところに行く機会はあるが、そこで見聞きしたり、食べたり、買ったりするものは、必ずしも昔からある伝統とは限らなかった。 「観光とは本物らしく加工された疑似イベントを体験すること?」とあるが、観光客を呼び込むためという地元の観光業者と地元らしさを求めて旅する観光客の一致で、観光が成り立っている。 それを言っちゃおしまいよと思うが、学問としてみるとそうなる。 おみやげは、神社や寺院で参拝した証拠として配られたお札や縁起物を指していた。しかし、今ではお菓子、弁当、工芸品、Tシャツなど多岐にわたっている。 だからといって不謹慎と目くじらをたてる人はいないだろう。 文化人類学を通してみる日本、興味深い事がたくさんあるなあ。
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