はじめまして病理学 の商品レビュー

市原真(著者)

2022/02/27

読みやすくてイラストも多いので、「手に取りやすく、ひと通り読める」貴重な入門書だと思います。

私は医療従事者ではないので、詳細はよくわかっていないのですが、「知りたい」と思った時にこの本を開けば理解がぐっと進む感覚を抱きました。

病気になった時のお医者さんの説明は、わかりやすいのだけれど、後から一人で深掘りしたくなったときに「何をどう調べたらいいのかわからない」ということが往々にしてあるように思います。そんなときこの本があれば、体のメカニズムがざっくり掴めて、病気のことを調べる足がかりが得られるのではないか、と思います。

昨年は自分を含む身近な人たちが次々と病気になりました。そのとき、ヤンデル先生の本を読み返し、病気のことや治療のことを学び直して、自分の理解の整理をしました。生きていれば病気になることはあるので、この本も、いざという時の「備えの一冊」として大切に持っておこうと思います。

2022/01/06

看護雑誌での連載。とはいえ看護学生など、「先日まで高校生だった人でも」わかるように書かれているので、全く無関係かつ理系科目の知識ゼロでも楽しく読めました。
元々ヤンデル先生の文章は、軽やかなでありながらとても丁寧に選び抜かれた言葉たちが、楽しそうに、読まれる事を今か今かと待ち構えているかのように並んでいます。
軽すぎると感じる人もいるかもしれませんが、飽きさせないユーモアとやさしさを感じる文章は、心地よいリズムがあります。

それらが「読ませてくれる」人の病の理。
人の身体とはどういう仕組みなのか。
何が正常で、何が起こると病なのか。
昨今の感染症禍で、どういった症状が恐ろしいのか、何が起きて何が深刻なのか。
また、何をどのようにする薬なのか、が理解できます。
この入り口に立つ事で、理解できる事、解消される不安、そして冒険。
様々な感覚をもたらしてくれました。