終末の起源 の商品レビュー

上村静(著者)

2024/04/14

・パウロは「律法の終わり」を告げたが、「聖化」されるにふさわしく生きることを要求する。律法なしに聖く正しく生きるというのは、倫理にしたがう他はない。しかし、何が倫理的に正しいかはそれほど明確ではないし、そもそも倫理的要請は時代と文化によって異なる。パウロはしばしば悪徳表を掲げて、クリスチャンがしてはいけないことを示しているが、それらはヘレニズム・ユダヤ教的な倫理であり、またそれらだけを守ればいいというわけでもない。しかし、正しく生きないと神の国を受け継ぐことはできないという。

2022/01/01

古代ユダヤ教における二つの思想潮流―創造論と終末
聖書と聖書学:
「人間学」としての聖書学
「神話」としての聖書

預言者とモーセ五書の思想系譜:
預言者の活動と使信
審判預言と救済預言—異なる系譜
モーセ五書
預言者の功罪

創造論の系譜:
原初史物語(創世記１一1 1 章)―知恵と罪
ヨブ記―応報思想への懐疑
コヘレトの書―神義論の放棄

終末論の系譜―預言者、知想文学、黙示思想:

1預言者
ィザヤ、エレミヤ、エゼキエル
第ニィザヤ
第三イザヤ
２知恵文学
箴言―知恵の礼賛
ベン・シラの知恵(シラ書)
３黙示思想―応報思想の終末論的貫徹
寝ずの番人の書(エノク１ー36章)
エノクの手紙（エノク90ー108章)
個人の復活への希望

グノーシス主義誕生のユダヤ思想史的・時代史的背景―神義論の系譜と三度の対ローマ戦争
ローマ時代のユダヤ思想:
ソロモンの詩篇-ローマの支配と神の支配
知恵の書—永遠の生命を語る知恵文学
たとえの書―知恵の住処

セクト運動:
背景一大祭司職継承争い
ファリサイ派とサドカイ派
エッセネ派とクムラン共同体
ガリラヤのユダ— 反ローマ武力岡争と終末論

ユダヤ人が創造神を憎悪する出来事:
1第一次ユダヤ戦争(後66—74年)
2キトス戦争(後115—117年)一ディアスポラ・ユダヤ人の叛乱
バル・コホバの乱(132ー135年)―最後のメシア運動
4グノーシス主義誕生のユダヤ思想史的・時代史的背景
３イエスとパウロー創造論と終末論

イエス:
洗礼者ヨハネとイエス
イエスの活動
イエスの思想
イエスの思想の系譜

パウロ:
教会の迫害者パウロの回心
パウロの神学
パウロ神学の問題