言葉を失ったあとで の商品レビュー
実践を積み重ねてきた二人だからこそ、提示できる視点、言葉、違和感。 加害男性の人間的薄さやずるさが際立つ。 DV更生プログラムはそういうことなのかとか、沖縄がネタにされがちな学問の世界のせこさとか、あー↘あー↗の連続。 上間陽子さんの寮美千子批判が鋭い。善の陳腐さ、みんな被...
実践を積み重ねてきた二人だからこそ、提示できる視点、言葉、違和感。 加害男性の人間的薄さやずるさが際立つ。 DV更生プログラムはそういうことなのかとか、沖縄がネタにされがちな学問の世界のせこさとか、あー↘あー↗の連続。 上間陽子さんの寮美千子批判が鋭い。善の陳腐さ、みんな被害者論の陳腐さ。
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上間陽子さんの言葉に触れたくてこの本を選んだ。信田さよ子さんとの対談は、DVや性被害の加害者と被害者へのアプローチが語られている。上間陽子さんは読者のためではなく沖縄の女の子の隣にいるためにどんな言葉が必要なのか上間さん自身のために信田さんの「聞く」現場が知りたかったとあとがきに...
上間陽子さんの言葉に触れたくてこの本を選んだ。信田さよ子さんとの対談は、DVや性被害の加害者と被害者へのアプローチが語られている。上間陽子さんは読者のためではなく沖縄の女の子の隣にいるためにどんな言葉が必要なのか上間さん自身のために信田さんの「聞く」現場が知りたかったとあとがきに書いている。信田さんの秘儀の一部は知ることが出来たらしい。そんな凄い(←貧弱な語彙)対談がここに展開している。そして豪傑な信田さんだった!
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対談相手、「裸足で逃げる」の人とわかってドキッとした。詳しい内容は覚えてないけどとにかく衝撃的な本だったから……。自分は心理系の仕事をしてないので「ふーん、そうなの?」と思うところもあったけど……もっと時間のある時に読みたかった。フラッシュバックは回復の兆しという話が良かった。自...
対談相手、「裸足で逃げる」の人とわかってドキッとした。詳しい内容は覚えてないけどとにかく衝撃的な本だったから……。自分は心理系の仕事をしてないので「ふーん、そうなの?」と思うところもあったけど……もっと時間のある時に読みたかった。フラッシュバックは回復の兆しという話が良かった。自分は本当に恵まれた人生を生きてるけど、環境次第で人生って本当に大きく変わるしそこから巻き返していくことの大変さって凄まじいなって思う。
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言葉を失ったあと… 私達は何を語れるのか… 言葉無く語れるものとは何か 非行、虐待、嗜癖、性被害、世代間連鎖 若年妊娠、援助交際… 関係性の中で生きている私達
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なかなかに感想を書き留めておくのが困難な本だ。私の知識不足、勉強不足を含めて(二人の著書を先に読んでおくべきだった)。でも、対談集なので読みやすいし、しんどい部分もあるんだけど、スカッとすることも書かれていた。 臨床心理士という仕事、DV、アルコール依存症、性虐待、上間さんが調査している沖縄の若い女性たちの話…。表面上のことしか知らなかった、というよりも、こう考えるべきだろう、という一方通行の視点しかもっていなかったことに気付かされた。学んだことがたくさんありすぎた。 「加害当事者の正当化以外の声が、なぜこの国では聞こえてこないのか?」(P52)「ひとは差異でもって、リスクとか不快の話をする」(P94)「自分の記憶を信じてくれるひとがいるというときに、安心できるひとができたときに、辛い体験がフラッシュバックする」(P234) あと、信田さんがカウンセリングのときに「言葉を禁じる」という話のくだりがすごかった。ひとつ取り上げるなら「自己肯定感という言葉は使わない。自分で自分を肯定するとか、自分で自分を好きになるとか、それは無理じゃないでしょうか」(P253)。当たり前のように使っている便利な言葉を使うことで見えなくなっていることって、ほんとにたくさんあるな、と思った。そこを自分の言葉にしていかないと、自分とは(他者とも)向き合えない。 「いまでも、メジャーなメディアではDVの話題はあまり出ない。出るとしたらどうやって被害者を逃がすか。性暴力もそう。被告の悲惨さは言っても、加害については言わない。加害がなきゃ被害は起きないのに、加害は見えないままだった」(P327) 知らないことを知る。考える。
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DV、虐待、性被害についてや、加害又は被害を「聴く」「治療する」ことについて、考えさせられる対談だった。近接領域で働いているのでお二人の話にそうですよね〜と深くうなずきたくなる場面も結構あった。加害者って映画の世界みたいに綺麗に変わらないですよね。被害者の気持ちを真に理解できる人...
DV、虐待、性被害についてや、加害又は被害を「聴く」「治療する」ことについて、考えさせられる対談だった。近接領域で働いているのでお二人の話にそうですよね〜と深くうなずきたくなる場面も結構あった。加害者って映画の世界みたいに綺麗に変わらないですよね。被害者の気持ちを真に理解できる人も少ないんだろう。 もちろん知識や経験の不足を痛感することも多々あった。海外ではDV加害者が裁判所命令でDV加害者のためのプログラムを受講を義務付けられると知って驚いた。 信田さんの面接で愛着障害だとか自己肯定感が……とかいう言葉を禁じているという話もなるほどと思った。その人の中で物語として完結してしまっていたらそれをそのまま受け止めたくなるけど、あえて事実を語らせることで直面化させるというか。そのまま真似するのは難しくても、そういう表現が出てきたら言い換えてもらうとか応用して取り入れたいなと思った。 上間さんの社会調査の話もすごいなと思った。学生時代に社会学の授業をとったとき、社会調査って結局なにやってるのか謎だなと思ってたけどイメージがつかめた。すごい行動力と熱意がないとできないなぁと。 選択肢の少なさの話も心に残った。同じ選択でも、3つから選んでいる人と15から選んでいる人がいる。どのような選択肢の中からそれを選んだのか。その背景にまで想像力を巡らせて他人の話を聴かないとなぁと思う。
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当たり前なんだけど、知らない単語が多くて、きちんと調べながら読むだけで解析度が全然違う。 上間さんが、「あなた」という単語をたくさん使うのが本当に好き。「あなた」の話を聞きたいし、「あなた」の感情を、教えたいと思うものだけ私にも分けて欲しいんだよね。 すごく好き。
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知らなかったことばかりだった。 少し言葉が難しいところはあったが、困難な状況にある女性たちに寄り添う二人には、敬意しか無い。 この本を読んでいる頃、新聞の沖縄の記事で、上間さんと本で言及されている研究者の打越正行さんが話されていて、私的に本を補完してくれた。 基地を沖縄に押しつけ...
知らなかったことばかりだった。 少し言葉が難しいところはあったが、困難な状況にある女性たちに寄り添う二人には、敬意しか無い。 この本を読んでいる頃、新聞の沖縄の記事で、上間さんと本で言及されている研究者の打越正行さんが話されていて、私的に本を補完してくれた。 基地を沖縄に押しつけている現状が、弱い立場にある女性たちを追いつめている。 現状を容認している本土のわたしたちも沖縄の女性たちの加害者なのではないか。
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読もう、読もう、と思いながらもなかなか読めずにいましたが、ようやく読めました。 印象に残ったことをここでは2つだけ書きます。 選択不能性について。 ものすごく少ない選択肢の中からしか選べない状況にある人がいるということを、私はどれだけ理解して「自己選択」「自己決定」の言葉を使...
読もう、読もう、と思いながらもなかなか読めずにいましたが、ようやく読めました。 印象に残ったことをここでは2つだけ書きます。 選択不能性について。 ものすごく少ない選択肢の中からしか選べない状況にある人がいるということを、私はどれだけ理解して「自己選択」「自己決定」の言葉を使ってきただろうかと、自分の理解の浅さを感じました。 性暴力、DV加害をどのように見ていくかについて。 頷くばかりで納得しかない感覚でした。 怖さや危うさを改めて感じました。 カウンセリングから、社会調査から、多くの方の声を聴いてこられたお2人の言葉には、とても説得力がありました。 加害者の被害者性を取り扱うことのリスクについて知ることができたのもよかったです。 上間さんの本はまだ読んだことがなかったので、「読んでみよう!」と思いました。
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信田氏と上間氏の対談をまとめた本。 最前線で活躍する臨床心理士と社会学者の対話は前提となる知識が必要でところどころ難しく感じ、何度か読み直して理解を深めたいと思う。
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