生涯弁護人 事件ファイル(2) の商品レビュー
弘中弁護士が携わってこられた印象的な事件や社会的影響の大きい事件を中心に、事件概要や弁護士としてどう関わってきたか、裏話などを含めて語られている。 難しい法律用語も多い中で、素人にもわかりやすいように解説されているので読みやすい。 なにより担当されている事件が興味深いものが多く、...
弘中弁護士が携わってこられた印象的な事件や社会的影響の大きい事件を中心に、事件概要や弁護士としてどう関わってきたか、裏話などを含めて語られている。 難しい法律用語も多い中で、素人にもわかりやすいように解説されているので読みやすい。 なにより担当されている事件が興味深いものが多く、面白く読めた。 日本の司法の問題点も理解できる。
Posted by
検察の調べ方に問題があるのはわかったが、 被告人の罪については、素直に弁護士の主張通りなのか疑問に思った。
Posted by
日本の司法制度の問題点を炙り出す小説はかなり読んできたつもりだが、当事者の経験と視点によるノンフィクションの前には沈黙してしまう。たとえ弁護人という一方からの独善的な偏りがある立場だとしても。それほど重く深い作品だ。国策捜査の闇を暴いた佐藤優氏の「国家の罠」と共に多くの日本人に読...
日本の司法制度の問題点を炙り出す小説はかなり読んできたつもりだが、当事者の経験と視点によるノンフィクションの前には沈黙してしまう。たとえ弁護人という一方からの独善的な偏りがある立場だとしても。それほど重く深い作品だ。国策捜査の闇を暴いた佐藤優氏の「国家の罠」と共に多くの日本人に読んでもらいたい作品。図書館で借りている都合で事件ファイル1は未読なので、早く読みたいと思っている。特に村木厚子事件は丹念に読みたい。
Posted by
前著が面白かったので、本著も読んでみた。 カルロス・ゴーン事件が気になったので、メディアが報道しない裏側が書かれていて面白かった。
Posted by
2分冊になっている、弘中弁護士の「生涯弁護人」の2巻目。1巻目、2巻目ともにボリュームがあり、本書は460ページを超える。2冊で、1,000ページ近くなるが、とても面白く短期間で読むことが出来た。 1巻目も興味深い事件が取り上げられていたが、この2巻目も面白い事件が取り上げられて...
2分冊になっている、弘中弁護士の「生涯弁護人」の2巻目。1巻目、2巻目ともにボリュームがあり、本書は460ページを超える。2冊で、1,000ページ近くなるが、とても面白く短期間で読むことが出来た。 1巻目も興味深い事件が取り上げられていたが、この2巻目も面白い事件が取り上げられている。安倍英医師の薬害エイズ事件。野村沙知代事件。そして、カルロス・ゴーン事件。その他にも興味深い事件が多く取り上げられている。安倍医師の事件、カルロス・ゴーン氏の事件は、これまで新聞やテレビの報道などで知っていた内容、感じていた印象が大きく変わった。安倍医師、ゴーン氏に対しての検察起訴・逮捕は、全くの冤罪だという考えに変わった。弘中弁護士は、本書の中で、実際の事件での弁護団の弁護方針・戦略、更には、証拠等の具体的な内容についても触れており、本書に描かれているストーリーは信ぴょう性が高い(実際に安倍医師は無罪になっている)。また、ゴーン氏の逮捕・起訴・裁判の進行に関しては、「日本の司法制度は前近代的である」との批判が外国から多く寄せられていたことも、あらためて思い出したし、本書を読めば全くその通りだと思う。 ひとつひとつの事件に真摯に取り組む誠実さ。事件の核心を理解し、それを弁護方針・戦略に生かす弁護士としての腕の良さ。実際の弁護の場面での労力のかけ方や実務的な能力など、実際に事件に巻き込まれて弁護士が必要になった場合には、是非とも弘中弁護士にお願いしたいと感じた。 本書のあとがきに、ご本人が書いている自分に関しての描写は下記の通り。1,000ページ近い本の中で読者が感じるであろうイメージと全く異なるが、こういったつもりで「生涯弁護人」を務めておられたのであろう。 【引用】 私は、そんな考え方なので、とりたてての主義主張もなく、誇るべき専門領域も著書もなく、地位名誉にも縁遠く、財をなすこともなかったが、半世紀の間、そのときどきの事件に首を突っ込んで、私なりに好奇心を満足させてきた。そのうえ、このような形で、それらをひとまとめにできて、一人悦に入っている次第である。 【引用おわり】 とても格好良い。
Posted by
ファイル①②と、2冊構成になっており、ページ数もそれなりあるが、平易な文章で読み易かった。 内容も素人の私には、新鮮だった。 大津事件の伝統もあり、漠然と日本の司法に対して、ある程度の信頼感を抱いていたが、全くの幻影だと悟った。 有罪率を上げる為、証拠の捏造、改竄を厭わない検察。...
ファイル①②と、2冊構成になっており、ページ数もそれなりあるが、平易な文章で読み易かった。 内容も素人の私には、新鮮だった。 大津事件の伝統もあり、漠然と日本の司法に対して、ある程度の信頼感を抱いていたが、全くの幻影だと悟った。 有罪率を上げる為、証拠の捏造、改竄を厭わない検察。検察や、マスコミの印象操作に踊らされ、公正な判断が出来ない裁判官。著しく冤罪のリスクが大きい日本の司法制度。 徴用工を巡る、政治や世論に阿る韓国の裁判所の判決を見て、何て遅れてるんだと感じていたが、日本の司法制度も同様で、明治以来全く進歩していない。 カルロス・ゴーンの事件、ロス疑惑についても、マスコミの報道をそのまま信じてはいけないと思った。鈴木宗男や小沢一郎に対するイメージも変わった。
Posted by
いつのまにか機能不全に陥ったわが国のあらゆるシステム。中でも恐ろしいのが、本作で批判されるこの組織だろう。 村木厚子さんの「日本型組織の病を考える」とともに必読。 この穴に落ちてしまったら、よほどの奇跡が重ならないかぎり、脱出できない。ああ、恐ろしい。
Posted by
p30 郡司ファイル 厚労省 机の上にものをおくな、日常使わないものは倉庫にいれろ と指示され、雑多なメモや新聞記事などをファイルにまとめて倉庫に入れた その一つが郡司ファイルで、中身は課内のスタッフが自分の勉強のために記したメモなど 件のメモもその中にあったが、基本的な間違いが...
p30 郡司ファイル 厚労省 机の上にものをおくな、日常使わないものは倉庫にいれろ と指示され、雑多なメモや新聞記事などをファイルにまとめて倉庫に入れた その一つが郡司ファイルで、中身は課内のスタッフが自分の勉強のために記したメモなど 件のメモもその中にあったが、基本的な間違いが多かったため郡司氏が添削した。彼は、部下がせっかく書いたメモをすぐ捨てるのに気が引けて、他の雑多なメモと一緒にファイルにいれておいただけ p42 ヤメ検の問題点 p368 この人、痴漢ですといわれたらどうする 本当に痴漢行為をしていないのであれば、「逃げるが勝ち」と考えるより他はない。「違います」といいながら現場から立ち去るのが良策だろう p391 そもそも官僚の天下りを禁止するのなら、それを検察官にも適応すべきだろう 昨日まで企業や業者を取り締まっていた側の人間が、「今日から私は、あなた方の味方です」「検察には私の後輩がいるから心配いらない」などとして、取締の対象としていた側に入り込むのは、いかがなものか p395 ほとんどの刑事事件では、取り調べで黙秘をするのが正しい対応である p397 なぜ検察官は保釈に反対するのか。自白をさせたいからだ。 p412 ゴーン氏は、大沼敏明秘書室長と相談したうえで、自分の役員報酬を約半分に減額した。当時の日本では、国際的な企業経営者の役割や報酬水準についての理解不足から、実績や責任を無視した「取締役報酬が高すぎる」との偏見や誤解に基づく混乱が発生し、大きな問題となっていた。そうした混乱を避けるために、ゴーン氏は報酬を大幅に減額していたのである ただ、ゴーン氏の周辺では、報酬があまりにはも少ないとゴーン氏を他社に引き抜かれてしまう心配もあったため、減額分を法律にかなった形で支払う方法がないか模索し、レイサム&ワトキンスに相談した。レイサム&ワトキンスでは、その依頼をうけて、減額分の合法的な支払い方法について調べたり、意見を述べたりしていた。しかし、結局そのような方法はみつからなかった 同事務所は、未払い役員報酬の件について、ゴーン氏の立場にたって相談にのり、アイデアもだしていた。にもかかわらず、あとになって、その未払い報酬の件がすべて犯罪であるとの前提にたつ日産の依頼を受けて社内調査に乗り出し、同じ事案を別の角度から「不正である」とする報告書を提出した。これは利益相反にあたる可能性がある p413 日産による不正調査には大きな問題があった。ゴーン氏の逮捕と同時に、日産の調査チームがレバノンやブラジルで暗躍し、窃盗と言うしかない方法で関係者のパソコンを持ち帰ったり、関係者から供述をとったり、さらには関係者に対して、日本の検察の取り調べを受けるよう誘導したりしていたのである p422 日産はなぜ、ゴーン氏の不正調査を始めたのか? それは、ルノーとの経営統合を阻止するためであった
Posted by
- 1