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なぜ私は凍りついたのか の商品レビュー

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2023/07/20

性犯罪についてのシンポジウムをまとめた一冊。 ポリヴェーカル理論という心理学を用いて、性犯罪被害者の訴えを「本当に抵抗したのか」「自分から望んだんじゃないのか」と言われる現状(司法判断、刑法)を変えようと努力しておられる方々の想いが込められています。  この本を読もうと思ったの...

性犯罪についてのシンポジウムをまとめた一冊。 ポリヴェーカル理論という心理学を用いて、性犯罪被害者の訴えを「本当に抵抗したのか」「自分から望んだんじゃないのか」と言われる現状(司法判断、刑法)を変えようと努力しておられる方々の想いが込められています。  この本を読もうと思ったのはポリヴェーカル理論というものを知りたかったからで、(その目的に対してこの本はあまり適切ではない)図書館で借りられる本をと考えた結果、ここにたどり着きました。  本当はもっと調べたうえで本を選ぶべきで、それは今後の教訓とするところですが、せっかく借りたのだからと読み始めることにしました。  性犯罪とは別の理由から、私はポリヴェーカル理論は自分の様々な現象とつじつまが合うのではないかと考えているのですが、それは図らずも、自分の抱えている理由と性犯罪被害者の意外な共通点を炙り出す結果となりました。  自分では「こんなのは被害の内にはいらない」と否認して「何事もなかったかのように」生活を続ける。まさにこれ自体が、生存戦略のために無意識に取られた方法であって、自分が被害者であることの紛うことなき証拠なのかもしれない。そう気づいた時、一枚だと思っていた窓のガラスが二枚あることに気がつきました。  日本は、性犯罪被害者が二次被害に遭うことがまだまだ多い国です。女性に対する評価(≒人権)が低く、「肌の露出が多い格好をしていたのだから、女性が悪い」などと言われてしまいます。  被害を訴えようとした人がもう一度酷い目に遭うのがわかっていたら、加害者を訴えることも難しくなります。そのことが結果的に加害者の慢心を誘うことになったり、性犯罪を野放しにしてしまうことになったりします。  本来の目的とは違った経緯で手に取った本でしたが、貴重な証言や専門家の方の意見が知れて良かったなと思いました。  将来、ポリヴェーカル理論が広まることで、ひとりでも多くの人が救われればいいと私も切に願います。  花丘ちぐささんの本を他にも読んでみる予定です。

Posted byブクログ

2023/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

むちゃくちゃ勉強になる本だった。図書館で借りたのを2章目の途中まで読んで速攻で買った。この視点を身に付けられるのが遅すぎなくて良かった(既に遅いと思うが)。法曹関係者全員が読むべき本と思う。

Posted byブクログ

2023/02/17

NA図書館本 ポリヴェーガル理論について知りたくて。 ポージェス博士による、 自律神経系を中心としている理論。ソマティック心理学身体心理学の流れ。 多重迷走神経論。 凍りつきは、じっと動かないでいることで生存の可能性をupさせるもの。性的被害者など。なぜすぐに助けを呼ばないか→...

NA図書館本 ポリヴェーガル理論について知りたくて。 ポージェス博士による、 自律神経系を中心としている理論。ソマティック心理学身体心理学の流れ。 多重迷走神経論。 凍りつきは、じっと動かないでいることで生存の可能性をupさせるもの。性的被害者など。なぜすぐに助けを呼ばないか→助けを呼ぶ回路オフ、じっと静かにして相手の言うなりになる回路オンとなっている。無意識の反応であり、故に説明できない。 などなど、たくさんの学び。

Posted byブクログ

2022/01/23

序章 性暴力・性犯罪の現状と課題 第Ⅰ部 性暴力被害の真実──刑法改正に向けて 第1章 刑法改正に向けて  第2章 ポリヴェーガル理論とはなにか    第3章 性暴力被害とトラウマ  第4章 性暴力被害者支援の現場から   第5章 性犯罪被害者の被害時の反応の実情  第6章 当事...

序章 性暴力・性犯罪の現状と課題 第Ⅰ部 性暴力被害の真実──刑法改正に向けて 第1章 刑法改正に向けて  第2章 ポリヴェーガル理論とはなにか    第3章 性暴力被害とトラウマ  第4章 性暴力被害者支援の現場から   第5章 性犯罪被害者の被害時の反応の実情  第6章 当事者の声が社会を変える 今、何が最も必要なのか   第7章 [座談]シンポジウムを終えて──今後へどうつなげていくか 第Ⅱ部 性暴力とトラウマ──被害の実際と裁判 第8章 性暴力被害と発達性トラウマ   第9章 性暴力被害の実際──なにがおきていて、被害者はどのような心理状態にあるのか、どのような支援が必要か、現場からの具体的なレポート   第10章 性暴力被害とアディクション   第11章 性暴力被害裁判とポリヴェーガル理論   第Ⅲ部 [特別寄稿]加害者像と加害者臨床──「ポリヴェーガル理論」がもたらす希望 第12章 発達性トラウマ障害としての性犯罪者──刑事施設内での犯罪者処遇に現れ る「被害と加害」の扱いについて   第13章 ポリヴェーガル理論から見た性犯罪者の臨床──現場からの報告   第Ⅳ部 ポリヴェーガル理論の可能性──癒しを求めて 第14章 [座談]性暴力をめぐるポリヴェーガル理論的見解 第15章 [対談]性的暴行、拉致監禁、迎合についての観察 

Posted byブクログ